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いちじくの葉

中原中也

『いちじくの葉』は青空文庫で公開されている中原中也の短編作品。217文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数
5分以内
217文字
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書出

夏の午前よ、いちじくの葉よ、 葉は、乾いてゐる、ねむげな色をして 風が吹くと揺れてゐる、 よわい枝をもつてゐる…… 僕は睡らうか…… 電線は空を走る その電線からのやうに遠く蝉は鳴いてゐる 葉は乾いてゐる、 風が吹いてくると揺れてゐる 葉は葉で揺れ、枝としても揺れてゐる 僕は睡らうか…… 空はしづかに音く、 陽は雲の中に這入つてゐる、 電線は打つづいてゐる 蝉の声は遠くでしてゐる 懐しきものみ

初出
底本中原中也詩集
表記
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