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5分以内で読める青空文庫の短編作品

青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「5分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。

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作品名著者読了時間人気
いちじくの葉中原中也
5分以内
夏の午前よ、いちじくの葉よ、 葉は、乾いてゐる、ねむげな色をして 風が吹くと揺れてゐる、 よわい枝をもつてゐる…… 僕は睡らうか…… 電線は空を走る その電線からのやうに遠く蝉は鳴いてゐる 葉は乾いてゐる、 風が吹いてくると揺れてゐる 葉は葉で揺れ、枝としても揺れてゐる 僕は睡らうか…… 空はしづかに音く、 陽は雲の中に這入つてゐる、 電線は打つづいてゐる 蝉の声は遠くでしてゐる 懐しきものみ
人と書相北大路魯山人
5分以内
書相は、よくその人の価値を表現する。
能の見はじめ中勘助
5分以内
なにか書かないかといつて「能楽思潮」を贈られたが私はずゐぶん古い能楽愛好者ではあるけれども能楽を研究したこともなければその暇もなかつたし、そのうへ学校を出てからは気分的に、或は住居その他の関係からも久しく観能を中絶しなければならなかつた。
「黒死館殺人事件」序甲賀三郎
5分以内
探偵小説界の怪物江戸川乱歩が出現して満十年、同じく怪物小栗虫太郎が出現した。
美の影響力高村光太郎
5分以内
非目前的なのが美の持つ影響力の特質である。
甲冑堂泉鏡花
5分以内
橘南谿が東遊記に、陸前国苅田郡高福寺なる甲胄堂の婦人像を記せるあり。
月あかり仲村渠
5分以内
青い おほきい船にのつてゆかう。
岡本かの子
5分以内
――お金が汗をかいたわ」  河内屋の娘の浦子はそういって松崎の前に掌を開いて見せた。
明治三十四年東京帝国大学文学部卒業生に小泉八雲
5分以内
一九〇六年五月二十六日  東京  親愛なる學生及び友人諸君、  私は一九〇一年の卒業生諸君の立派な寫眞、及びそれぞれの肖像に小さい索引をつけて下さつた思慮深き御親切に對して、心から御禮を申します、――その御親切は私自身のやうな近眼の者が本當に有難く思ふ事です。
啄木とデカルト命題三枝博音
5分以内
最近、或る啄木展で、啄木がデカルト命題に魅せられている書簡を見て、私は青春の啄木を見る気がした。
(過程に興味が存するばかりです)中原中也
5分以内
過程に興味が存するばかりです それで不可ないと言ひますか 生活の中の恋が 原稿紙の中の芸術です 有限の中の無限は 最も有限なそれでした 君の頭髪を一本一本数へて それから人にお告げなさい テーマが先に立つといふ逆論は アルファベットの芸術です 集積よりも流動が 魂は集積ではありません
正岡子規
5分以内
○昔から名高い恋はいくらもあるがわれは就中八百屋お七の恋に同情を表するのだ。
大阪の一夜北条民雄
5分以内
十日ほども降り続いた梅雨があけると、おそろしくむし暑い日が続いて、街は、腐敗したどぶ川の悪臭が染み込んでぶくぶくと泡立つてゐるやうに感ぜられた。
大植物図鑑本多静六
5分以内
著者村越君が訪問されて本書の批判を余に請はれた。
冬彦抄横光利一
5分以内
畏友、冬彦は詩の生活に於て何を喜んで来たのであらうか。
歌のない歌森川義信
5分以内
この傾斜では お伽話はやめて こはれたオペラグラスで アラベスク風な雨をごらん ひととき鳩が白い耳を洗ふと シガーのやうに雲が降りて来て ぼくの影を踏みつけてゐる 光のレエスのシヤボンの泡のやうに 静かに古い楽器はなり止む そして………… 隕石の描く半円形のあたりで それはスパアクするカアブする 匂ひの向ふに花がこぼれる 優しい硝子罎の中では ひねくれた愛情のやうに ぼくがなくした時刻をかみしめる
帰省漢那浪笛
5分以内
若夏の入江の西に、 萎ゆる帆を静かにたゝみ、 大船の錨なぐるや、 波止場には、吾かなつかしき 南国の男女のあまた、 すゝみよる、艀むかへぬ。
よく生きてきたと思う竹内浩三
