5分以内で読める中原中也の短編作品
青空文庫で公開されている中原中也の作品の中で、おおよその読了目安時間が「5分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
1-50件 / 全105件
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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夭折した富永太郎 | 中原中也 | 5分以内 | |
ほつそりと、だが骨組はしつかりしてゐた、その躯幹の上に、小さな頭が載つかつてゐた。 | |||
小林秀雄小論 | 中原中也 | 5分以内 | |
機敏な晩熟児といふべき此の男が、現に存するのだから僕は機敏な晩熟児が如何にして存るかその様を語らうと思ふ。 | |||
地上組織 | 中原中也 | 5分以内 | |
私は全ての有機体の上に、無数に溢れる無機的現象を見る。 | |||
Me Voilà | 中原中也 | 5分以内 | |
人がいかにもてなしてくれようとも、それがたゞ暖い色をした影に見え、自分が自分で疑はれるほど、淋しさの中に這入つた時、人よ憶ひ出さないか?かの、君が幼な時汽車で通りかゝつた小山の裾の、春雨に打たれてゐたどす黒い草の葉などを、また窓の下で打返してゐた海の波などを……※実生活は論理的にやるべきだ!実生活にあつて、意味のほか見ない人があつたら、その人は実生活以外にも世界を知つてゐる人だ。 | |||
河上に呈する詩論 | 中原中也 | 5分以内 | |
子供の時に、深く感じてゐたもの、――それを現はさうとして、あまりに散文的になるのを悲しむでゐたものが、今日、歌となつて実現する。 | |||
アンドレ・ジイド管見 | 中原中也 | 5分以内 | |
ジイドの芸術活動の始つたのは、凡そかのデカダン一派の淋れる頃からだと云ふことが出来る。 | |||
秋の日曜 | 中原中也 | 5分以内 | |
私の部屋の、窓越しにみえるのは、エヤ・サイン軽くあがつた二つの気球青い空は金色に澄み、そこから茸(きのこ)の薫りは生れ、娘は生れ夢も生れる。 | |||
いちじくの葉 | 中原中也 | 5分以内 | |
夏の午前よ、いちじくの葉よ、葉は、乾いてゐる、ねむげな色をして風が吹くと揺れてゐる、よわい枝をもつてゐる……僕は睡らうか……電線は空を走るその電線からのやうに遠く蝉は鳴いてゐる葉は乾いてゐる、風が吹いてくると揺れてゐる葉は葉で揺れ、枝としても揺れてゐる僕は睡らうか……空はしづかに音く、陽は雲の中に這入つてゐる、電線は打つづいてゐる蝉の声は遠くでしてゐる懐しきものみ... | |||
曇つた秋 | 中原中也 | 5分以内 | |
或る日君は僕を見て嗤(わら)ふだらう、あんまり蒼(あを)い顔してゐるとて、十一月の風に吹かれてゐる、無花果の葉かなんかのやうだ、棄てられた犬のやうだとて。 | |||
玩具の賦 | 中原中也 | 5分以内 | |
どうともなれだ俺には何がどうでも構はないどうせスキだらけぢやないかスキの方を減さうなんてチヤンチヤラ可笑しい俺はスキの方なぞ減らさうとは思はぬスキでない所をいつそ放りつぱなしにしてゐるそれで何がわるからう俺にはおもちやが要るんだおもちやで遊ばなくちやならないんだ利得と幸福とは大体は混るだが究極では混りはしない俺は混らないとこばつかり感じてゐなけあならなくなつてるんだ月給が増えるからといつてお... | |||
雲 | 中原中也 | 5分以内 | |
山の上には雲が流れてゐたあの山の上で、お弁当を食つたこともある……女の子なぞといふものは由来桜の花弁のやうに、欣(よろこ)んで散りゆくものだ近い過去も遠いい過去もおんなじこつた近い過去はあんまりまざまざ顕現するし遠いい過去はあんまりもう手が届かない山の上に寝て、空をみるのも此処にゐて、あの山をみるのも所詮は同じ、動くな動くなあゝ、枯草を背に敷いてやんわりぬ... | |||
暗い天候 | 中原中也 | 5分以内 | |
二こんなにフケが落ちる、秋の夜に、雨の音はトタン屋根の上でしてゐる……お道化てゐるな――しかしあんまり哀しすぎる。 | |||
桑名の駅 | 中原中也 | 5分以内 | |
桑名の夜は暗かつた蛙がコロコロ鳴いてゐた夜更の駅には駅長が綺麗な砂利を敷き詰めたプラットホームに只(ただ)独りランプを持つて立つてゐた桑名の夜は暗かつた蛙がコロコロ泣いてゐた焼蛤貝の桑名とは此処のことかと思つたから駅長さんに訊(たづ)ねたらさうだと云つて笑つてた桑名の夜は暗かつた蛙がコロコロ鳴いてゐた大雨の、霽(あが)つたばかりのその夜は風もなければ暗かつた... | |||
