歌のない歌《夕暮に》
森川義信
『歌のない歌』は青空文庫で公開されている森川義信の短編作品。262文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数 | 5分以内 262文字 |
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書き出し書出 | この傾斜ではお伽話はやめてこはれたオペラグラスでアラベスク風な雨をごらんひととき鳩が白い耳を洗ふとシガーのやうに雲が降りて来てぼくの影を踏みつけてゐる光のレエスのシヤボンの泡のやうに静かに古い楽器はなり止むそして…………隕石の描く半円形のあたりでそれはスパアクするカアブする匂ひの向ふに花がこぼれる優しい硝子罎の中ではひねくれた愛情のやうにぼくがなくした時刻をかみしめる... |
初出 | 「ル・バル 18輯」1938(昭和13)年11月30日 |
底本 | 増補 森川義信詩集 |
表記 | 新字旧仮名 |
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