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5分以内で読める青空文庫の短編作品

青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「5分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。

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作品名著者読了時間人気
ある歴史に就て今野大力
5分以内
星が一つ 森林の中の 忘れられた静かな湖水へ降りて来て 暫く思案にくれていた (それを知っていたものは誰もいない天空にいる星達さえも存じなかった) 星にも厭世があるのかしら? 星は湖水へ沈んで行った
かめ濤音
5分以内
まがどりのやうな冠船が翼をひろげて 那覇港内にしやんで居るうちは 薩摩の殿にはあへまいわなあ。
鴨 一三好達治
5分以内
二羽 三羽 霧のかかつた水際に 黒い小鴨が游いでゐる 私は林の小徑を出る ――それとなし彼らはくるりと向きをかへる やがて一羽は空に揚る 一羽は水の面を飛ぶ 一羽はあとに殘される 彼は周章てて水を打つ 水を打つ やつとからだが宙に浮く 仲間と違つた方角へ
秋吹く風今野大力
5分以内
カラカラカラ 風が吹く ポプラのはっぱが吹かれてる 風は面白そうに走ってく 四辻に風は迷ってぐるぐるまわり あの人をそよと尋ぬてためしして ぷっと口吻け逃げてゆく
郷土今野大力
5分以内
1 草深い放牧地よ 北海の高原に群がれる人々を養える郷土よ 北海道よ 未開地よ ここには名もなき小花も咲くであろう 未だ人手に触れない谷間の姫百合も咲くであろう 春ともなれば黄金の福寿草も咲くであろう かくてアイヌ古典の物語も想い出されるであろう 2 おお郷土の人々よ 昔は 卿等が渡道の頃は 何処にも熊は住んでいた 時として卿等よ 憶い起してはならない あの殺伐な熊狩のあたりのことを 又若き人々よ
日曜演奏後仲村渠
5分以内
音楽堂を繞つて 空椅子の環状配列がいつしんに聴いてゐる 落葉をはく園丁の箒の音を ああよりそふ僕らの囁きを
緑雨と一葉伊庭心猿
5分以内
かの日都を落ちて船橋にやどり申候 きのふより市川町に戻りて百姓家を借りうけ、ともかくすごし居り候 今宵は松葉の土手と申すを下りて渡船にのりて月を觀候 なみ/\の旅ならねば落人の身の上いとゞ悲しく候 これは殘少き眞間のもみぢに候 處の名とは申ながら※[#「義」の「我」に代えて「咨-口」、U+7FA1、6-1-14]ましく候 鬼共の都にて立騷ぎ候姿 目に見えておもひ候やうに眠られず候 この先いかゞ成行
エリセーフ氏中谷宇吉郎
5分以内
ハーバード大学の極東美術の主任教授に、エリセーフ氏という人がある。
足跡蔵原伸二郎
5分以内
ずつと昔のこと 一匹の狐が河岸の粘土層を走つていつた それから 何万年かたつたあとに その粘土層が化石となつて足跡が残つた その足跡を見ると、むかし狐が何を考えて  走つていつたのかがわかる
『東京八景』あとがき太宰治
5分以内
所收――「東京八景」「HUMAN LOST」「きりぎりす」「短篇集―一燈・失敗園・リイズ」「盲人濁笑」「ロマネスク」「乞食學生」  作者が、作品に説明を附けると、讀者は、その説明文に頼り過ぎていけない。
一九三一年 作品 第一番李箱
5分以内
一  私ノ肺ガ盲腸炎ヲ病ム 第四病院ニ入院 主治医盗難――亡命ノ噂立ツ  季節遅レノの蝶々ヲ見ル 看護婦人形仕入  模造盲腸ヲ制作シ 一枚ノ透明硝子ノ彼方ニ対称点ヲ設ク 自宅治療ノ妙ヲ極ム  遂ニ 胃病併発シテ 顔面蒼白 貧血 二  心臓去處不明 胃ニアリ 胸ニアリ 二説紛紛シテ食い止めない  多量ノ出血ヲ見ル 血液分析ノ結果 私ノ血ハ 無機物ノ混合デアルト判明シ  退院 巨大でシヤープナ 記念
追っかけて来る飛行機田中貢太郎
5分以内
昭和六年の夏の夜のことであった。
(和)茗荷三遊亭円朝
5分以内
或旅宿の亭主が欝ぎ込んで、主「何うも宿泊人がなくつては仕やうがない、何とか旨い工夫は無いものか知ら……ウム、日外お説教で聞いた事が有る釈迦如来のお弟子に槃特と云ふがあつて、至つて愚鈍にして忘れつぽい……托鉢に出て人にお前さんの名はと聞かれても、自分の名さへ忘れると云ふのだから、釈迦如来が槃特の名を木札に書き、之を首に懸けて托鉢に出したと云ふ、其の槃特が相果てゝから之を葬ると、其墓場へ生えたのが茗荷
