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原民喜の全作品

青空文庫で公開されている原民喜の全作品を、おすすめ人気順で表示しています。

1-50件 / 全117件
作品名著者読了時間人気
夏の花原民喜
60分以内
わが愛する者よ請う急ぎはしれ香わしき山々の上にありて※(のろ)のごとく小鹿のごとくあれ私は街に出て花を買うと、妻の墓を訪れようと思った。
原爆小景原民喜
5分以内
コレガ人間ナノデスコレガ人間ナノデス原子爆弾ニ依ル変化ヲゴラン下サイ肉体ガ恐ロシク膨脹シ男モ女モスベテ一ツノ型ニカヘルオオソノ真黒焦ゲノ滅茶苦茶ノ爛レタ顔ノムクンダ唇カラ洩レテ来ル声ハ「助ケテ下サイ」トカ細イ静カナ言葉コレガコレガ人間ナノデス人間ノ顔ナノデス燃エガラ夢ノナカデ頭ヲナグリツケラレタノデハナクメノマヘニオチテキタクラヤミノナカヲ...
原爆被災時のノート原民喜
10分以内
八月六日八時半頃突如空襲一瞬ニシテ全市街崩壊便所ニ居テ頭上ニサクレツスル音アリテ頭ヲ打ツ次ノ瞬間暗黒騒音薄明リノ中ニ見レバ既ニ家ハ壊レ品物ハ飛散ル異臭鼻ヲツキ眼ノホトリヨリ出血恭子ノ姿ヲ認ムマルハダカナレバ服ヲ探ス上着ハアレドズボンナシ達野顔面ヲ血マミレニシテ来ル江崎負傷ヲ訴フ座敷ノ椽側ニテ持逃ノカバンヲ拾フ倒レタ楓ノトコロヨリ家屋ヲ踏越エテ泉邸ノ方ヘ向ヒ栄橋ノタモトニ出ズ道中既ニ火ヲ発セル家々アリ泉邸ノ竹藪ハ倒レタ...
飯田橋駅原民喜
5分以内
飯田橋のプラットホームは何と云ふ快い彎曲なのだらう。
椅子と電車原民喜
5分以内
二人は暑い日盛りを用ありげに歩いた。
透明な輪原民喜
5分以内
三角形の平地を七つに岐れて流れる川は瀬戸内海に注いでゐた。
溺死・火事・スプーン原民喜
5分以内
父に連れられて高松から宇治への帰航の途中だった。
少年原民喜
5分以内
空地へ幕が張られて、自動車の展覧会があった。
原民喜
5分以内
樟の大きな影が地面を覆って、薄暗い街燈が霧で曇ってゐた。
苦しく美しき夏原民喜
30分以内
陽の光の圧迫が弱まってゆくのが柱に凭掛っている彼に、向側にいる妻の微かな安堵を感じさせると、彼はふらりと立上って台所から下駄をつっかけて狭い裏の露次へ歩いて行ったが、何気なく隣境の空を見上げると高い樹木の梢(こずえ)に強烈な陽の光が帯のように纏(まつ)わりついていて、そこだけが赫(かっ)と燃えているようだった。
秋日記原民喜
30分以内
緑色の衝立が病室の内部を塞いでいたが、入口の壁際にある手洗の鏡に映る姿で、妻はベッドに寝たまま、彼のやって来るのを知るのだった。
冬日記原民喜
30分以内
真白い西洋紙を展げて、その上に落ちてくる午後の光線をぼんやり眺めていると、眼はその紙のなかに吸込まれて行くようで、心はかすかな光線のうつろいに悶(もだ)えているのであった。
美しき死の岸に原民喜
30分以内
何かうっとりさせるような生温かい底に不思議に冷気を含んだ空気が、彼の頬(ほお)に触れては動いてゆくようだった。
死のなかの風景原民喜
30分以内
妻が息をひきとったとき、彼は時計を見て時刻をたしかめた。
火の唇原民喜
30分以内
いぶきが彼のなかを突抜けて行った。
壊滅の序曲原民喜
1時間〜
朝から粉雪が降っていた。
廃墟から原民喜
60分以内
八幡村へ移った当初、私はまだ元気で、負傷者を車に乗せて病院へ連れて行ったり、配給ものを受取りに出歩いたり、廿日市町の長兄と連絡をとったりしていた。
鎮魂歌原民喜
1時間〜
美しい言葉や念想が殆(ほとん)ど絶え間なく流れてゆく。
永遠のみどり原民喜
60分以内
梢(こずえ)をふり仰ぐと、嫩葉のふくらみに優しいものがチラつくようだった。
書簡原民喜
60分以内
●昭和十一年四月三十日千葉市登戸より村岡敏(末弟・当時明治大学ホッケー部に在籍し、ベルリンオリンピックに代表として派遣された)宛今朝早くから女房が起すのであるそれから一日中オリンピツクのことを云つて女房は浮かれたうたう我慢が出来ないと云ふので速達を出すといふのである大変芽出度いこととワシも思ふのであるこの上は身躰に注意し晴れの榮冠を擔つてかへつて來い原家一同それを望んでやまないのである杞四月丗日村岡敏君万才●昭和十...
