5分以内で読める原民喜の短編作品
青空文庫で公開されている原民喜の作品の中で、おおよその読了目安時間が「5分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
1-50件 / 全75件
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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原爆小景 | 原民喜 | 5分以内 | |
コレガ人間ナノデスコレガ人間ナノデス原子爆弾ニ依ル変化ヲゴラン下サイ肉体ガ恐ロシク膨脹シ男モ女モスベテ一ツノ型ニカヘルオオソノ真黒焦ゲノ滅茶苦茶ノ爛レタ顔ノムクンダ唇カラ洩レテ来ル声ハ「助ケテ下サイ」トカ細イ静カナ言葉コレガコレガ人間ナノデス人間ノ顔ナノデス燃エガラ夢ノナカデ頭ヲナグリツケラレタノデハナクメノマヘニオチテキタクラヤミノナカヲ... | |||
飯田橋駅 | 原民喜 | 5分以内 | |
飯田橋のプラットホームは何と云ふ快い彎曲なのだらう。 | |||
椅子と電車 | 原民喜 | 5分以内 | |
二人は暑い日盛りを用ありげに歩いた。 | |||
透明な輪 | 原民喜 | 5分以内 | |
三角形の平地を七つに岐れて流れる川は瀬戸内海に注いでゐた。 | |||
溺死・火事・スプーン | 原民喜 | 5分以内 | |
父に連れられて高松から宇治への帰航の途中だった。 | |||
少年 | 原民喜 | 5分以内 | |
空地へ幕が張られて、自動車の展覧会があった。 | |||
夜 | 原民喜 | 5分以内 | |
樟の大きな影が地面を覆って、薄暗い街燈が霧で曇ってゐた。 | |||
原子爆弾 | 原民喜 | 5分以内 | |
夏の野に幻の破片きらめけり短夜を※[#「血+卜」、232-3、読みは「たお」か]れし山河叫び合ふ炎の樹雷雨の空に舞ひ上る日の暑さ死臭に満てる百日紅重傷者来て飲む清水生温く梯子にゐる屍もあり雲の峰水をのみ死にゆく少女蝉の声人の肩に爪立てて死す夏の月魂呆けて川にかがめり月見草廃虚すぎて蜻蛉の群を眺めやる。 | |||
死と愛と孤独 | 原民喜 | 5分以内 | |
原子爆弾の惨劇のなかに生き残つた私は、その時から私も、私の文学も、何ものかに激しく弾き出された。 | |||
沙漠の花 | 原民喜 | 5分以内 | |
堀辰雄氏から「牧歌」といふ署名入りの美しい本を送つて頂いた。 | |||
惨めな文学的環境 | 原民喜 | 5分以内 | |
昨夜あなたは田中英光のことを近々書くといっていたが、直接面識のあったあなたの書くものは面白いだろうと期待しています。 | |||
「狂気について」など | 原民喜 | 5分以内 | |
「狂気について」は昨年三田文学九月号の Essay on Man のために書いて頂いたものだが、それが標題とされ今度一冊の書物となり読み返すことの出来たのは、僕にとつてほんとに嬉しいことだつた。 | |||
「屍の街」 | 原民喜 | 5分以内 | |
私はあのとき広島の川原で、いろんな怪物を視た。 | |||
悪夢 | 原民喜 | 5分以内 | |
僕は外食に出掛けて行くため裏通りを歩いている。 | |||
一匹の馬 | 原民喜 | 5分以内 | |
五年前のことである私は八月六日と七日の二日、土の上に横たわり空をながめながら寝た、六日は河の堤のクボ地で、七日は東照宮の石垣の横で――、はじめの晩は、とにかく疲れないようにとおもって絶対安静の気持でいた、夜あけになると冷え冷えして空が明るくなってくるのに、かすかなのぞみがあるような気もした、しかし二日目の晩は、土の上にじかに横たわっているとさすがにもう足腰が痛くてやりきれなかった。 | |||
ヒロシマの声 | 原民喜 | 5分以内 | |
ペン・クラブの一行に加わって私はこんど三年振りに広島を訪れた。 | |||
五年後 | 原民喜 | 5分以内 | |
竜ノ彫刻モ高イ石段カラ割レテ墜チ石段ワキノチョロチョロ水ヲニンゲンハ来テハノム炎天ノ溝ヤ樹ノ根ニ黒クナッタママシンデイル死骸ニトリマカレシンデユクハヤサ鳥居ノ下デ火ノツイタヨウニナキワメク真紅ナ女これは五年前のノートに書きなぐっておいたものである。 | |||
戦争について | 原民喜 | 5分以内 | |
コレガ人間ナノデス原子爆弾ニ依ル変化ヲゴラン下サイ肉体ガ恐ロシク膨脹シ男モ女モスベテ一ツノ型ニカヘルオオソノ真黒焦ゲノ滅茶苦茶ノ爛レタ顔ノムクンダ唇カラ洩レテ来ル声ハ「助ケテ下サイ」トカ細イ静カナ言葉コレガコレガ人間ナノデス人間ノ顔ナノデス夕食が済んで病妻が床に横はると、雨戸をおろした四辺は急に静かになる。 | |||
平和への意志 | 原民喜 | 5分以内 | |
二つの特輯が私の心を惹いた。 | |||
死について | 原民喜 | 5分以内 | |
お前が凍てついた手で最後のマツチを擦つたとき焔はパツと透明な球体をつくり清らかな優しい死の床が浮び上つた誰かが死にかかつてゐる誰かが死にかかつてゐると、お前の頬の薔薇は呟いた。 | |||