芸の有為転変相折口信夫
5分以内
「……花を惜しめど花よりも惜しむ子を棄て武士を捨て、住みどころさへ定めなき有為転変の世の中や……。」幼年時代から何十遍見聞きした熊谷陣屋幕切れの渡りぜりふである。
偶然の産んだ駄洒落九鬼周造
5分以内
駄洒落を聞いてしらぬ顔をしたり眉をひそめたりする人間の内面生活は案外に空虚なものである。
忠告富永太郎
5分以内
思想の重圧のために眠りがたい躰には、起つてロココ風の肘掛椅子に腰を下ろすことが必要である。
世はさながらに三好達治
5分以内
月やあらぬ春やむかしの春ならぬわが身ひとつはもとの身にして    業平 かなたなる海にむかひて かしらあげさへづる鳥は こぞの春この木の枝に きて啼きし青鵐のとりか かぐはしきこのくれなゐの 梅の花さけるしたかげ これやこのこぞの長椅子 古りしままなほくちずして こぞありしほとりに咲ける はしきやしたんぽぽの花 宿をでてもの思ひつつ ゆくりなくわが來しをかべ あづさゆみ春の日ざ
夜雲の下榎南謙一
5分以内
自動車が動揺すると 細引で縛られたまま 私たちの肩と肩とがごつんとあたる 争議は敗れた 送られる私たちは胸の苦汁をどうすることが出来たろう 「あちらでは吸えないんだぜ」 一本ずつもらった最後の煙草 言いようのない感慨とともに 蒼いけむりを腹の底までのみ でこぼこだらけの道路を揺られて行った やがて陽は墜ちたのか 道路にかぶさる青葉がだんだん翳ってくる うなだれている私たちは そのとき 道路のただ
貪婪禍太宰治
5分以内
七月三日から南伊豆の或る山村に來てゐるのだが、勿論ここは、深山幽谷でも何でもない。
星森川義信
5分以内
星は夢の様に美しくかなしい 星は思ひ出の様になつかしくわびしい 故里を遠くはなれた旅人は星を見れば 故里を思ひ出すだらう――   明り星の出てゐる故里の山を   星の様にやさしく星の様に   うるんだ父母の瞳を…… 妹よ!窓をしめてくれ星が流れる星が 妹よ!窓をしめてくれ――又思ひ出してはならぬものを思ひ出すだらうから
星森川義信
5分以内
※ 遠い鈴 銀の鈴 何かきこえる ※ そつとお祈りすると 金の糸が胸まで届く ああ 小さな幸福! ※ まだ見ぬ少女
空山明月金鍾漢
5分以内
むらは よるのなかにしづみ よるは かへるのなきごゑのなかにしづみ ひがともる ふたつ ひとつ かへるのなきごゑのなかに さて よつぱらひのつきがでてきて しろがねのむらを はきだすのです
随筆 藪柑子土井晩翠
5分以内
「仙臺の方言」と「土佐の方言」へはそれぞれ斯道の大家の序を頂戴したが、今度の隨筆集の序はどなたに御願ひしようかと出版者に相談した處、御良人がいゝでせうと曰はれました、どうかよろしくとの申出である。
「ドストエーフスキイ全集」推薦の辞岸田国士
5分以内
ドストイエフスキイの小説は、人類の残した業績の最も偉大なものの一つであることは云ふまでもないが、この天才が露西亜に生れたといふことを、われわれは特に注意すべきであると思ふ。
手紙坂本竜馬
5分以内
(表面) 此状もつて行者ニ、せんの大廻の荷のやり所がしれん言ハれんぞよ。
向島永井荷風
5分以内
隅田川の水はいよいよ濁りいよいよ悪臭をさえ放つようになってしまったので、その後わたくしは一度も河船には乗らないようになったが、思い返すとこの河水も明治大正の頃には奇麗であった。
商売の繁昌する家田中貢太郎
5分以内
芝公園大門脇に『わかもと』の本舗がある。
身体検査日倉橋潤一郎
5分以内
その日 学校では不安なざわめきが感ぜられ 私はいくつかのあわれなささやきに耳をいためた つと立ち寄り じっとその子の瞳をみていると うちしずみものかなしいうったえるような色を浮べて じっとみかえす お前もか! お前もか! 私は うったえる瞳の奥にひろがる貧しい生活を思い浮べ 黙って生きてゆかねばならない 曇った運命をかなしんだ 先生! 蓄膿病ってなおるでしょうか? 淋巴腺、アデノイド、扁桃腺
天井からぶらさがる足田中貢太郎
5分以内
小説家の山中峯太郎君が、広島市の幟町にいた比のことであった。
「蛸壺」の句中谷宇吉郎
5分以内
蛸壺やはかなき夢を夏の月  この句は先験的連想の世界に人を羽化登仙させる句であると自分には思われる。
哀詩数篇漢那浪笛
5分以内
くらがり なすによしなき哀れさよ、 早や日数経て、今日の日も 暗がりわたる物おもひ。
寧日山口芳光
5分以内
母、吾が為に 鼠の子虫籠に入れて与へぬ 病間の徒然なる 吾指もて小づき戯れ 心明るう時を経にけり。