小さな村原民喜
60分以内
夕暮青田の上の広い空が次第に光を喪つてゐた。
氷花原民喜
60分以内
三畳足らずの板敷の部屋で、どうかすると息も窒がりさうになるのであつた。
飢ゑ原民喜
30分以内
僕はこの部屋にゐると、まるで囚人のやうな気持にされる。
火の踵原民喜
30分以内
……音楽爆弾。
災厄の日原民喜
60分以内
自分の部屋でもないその部屋を自分の部屋のやうに、古びた襖や朽ちかかつた柱や雨漏のあとをとどめた壁を、自分の心の内部か何かのやうに安らかな気持で僕は眺めてゐる。
火の子供原民喜
30分以内
〈一九四九年神田〉僕は通りがかりに映画館の前の行列を眺めてゐた。
二つの死原民喜
30分以内
その頃私はその朽ちて墜ちさうな二階の窓から、向側に見える窓を眺めることがあつた。
星のわななき原民喜
30分以内
私は「夏の花」「廃墟から」などの短編で広島の遭難を描いたが、あれを読んでくれた人はきまつたやうに、「あの甥はどうなりましたか」と訊ねる。
魔のひととき原民喜
60分以内
ここでは夜明けが僕の瞼の上に直接落ちてくる。
心願の国原民喜
30分以内
〈一九五一年武蔵野市〉夜あけ近く、僕は寝床のなかで小鳥の啼声をきいてゐる。
原子爆弾原民喜
5分以内
夏の野に幻の破片きらめけり短夜を※[#「血+卜」、232-3、読みは「たお」か]れし山河叫び合ふ炎の樹雷雨の空に舞ひ上る日の暑さ死臭に満てる百日紅重傷者来て飲む清水生温く梯子にゐる屍もあり雲の峰水をのみ死にゆく少女蝉の声人の肩に爪立てて死す夏の月魂呆けて川にかがめり月見草廃虚すぎて蜻蛉の群を眺めやる。
死と愛と孤独原民喜
5分以内
原子爆弾の惨劇のなかに生き残つた私は、その時から私も、私の文学も、何ものかに激しく弾き出された。
沙漠の花原民喜
5分以内
堀辰雄氏から「牧歌」といふ署名入りの美しい本を送つて頂いた。
ある手紙原民喜
10分以内
佐々木基一様御手紙なつかしく拝見しました。
惨めな文学的環境原民喜
5分以内
昨夜あなたは田中英光のことを近々書くといっていたが、直接面識のあったあなたの書くものは面白いだろうと期待しています。
ガリヴア旅行記原民喜
10分以内
この頃よく雨が降りますが、今日は雨のあがつた空にむくむくと雲がただよつてゐます。
「狂気について」など原民喜
5分以内
「狂気について」は昨年三田文学九月号の Essay on Man のために書いて頂いたものだが、それが標題とされ今度一冊の書物となり読み返すことの出来たのは、僕にとつてほんとに嬉しいことだつた。
「屍の街」原民喜
5分以内
私はあのとき広島の川原で、いろんな怪物を視た。
悪夢原民喜
5分以内
僕は外食に出掛けて行くため裏通りを歩いている。
一匹の馬原民喜
5分以内
五年前のことである私は八月六日と七日の二日、土の上に横たわり空をながめながら寝た、六日は河の堤のクボ地で、七日は東照宮の石垣の横で――、はじめの晩は、とにかく疲れないようにとおもって絶対安静の気持でいた、夜あけになると冷え冷えして空が明るくなってくるのに、かすかなのぞみがあるような気もした、しかし二日目の晩は、土の上にじかに横たわっているとさすがにもう足腰が痛くてやりきれなかった。
