一匹の馬
原民喜
『一匹の馬』は青空文庫で公開されている原民喜の短編作品。1,015文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数 | 5分以内 1,015文字 |
人気 | 0PV |
書き出し書出 | 五年前のことである私は八月六日と七日の二日、土の上に横たわり空をながめながら寝た、六日は河の堤のクボ地で、七日は東照宮の石垣の横で――、はじめの晩は、とにかく疲れないようにとおもって絶対安静の気持でいた、夜あけになると冷え冷えして空が明るくなってくるのに、かすかなのぞみがあるような気もした、しかし二日目の晩は、土の上にじかに横たわっているとさすがにもう足腰が痛くてやりきれなかった。 |
初出 | |
底本 | 日本の原爆文学1 原民喜 |
表記 | 新字旧仮名 |
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