ブンゴウサーチ

雨の日

森川義信

『雨の日』は青空文庫で公開されている森川義信の短編作品。313文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数
5分以内
313文字
人気
235PV
書出

硝子窓から青猫がやつて来てぼくの膝にのる よろよろとまるで一枚の翳のやうなやつだ 背をなでてゐるとぼうぼうと啼き出し ぼくの腹の中までぼうぼうと啼き出し こいつ こいつ ………… だがお前の眼のうるんだ青白い幻燈よ ゆううつな向日葵のやうにくるりくるりと 黒繻子の喪服の似合ふ貴婦人か お前は晩秋のやうにぼくの膝にやつてくる 苦い散薬の重いしめりに 色変へるまで青猫を思索するぼくの若さよ 何年も座

初出「裸群」
底本増補 森川義信詩集
表記
※「人気」は青空文庫の過去10年分のアクセスランキングを集計した累計アクセス数から算出しています。