5分以内
よく生きてきたと思う よく生かしてくれたと思う ボクのような人間を よく生かしてくれたと思う きびしい世の中で あまえさしてくれない世の中で よわむしのボクが とにかく生きてきた とほうもなくさびしくなり とほうもなくかなしくなり 自分がいやになり なにかにあまえたい ボクという人間は 大きなケッカンをもっている かくすことのできない 人間としてのケッカン その大きな弱点をつかまえて ボク
「春夏秋冬 料理王国」序にかえて北大路魯山人
5分以内
簡単に言って、料理とは単に舌先だけで味わうものではなく、また弄ぶものでもない。
骨董品化した古珍書宮武外骨
5分以内
大阪の書肆中に於ける第一の人格者と認められて居た故荒木伊兵衛氏、其性格の温厚、篤実は実に算盤玉をはじく人に不似合と思はれるほどであつた、それで予は在阪十余年間、絶えず伊兵衛氏の厄介になつて居たので、東京に帰つて後も其ナツカシ味が失せず、時々の音信を嬉しく思つて居たが、突然の訃に接して愕き悲んだことは尋常でなかつた、それがハヤ壱周忌の記念として血嗣の旧幸太郎氏が、「古本屋」といふ雑誌を創刊するとの報
森川義信
5分以内
扉や窓を濡し 支柱や車輪を濡し 出ていつた音よ 仄かな調和のどこにも 響はすでに帰らない 色彩はなく 無表情の翳がうかび しづかな匂ひがひろがり 脱落するシヤツのあとには あやまちのごとく風が立つた 柱廊はひきつり 手すりはくづれ 静止した平面は 静止した曲面とともに いちぢるしく暮れた きびしく遅速をかぞへる 時差のそとに 屹立する実体もまた ひとつの影像である 壊れた通路を水がながれ 扉や支柱
根強い北陸文化中谷宇吉郎
5分以内
私が四高の学生だったころに、金沢から一人の若い青年が突如として、彗星のごとく日本の文壇にあらわれた。
囚人の作つた箱庭李箱
5分以内
露を知らないダーリヤと海を知らない金魚とが飾られている。
運動大隈重信
5分以内
始球式の投手  我輩は運動が大好きである。
白根山三好達治
5分以内
白根山 寥落として 草もなし 煙たつ 見ゆ 白土尾根に ほのかなる 硫黄のかをり 吹きかよへ 芳が平の 秋風のうち 行き行きて かへるときなき心地すれ 鳥さへ飛ばぬ 白根山路 草もなし 木もなし されば 路もなし 湯鳴りさみしき 白埴の山 ここすぎて 人かなしみの國にいる 地獄の門に にたる山かな うかりける 身に杖つきて いまははや ものも思はず 白根山越ゆ かうかうと 前に高嶺はと
青き蜜柑森川義信
5分以内
愁ひ来て丘にのぼりて 酸の香る蜜柑もぐなり 悲しみの青き蜜柑を 栗林こえて見ゆるは 背きにし君の町なるぞ ゆふぐれに深く沈みて 掌にしみる青き蜜柑よ そをかみて何を思はむ 昔の日は皆空しきに ああされど君も寂しと この丘の青き蜜柑の その香りなぜか愛でたり 自らの影をふみつつ ゆふぐれの丘を下りき 掌に悲し青き蜜柑よ
春屋の書について北大路魯山人
5分以内
春屋は大徳寺の名僧で、慶長十六年示寂している。
宮本百合子
5分以内
愛ということばは、いつから人間の社会に発生したものでしょう。
戦争について原民喜
5分以内
コレガ人間ナノデス 原子爆弾ニ依ル変化ヲゴラン下サイ 肉体ガ恐ロシク膨脹シ 男モ女モスベテ一ツノ型ニカヘル オオ ソノ真黒焦ゲノ滅茶苦茶ノ 爛レタ顔ノムクンダ唇カラ洩レテ来ル声ハ 「助ケテ下サイ」 ト カ細イ 静カナ言葉 コレガ コレガ人間ナノデス 人間ノ顔ナノデス  夕食が済んで病妻が床に横はると、雨戸をおろした四辺は急に静かになる。
人間再建北条民雄
5分以内
私は彼の告白記を紹介する前に、一応私と彼との関係や、間柄を記して置きたいと思ふ。
大和ぶり佐佐木信綱
5分以内
大和路 大和なれば塔は見ゆいらか見ゆ菜たねがらやく畑の遠に 道にそふ切づまの家柿若葉生駒遠嶺は淡々と霞み 春日野 いゆきめぐるあしびがもとの道明るし春日野にある此の夕なり 我が行くは憶良の家にあらじかとふと思ひけり春日の月夜 奈良ホテル 朝窓のそとに来遊ぶ鹿を見る奈良にやどりし喜びの一つ 大木あふちむらさき淡きいろしづかに朝の庭苑の一角を占む 秋雨の日 靄ごもる布留の川添
高村光太郎
5分以内
いつたん此世にあらわれた以上、美は決してほろびない。