魔のひととき | 原民喜 | 5分以内 | |
魔のひととき尾花の白い幻やたれこめた靄がもう今にも滴り落ちさうな冷えた涙のわきかへるわきかへるこの魔のひとときよとぼとぼと坂をくだり径をゆけば人の世は声をひそめキラキラとゆらめく泉笑まひ泣くあえかなる顔外食食堂のうた毎日毎日が僕は旅人なのだらうか驟雨のあがつた明るい窓の外の鋪道を外食食堂のテーブルに凭れて僕はうつとりと眺めてゐる僕を容れてくれ... | |||
青空の梯子 | 原民喜 | 5分以内 | |
二階の窓に桜の葉が繁って、彼は中学を休んだ。 | |||
アトモス | 原民喜 | 5分以内 | |
穏かな海に突き出してゐる丘の一角で、一人の人間が勝手な瞑想をしてゐた。 | |||
移動 | 原民喜 | 5分以内 | |
庭のすぐ向ふが墓場だったので、開放れた六畳の間をぐるぐる廻ってゐると、墓地でダンスしてゐるやうだった。 | |||
稲妻 | 原民喜 | 5分以内 | |
疲れてゐるのに芳子の神経はたかぶってゐた。 | |||
牛を調弄ふ男 | 原民喜 | 5分以内 | |
その少女は馬鹿なのか善良なのか、とにかく調子はづれの女だった。 | |||
絵にそへて | 原民喜 | 5分以内 | |
この絵は何処だとはっきり云はないがいいかも知れません。 | |||
縁起に就いて | 原民喜 | 5分以内 | |
就職のことがほぼ決定してその日の午後二時にもう一度面会に行けばいいと云ふ時、恰度午後一時半、彼は電車通りで下駄の鼻緒を切った。 | |||
おふくろ | 原民喜 | 5分以内 | |
わたしはからくりめがねの夢になってしまふたのです紺の筒袖と色黒ばばさんと暗いカンテラとお寺の甃石と緋の着物に紅繻子の帯を締めた子娘とさうして五厘の笛と唐獅子とわたしはお母さんに抱かれて居たいのです風船玉が逃げぬやうにぢっと握ってゐたいのです(銭村五郎)前吉は家へ帰って来ると、老眼鏡を懸けて新聞を読んでゐる、おふくろの肩を小突いた。 | |||
コレラ | 原民喜 | 5分以内 | |
コレラが流行り出した。 | |||
温度 | 原民喜 | 5分以内 | |
音楽室の壁に額があった。 | |||
顔の椿事 | 原民喜 | 5分以内 | |
お仙の夫は今朝、橋から墜ちて溺れたが、救助されたのが早かったのでまだ助かりさうだった。 | |||
川 | 原民喜 | 5分以内 | |
彼の家は川端にはなかったが、彼の生れた街には川が流れてゐた。 | |||
閑人 | 原民喜 | 5分以内 | |
十二月になると小さな街も活気づいて、人の表情も忙しさうになった。 | |||
玩具 | 原民喜 | 5分以内 | |
終にあたりは冴えてしまった。 | |||
奇蹟 | 原民喜 | 5分以内 | |
二年のB組の教室は、今しーんとして不思議な感激が満ちたまま、あっちでもこっちでも啜泣く声がきこえた。 | |||
恐怖教育 | 原民喜 | 5分以内 | |
薇(ぜんまい)仕掛で畳の上を這ふ象の玩具はガリガリと厭な音を立てた。 | |||
霧 | 原民喜 | 5分以内 | |
何処かの邸の裏らしい芝生の傾斜が、窓のところで石崖になってゐた。 | |||
五月 | 原民喜 | 5分以内 | |
電車は恍惚とした五月の大気のなかを走った。 | |||
三人 | 原民喜 | 5分以内 | |
遠くの低い山脈は無表情な空の下に連ってゐた。 | |||
残雪 | 原民喜 | 5分以内 | |
青空に風呂屋の煙突がはっきり聳えてゐた。 | |||
四月五日 | 原民喜 | 5分以内 | |
四月五日山村家から招ばれたので昼から出掛ける。 | |||
舌 | 原民喜 | 5分以内 | |
四丁目の角で二人を見はぐれたのを幸と、川田はぐんぐん勝手な方向へ進んだ。 | |||
秋旻 | 原民喜 | 5分以内 | |
一人の少年は硫酸を飲んで、袴を穿いて山に行き松に縊ったが、人に発見されて、病院で悶死した。 | |||
出発 | 原民喜 | 5分以内 | |
吉池の不機嫌は母と衝突してみてわかった。 | |||
白い呼吸 | 原民喜 | 5分以内 | |
おでん屋の隅で、ビヤー・ホールの卓上で、或ひは喫茶店のボックスで屡々繰り返される極くありふれた会話の一形式がある。 | |||
地獄の門 | 原民喜 | 5分以内 | |
お祭りの夜だった。 | |||
雀 | 原民喜 | 5分以内 | |
酔ぱらって雀を憶ひ出した二人は新宿まで出掛けた。 | |||
焚いてしまふ | 原民喜 | 5分以内 | |
紀元節に学校の式を休んで、翌日もまた学校を休んだ。 | |||
丹那トンネル開通祝ひ | 原民喜 | 5分以内 | |
頼太は四十歳の独身の独眼の発明家だったが、まだ汽車へ乗ったことがなかった。 |
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