神経質に肥満した三角形李箱
5分以内
▽よ 角力に勝つた経験はどれ丈あるか。
ダッタン海峡槙村浩
5分以内
春の銀鼠色が朝の黒樺を南からさしのばした腕のように一直線に引っつかんで行く 凍った褐色の堀割が、白いドローキの地平を一面に埋める ―――ダッタン海峡! ふいに一匹の迷い栗鼠が雪林から海氷の割れ目え転げ落ちる とたん、半分浮絵になった銅チョコレート色の靄の中から、だ、だ、ただーんと大砲を打っ発した 峡瀬をはさんで、一つの流れと海面からふき出した一つの島がある 土人は黒龍江を平和の河と呼び、サハリン
寺田さんに最後に逢った時和辻哲郎
5分以内
去年の八月の末、谷川君に引っ張り出されて北軽井沢を訪れた。
封印切漫評折口信夫
5分以内
紙治で唸らされた印象のまだ消えやらぬ東京人士の頭に、更にその俤を深むる為に上つて来た鴈治郎の忠兵衛。
雨の日森川義信
5分以内
硝子窓から青猫がやつて来てぼくの膝にのる よろよろとまるで一枚の翳のやうなやつだ 背をなでてゐるとぼうぼうと啼き出し ぼくの腹の中までぼうぼうと啼き出し こいつ こいつ ………… だがお前の眼のうるんだ青白い幻燈よ ゆううつな向日葵のやうにくるりくるりと 黒繻子の喪服の似合ふ貴婦人か お前は晩秋のやうにぼくの膝にやつてくる 苦い散薬の重いしめりに 色変へるまで青猫を思索するぼくの若さよ 何年も座
日光の紅葉正岡子規
5分以内
春の花は見るが野暮なり、秋の紅葉は見ぬが野暮なりと独り諺をこしらへて其言ひわけに今年は日光の紅葉狩にと思ひ付きぬ。
半七捕物帳の思い出岡本綺堂
5分以内
初めて「半七捕物帳」を書こうと思い付いたのは、大正五年の四月頃とおぼえています。
友と二人の夜今野大力
5分以内
遠い野中の家より 私を慕うて呉れる友は 今夜も十時がなって帰った 夜露を分けて来て呉れても あたたかいもてなしさえ 貧しい私達にはゆるされず ひとえの着物のはじを 幾度か合せ乍ら 語りても聞いてもほほえみ乍ら 何程のへだてた思いもなく ありのままの事を語らいて お互に解け合うよろこび 本箱からは 勝手なものをとり出して 入れ様ともせず 一ぱいに机の上につまされる 傍にも又誰ひとり じゃまになる人も
覚々斎原叟の書北大路魯山人
5分以内
これは旨い字か、拙い字か、おとなか、子どもか、手の字か、心の字か、はた人格の賜物か、それとも、学者の書か、高僧の筆か、あるいは書家の字か……。
BOITEUX ・ BOITEUSE李箱
5分以内
長イモノ 短イモノ 十文字      ×  然シ CROSS ニハ油ガツイテイタ  墜落  已ムヲ得ナイ平行  物理的ニ痛クアツタ  (以上平面幾何学)      × をれんぢ 大砲 匍匐      ×  若シ君ガ重症ヲ負フタトシテモ血ヲ流シタトスレバ味気ナイ  おー  沈黙ヲ打撲シテホシイ  沈黙ヲ如何ニ打撲シテ俺ハ洪水ノヨウニ騒乱スベキカ  沈黙ハ沈黙カ  めすヲ持タヌトテ医師
「屍の街」原民喜
5分以内
私はあのとき広島の川原で、いろんな怪物を視た。
姉へ今野大力
5分以内
蒔付時に子を生んで あせって起きて働いて 足腰立たなくなったという 姉よ 何たる不幸ぞや 病気をした時 神主に拝んでもらって 紙っ切れを水でのまされて それでなおらば、 お安いけれど 去年□死んだ妹を 姉よまさかに忘れまい あの妹が死んだ時 足は青んぶくれ 顔はまんまるお盆のよう 眼が見えなくなったきり、 最後には わけのわからぬあれこれを 大声でわめいたっけ あのおとなしかった妹が いまも
二十二年李箱
5分以内
前後左右を除く唯一の痕跡に於ける 翼段不逝 目大不覩 胖矮小形の神の眼前に我は落傷した故事を有つ。
北越雪譜岡田武松
5分以内
*1 「許鹿君」古河の城主土井大炊頭利位の号、利位は下総古河藩第十世の藩主である。
手紙坂本竜馬
5分以内
先づ※※御無事とぞんじ上候。
『全輯百間随筆』内容見本「推薦文」桑木厳翼
5分以内
人の感興を惹くものは流行する、流行すれば摸倣も出現する、摸倣には巧みなものも拙いものもある、拙いものには非難が伴ふのも当然である。
『辞苑』跋新村出
5分以内
『辞苑』のここに完成を告ぐるに当つて一言述べたいと思ふ。
熱河略図 No.2李箱
5分以内
1931年の風雲を寂しく語つてゐるタンクが早晨の大霧に赭く錆びついてゐる。
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