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ある日

陀田勘助

『ある日』は青空文庫で公開されている陀田勘助の短編作品。344文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数
5分以内
344文字
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書出

砂糖のような安逸が おれの感覚をにぶらしている 鍋底で倦怠だ! 憂鬱だ! と小声でつぶやいている 若い熱情が下駄の歯のようにすりへりそうだ 残火が火消壺で喘いでいる 短気な意志が放心した心臓をつかんでいる そいつは滓だ おれの食慾がめしを喰ってる おれの性慾が女を恋しようとしている オブロモフ! オブロモフ! オブロモフ! 倦怠をつぶやきながらも安逸は砂糖のように甘い 憂鬱の霧を逃れようともしない

初出「鎖」1923(大正12)年6月創刊号
底本日本プロレタリア文学集・38 プロレタリア詩集(一)
表記
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