全体の一人
陀田勘助
『全体の一人』は青空文庫で公開されている陀田勘助の短編作品。549文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数 | 5分以内 549文字 |
人気 | 0PV |
書き出し書出 | 独房の中にたった独りでいるおれは決して孤立したものでない全体の中の部分だ!おれはどこから生れてき、また何を背負っているか!両親のまた両親とおれの系統をたどってゆくとき、おれの前には数万人の祖先が立っている独房の中にいるたった独りのおれの身体は数万人の祖先の血と肉で組織されているのだそして、物質の組織――神経系統に花咲いた精神も、それゆえに数万人の――いやもっともっと多数の知識の集積と結論できよう!たったひとりのおれでさえ永いながいそし... |
初出 | |
底本 | 日本プロレタリア文学集・38 プロレタリア詩集(一) |
表記 | 新字新仮名 |
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