長崎の鐘原民喜
10分以内
No more Hiroshima! これは二度ともう広島の惨禍を繰返すな、といふ意味なのだらうが、ときどき僕は自分自身にむかつて、かう呟く。
ヒロシマの声原民喜
5分以内
ペン・クラブの一行に加わって私はこんど三年振りに広島を訪れた。
五年後原民喜
5分以内
竜ノ彫刻モ高イ石段カラ割レテ墜チ石段ワキノチョロチョロ水ヲニンゲンハ来テハノム炎天ノ溝ヤ樹ノ根ニ黒クナッタママシンデイル死骸ニトリマカレシンデユクハヤサ鳥居ノ下デ火ノツイタヨウニナキワメク真紅ナ女これは五年前のノートに書きなぐっておいたものである。
原爆回想原民喜
10分以内
私の父は四十年前に一度、家を建てたのだが、たま/\地震があって、少し壁や柱にすき間が出来ると、神経質の父は早速その新築の家をとり壊して、今度は根底から細心の吟味を重ねて非常に岩乗な普請にした。
戦争について原民喜
5分以内
コレガ人間ナノデス原子爆弾ニ依ル変化ヲゴラン下サイ肉体ガ恐ロシク膨脹シ男モ女モスベテ一ツノ型ニカヘルオオソノ真黒焦ゲノ滅茶苦茶ノ爛レタ顔ノムクンダ唇カラ洩レテ来ル声ハ「助ケテ下サイ」トカ細イ静カナ言葉コレガコレガ人間ナノデス人間ノ顔ナノデス夕食が済んで病妻が床に横はると、雨戸をおろした四辺は急に静かになる。
平和への意志原民喜
5分以内
二つの特輯が私の心を惹いた。
死について原民喜
5分以内
お前が凍てついた手で最後のマツチを擦つたとき焔はパツと透明な球体をつくり清らかな優しい死の床が浮び上つた誰かが死にかかつてゐる誰かが死にかかつてゐると、お前の頬の薔薇は呟いた。
遺書原民喜
10分以内
原守夫氏宛遺書長い間御世話になりました後に思ひ残すことは何もありませんあまりあてにもなりませんがもし今後私の著書が出版された際にはその印税を時彦に相続させて下さいみなさんによろしく原民喜原守夫様永井すみ子氏宛長い間御世話にばかりなりました貞恵と死別れて六年あまりも生きてまいりましたもう後に思ひ残すことは何もありませんそちらにあづけてある私の夜具衣類を広島から...
魔のひととき原民喜
5分以内
魔のひととき尾花の白い幻やたれこめた靄がもう今にも滴り落ちさうな冷えた涙のわきかへるわきかへるこの魔のひとときよとぼとぼと坂をくだり径をゆけば人の世は声をひそめキラキラとゆらめく泉笑まひ泣くあえかなる顔外食食堂のうた毎日毎日が僕は旅人なのだらうか驟雨のあがつた明るい窓の外の鋪道を外食食堂のテーブルに凭れて僕はうつとりと眺めてゐる僕を容れてくれ...
潮干狩原民喜
30分以内
前の晩、雄二は母と一緒に風呂桶につかつてゐると、白い湯気の立昇るお湯の面に、柱のランプの火影が揺れて、ふとK橋のことを思ひ出した。
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