瀬戸内海の海人柳田国男
5分以内
藝州御手洗(豐田町大崎下島)の邊で聽いた話。
子供たちへの責任小川未明
5分以内
最近小さな子供の行状などを見ていると胸をうたれる。
疲レ北原白秋
5分以内
微風ハ純金ノ足ノウラヨリ コソバユクモ笑フカナ。
二百二十日高浜虚子
5分以内
きのふは二百二十日であつて、おとゝひから蒸し暑く豪雨を降らしたり嵐がおとづれたりして、たゞならん景色であつた。
夕立永井荷風
5分以内
白魚、都鳥、火事、喧嘩、さては富士筑波の眺めとともに夕立もまた東都名物の一つなり。
夏向きの一夜山之口貘
5分以内
争えないもので、顔までがいつのまにやらそういう顔つきになってしまったのであろう。
タバコとマントの恋中原中也
5分以内
タバコとマントが恋をした その筈だ タバコとマントは同類で タバコが男でマントが女だ 或時二人が身投心中したが マントは重いが風を含み タバコは細いが軽かつたので 崖の上から海面に 到着するまでの時間が同じだつた 神様がそれをみて 全く相対界のノーマル事件だといつて 天国でビラマイタ 二人がそれをみて お互の幸福であつたことを知つた時 恋は永久に破れてしまつた。
虎の話芥川竜之介
5分以内
師走の或夜、父は五歳になる男の子を抱き、一しよに炬燵へはひつてゐる。
火の記憶木下夕爾
5分以内
とある家の垣根から 蔓草がどんなにやさしい手をのばしても あの雲をつかまえることはできない 遠いのだ あんなに手近にうかびながら とある木の梢の 終りの蝉がどんなに小さく鳴いていても すぐそれがわきかえるような激しさに変る 鳴きやめたものがいつせいに目をさますのだ 町の曲り角で 田舎みちの踏切で 私は立ち止つて自分の影を踏む 太陽がどんなに遠くへ去つても あの日石畳に刻みつけられた影が消えて
全体の一人陀田勘助
5分以内
独房の中にたった独りでいるおれは決して孤立したものでない 全体の中の部分だ! おれはどこから生れてき、また何を背負っているか! 両親のまた両親とおれの系統をたどってゆくとき、 おれの前には数万人の祖先が立っている 独房の中にいるたった独りのおれの身体は数万人の祖先の血と肉で組織されているのだ そして、物質の組織――神経系統に花咲いた精神も、それゆえに数万人の――いやもっともっと多数の知識の集積と結
街のシルヱット山口芳光
5分以内
――吾等の琉球人に贈る 遠い時と歴史が忘れて行つた一廓! こゝは無人島か骸骨島ででもあるか 午顔の咲き乱れた白日と謂ふのに 古い石垣通りには蝙蝠の魂が飛び交ひ 奥入衡門には不思議な青蚊帳が吊られて 昼の悪童の悲しき性交もあると謂ふ 印陀羅の幻図そつくりの 揺曳する妖しい影絵の国だ ああ 何にかしら祈らねばゐられぬ福樹の 森厳な黙示図絵には 何んと謂ふ赤顔童子の祈雨の火遊びが点じられてあるか ほら
(天才が一度恋をすると)中原中也
5分以内
天才が一度恋をすると 思惟の対象がみんな恋人になります。
うもれ木田辺竜子
5分以内
一葉女史はおのれと同じ園生にありて萩の舍の露におほし立られし下葉なり萩の舍中島の師は常にいにしへぶりのしなたかきを教さとし給へれど性來のすき心によの耳ちかく俗に今樣の情態をうつさばやの心あつく去年より武藏野に名はあれどにげ水のそこはかとなくかくろひてさのみしる人もなかりしを、今度一部の文として梓にのぼせ、公の評をも乞て、猶此後もこれに盡さんの料にせまほしとておのれに其よしはし書してよとこはれぬかゝ
聖ぷりずみすとに与う室生犀星
5分以内
尊兄の詩篇に鋭角な玻璃状韻律を発見したのは極めて最近である。
伊豆大島の話柳田国男
5分以内
○  大島の野増村にはシツナ神といふ女體の神があつて、近い頃までも稀には男を呪ふ女が祈願をかけたといふ話を聽いたが、本當のことであらうか。
救国論中谷宇吉郎
5分以内
現在の日本は、どうひいき目にみても、安定した国の姿ではない。
ヒトラーの健全性国枝史郎
5分以内
ヒトラーが、未来派の絵画を罵倒した記事を見て、ヒトラーらしいなと思った。
山の宿海の宿河井酔茗
5分以内
海辺の旅宿は、潮の香がする。
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