酒場にて | 中原中也 | 5分以内 | |
今晩あゝして元気に語り合つてゐる人々も、実は、元気ではないのです。 | |||
古代土器の印象 | 中原中也 | 5分以内 | |
認識以前に書かれた詩――沙漠のたゞ中で私は土人に訊(たづ)ねました「クリストの降誕した前日までにカラカネの歌を歌つて旅人が何人こゝを通りましたか」土人は何にも答へないで遠い沙丘の上の足跡をみてゐました泣くも笑ふも此の時ぞ此の時ぞ泣くも笑ふも。 | |||
寒い夜の自我像 | 中原中也 | 5分以内 | |
2恋人よ、その哀しげな歌をやめてよ、おまへの魂がいらいらするので、そんな歌をうたひだすのだ。 | |||
詩人は辛い | 中原中也 | 5分以内 | |
私はもう歌なぞ歌はない誰が歌なぞ歌ふものかみんな歌なぞ聴いてはゐない聴いてるやうなふりだけはするみんなたゞ冷たい心を持つてゐて歌なぞどうだつてかまはないのだそれなのに聴いてるやうなふりはするそして盛んに拍手を送る拍手を送るからもう一つ歌はうとするともう沢山といつた顔私はもう歌なぞ歌はないこんな御都合な世の中に歌なぞ歌はない(一九三五・九・一九)。 | |||
死別の翌日 | 中原中也 | 5分以内 | |
生きのこるものはづうづうしく、死にゆくものはその清純さを漂はせ物云ひたげな瞳を床にさまよはすだけで、親を離れ、兄弟を離れ、最初から独りであつたもののやうに死んでゆく。 | |||
地極の天使 | 中原中也 | 5分以内 | |
われ星に甘え、われ太陽に傲岸ならん時、人々自らを死物と観念してあらんことを!われは御身等を呪ふ。 | |||
蝉 | 中原中也 | 5分以内 | |
蝉が鳴いてゐる、蝉が鳴いてゐる蝉が鳴いてゐるほかになんにもない!うつらうつらと僕はする……風もある……松林を透いて空が見えるうつらうつらと僕はする。 | |||
早春散歩 | 中原中也 | 5分以内 | |
空は晴れてても、建物には蔭があるよ、春、早春は心なびかせ、それがまるで薄絹ででもあるやうにハンケチででもあるやうに我等の心を引千切りきれぎれにして風に散らせる私はもう、まるで過去がなかつたかのやうに少くとも通つてゐる人達の手前さうであるかの如くに感じ、風の中を吹き過ぎる異国人のやうな眼眸をして、確固たるものの如く、また隙間風にも消え去るものの如くさうしてこの淋しい心を抱いて、今年... | |||
ダダ音楽の歌詞 | 中原中也 | 5分以内 | |
ウハキはハミガキウハバミはウロコ太陽が落ちて太陽の世界が始つた[#「始つた」は底本では「始まつた」]テツポーは戸袋ヒヨータンはキンチヤク太陽が上つて夜の世界が始つたオハグロは妖怪下痢はトブクロレイメイと日暮が直径を描いてダダの世界が始つた(それを釈迦が眺めてそれをキリストが感心する)。 | |||
疲れやつれた美しい顔 | 中原中也 | 5分以内 | |
疲れやつれた美しい顔よ、私はおまへを愛す。 | |||
夏と悲運 | 中原中也 | 5分以内 | |
とど、俺としたことが、笑ひ出さずにやゐられない。 | |||
夏と私 | 中原中也 | 5分以内 | |
真ツ白い嘆かひのうちに、海を見たり。 | |||
夏の夜の博覧会は、かなしからずや | 中原中也 | 5分以内 | |
夏の夜の博覧会は、哀しからずや雨ちよと降りて、やがてもあがりぬ夏の夜の、博覧会は、哀しからずや女房買物をなす間、象の前に僕と坊やとはゐぬ、二人蹲(しやが)んでゐぬ、かなしからずや、やがて女房きぬ三人博覧会を出でぬかなしからずや不忍ノ池の前に立ちぬ、坊や眺めてありぬそは坊やの見し、水の中にて最も大なるものなりき、かなしからずや、髪毛風に吹かれつ見てありぬ、見てありぬ、かなしからずや... | |||
夏は青い空に…… | 中原中也 | 5分以内 | |
夏は青い空に、白い雲を浮ばせ、わが嘆きをうたふ。 | |||
干物 | 中原中也 | 5分以内 | |
秋の日は、干物の匂ひがするよ外苑の鋪道しろじろ、うちつづき、千駄ヶ谷森の梢のちろちろと空を透かせて、われわれを視守る如し。 | |||
別離 | 中原中也 | 5分以内 | |
さよなら、さよなら!いろいろお世話になりましたいろいろお世話になりましたねえいろいろお世話になりましたさよなら、さよなら!こんなに良いお天気の日にお別れしてゆくのかと思ふとほんとに辛いこんなに良いお天気の日にさよなら、さよなら!僕、午睡の夢から覚めてみるとみなさん家を空けておいでだつたあの時を妙に思ひ出しますさよなら、さよなら!... | |||
