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陀田勘助の全作品

青空文庫で公開されている陀田勘助の全作品を、おすすめ人気順で表示しています。

1-8件 / 全8件
作品名著者読了時間人気
全体の一人陀田勘助
5分以内
独房の中にたった独りでいるおれは決して孤立したものでない 全体の中の部分だ! おれはどこから生れてき、また何を背負っているか! 両親のまた両親とおれの系統をたどってゆくとき、 おれの前には数万人の祖先が立っている 独房の中にいるたった独りのおれの身体は数万人の祖先の血と肉で組織されているのだ そして、物質の組織――神経系統に花咲いた精神も、それゆえに数万人の――いやもっともっと多数の知識の集積と結
春がふたたび牢獄にやってきた!陀田勘助
5分以内
牢獄の春はふたたびおれの上にやってきた! 一年以前、この赤煉瓦の建物の中に投げ込まれたときには あのトルコの王様の退屈を慰めたというアラビアンナイトの人喰鬼の宮殿のように おれにはこの巨大な赤煉瓦の沈黙した建物は摩訶不思議なものであった。
おれの飛行船陀田勘助
5分以内
おれは白蟻のように噛み切ることはできない おれは飛行機のように軽快に空を飛ぶことはできない だが脳髄の中の空間に飛行船を遊歩させることはできる 現在の頁を空白に削りとられた者の前には 明日の希望が堂々と逍遥し始める のぞき窓からのぞき込む鋭い二つの目も 希望の青空を漂泊するおれの飛行船を のぞき得ないし、捕らえ得ないし、投獄し得ない。
二人の子持ちになった労働者のおッ母あに贈る陀田勘助
5分以内
子持ちとなった労働者のおッ母あよ! 数万の大軍を率いてアルプスの険を突破した若いナポレオンには不可能がなかった。
手をさし延べよう!陀田勘助
5分以内
食慾が針のように 空らっぽの胃を刺激する かつての日の満腹は夢のようだ 生きるために食うのか? 食うために生きるのか? どちらでもいい ここで議論は胃を満たさない おれたちは飢え渇えている 凧! 糸の切れた凧だ! 生存が切断される 同志よ おれたちは要求する 一握のめしを! 麺麭を! おれたちは食物を乞うのでない 生きてるゆえに 飢え渇えている者の要求だ おれたちは団結しよう! 生存を脅かされて
たんぽぽとおれの感傷陀田勘助
5分以内
春の訪れをまっ先に知らせてくれた 黄色に輝くたんぽぽの花よ、 いま恍惚と夢見るように まっしろな球形の頭を微風になびかして 音もなくふっわりと羽蟻のごとく飛びゆく数々の種子は 青空の彼方へ 飛び行く種子よ! 周囲に呻吟するおれの希望を、思想を 雁のごとく伝波せよ そして来たるべき春に 雨・風・嵐に打ち勝って 工場の屋根に、野原に、ビルディングの窓に 鮮やかな黄色な花を開け! (獄中から鶴巻盛一宛書
ある日陀田勘助
5分以内
砂糖のような安逸が おれの感覚をにぶらしている 鍋底で倦怠だ! 憂鬱だ! と小声でつぶやいている 若い熱情が下駄の歯のようにすりへりそうだ 残火が火消壺で喘いでいる 短気な意志が放心した心臓をつかんでいる そいつは滓だ おれの食慾がめしを喰ってる おれの性慾が女を恋しようとしている オブロモフ! オブロモフ! オブロモフ! 倦怠をつぶやきながらも安逸は砂糖のように甘い 憂鬱の霧を逃れようともしない
断片陀田勘助
5分以内
ノスケ万歳!  プロレタリアは武装を解かれた      ――ゲオルグ・グロッス―― むくれあがった傷口から白い蛆虫は這い出した 蠅は飛び出した小腸を喰べている  風が吹く  転がっている銃殺死体! ほんとうに射撃された心臓は歪んでいた 兵隊の靴の音は飢えた群衆の中から  ピストル!   奴らの銃剣は!  切断された太陽の注ぐ光の下にひかり おれらの脳髄を 心臓を指さしている  掘立小屋から瘠
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