星とピエロ | 中原中也 | 5分以内 | |
何、あれはな、空に吊した銀紙ぢやよかう、ボール紙を剪(き)つて、それに銀紙を張る、それを綱か何かで、空に吊し上げる、するとそれが夜になつて、空の奥であのやうに光るのぢや。 | |||
坊や | 中原中也 | 5分以内 | |
山に清水が流れるやうにその陽の照つた山の上の硬い粘土の小さな溝を山に清水が流れるやうに何も解せぬ僕の赤子は今夜もこんなに寒い真夜中硬い粘土の小さな溝を流れる清水のやうに泣く母親とては眠いので目が覚めたとて構ひはせぬ赤子は硬い粘土の溝を流れる清水のやうに泣くその陽の照つた山の上の硬い粘土の小さな溝をさらさらさらと流れるやうに清水のやうに寒い真夜中赤子は泣くよ... | |||
我が祈り | 中原中也 | 5分以内 | |
神よ、私は俗人の奸策ともない奸策がいかに細き糸目もて編みなされるかを知つてをります。 | |||
コキューの憶ひ出 | 中原中也 | 5分以内 | |
その夜私は、コンテで以て自我像を画いた風の吹いてるお会式の夜でした打叩く太鼓の音は風に消え、私の机の上ばかり、あかあかと明り、女はどこで何を話してゐたかは知る由もない私の肖顔は、コンテに汚れ、その上に雨でもパラつかうものなら、まこと傑作な自我像は浮び、軌り[#「軌り」は底本では「軌り」]ゆく、終夜電車は、悲しみの余裕を奪ひ、あかあかと、あかあかと私の画用紙の上は、けれども悲しい私の肖... | |||
(辛いこつた辛いこつた!) | 中原中也 | 5分以内 | |
辛いこつた辛いこつた!なまなか伝説的存在にされてあゝ、この言語玩弄者達の世に、なまなか伝説的存在にされて、(パンを奪はれ花は与へられ)あゝ、小児病者の横行の世に!奴等の頭は言葉でガラガラになり、奴等の心は根も葉もないのだ。 | |||
(七銭でバットを買つて) | 中原中也 | 5分以内 | |
七銭でバットを買つて、一銭でマッチを買つて、――ウレシイネ、僕は次の峠を越えるまでに、バットは一と箱で足りると思つた。 | |||
菊岡久利著「貧時交」 | 中原中也 | 5分以内 | |
私自身とは、詩に於けるたてまへも大分相違してゐるにも拘らず、私は此の詩集を、気持よく読んだことを告白しなければならない。 | |||
近時詩壇寸感 | 中原中也 | 5分以内 | |
詩論か何かさういつた風のものを書けと云はれるたびに、書くことはいくらでもあるやうな気持と、書くことは何にもないやうな気持に襲はれます。 | |||
作家と孤独 | 中原中也 | 5分以内 | |
インテリは蒼ざめてゐる。 | |||
宮沢賢治全集 | 中原中也 | 5分以内 | |
宮沢賢治全集第一回配本が出た。 | |||
宮沢賢治全集刊行に際して | 中原中也 | 5分以内 | |
宮沢賢治全集の、第一回配本が出ました。 | |||
宮沢賢治の詩 | 中原中也 | 5分以内 | |
彼は幸福に書き付けました、とにかく印象の生滅するまゝに自分の命が経験したことのその何の部分をだつてこぼしてはならないとばかり。 | |||
山羊の言 | 中原中也 | 5分以内 | |
芸術に関するあらゆる議論は無用である。 | |||
海の詩 | 中原中也 | 5分以内 | |
こころまゝなる人間は、いつでも海が好きなもの!これは、ボオドレエルの「人と海」といふ詩の、第一行である。 | |||
感想 | 中原中也 | 5分以内 | |
地方の詩のグループも多いことだが、どういふものか、ずつと以前から大連と神戸にだけ面白いものが見られるのだつた。 | |||
草野心平詩集『母岩』 | 中原中也 | 5分以内 | |
草野心平君の第三詩集『母岩』が出た。 | |||
詩集 浚渫船 | 中原中也 | 5分以内 | |
友人高森文夫の詩集、浚渫船が出た。 | |||
詩壇への願ひ | 中原中也 | 5分以内 | |
詩壇は今や、一と通りの準備をすませた。 | |||
詩壇への抱負 | 中原中也 | 5分以内 | |
今までの詩(新体詩)は熱つぽいと思ふ。 | |||
書信 | 中原中也 | 5分以内 | |
依田氏の「春愁」は好きです。 | |||
逝ける辻野君 | 中原中也 | 5分以内 | |
辻野君とは会で五六回、会の流れで二回会つたばかりであるから余り深いつきあひであつたわけではない。 |
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