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郷土

今野大力

『郷土』は青空文庫で公開されている今野大力の短編作品。725文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数
5分以内
725文字
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書出

1 草深い放牧地よ 北海の高原に群がれる人々を養える郷土よ 北海道よ 未開地よ ここには名もなき小花も咲くであろう 未だ人手に触れない谷間の姫百合も咲くであろう 春ともなれば黄金の福寿草も咲くであろう かくてアイヌ古典の物語も想い出されるであろう 2 おお郷土の人々よ 昔は 卿等が渡道の頃は 何処にも熊は住んでいた 時として卿等よ 憶い起してはならない あの殺伐な熊狩のあたりのことを 又若き人々よ

初出「日本詩人 新詩人号」新潮社、1924(大正13)年6月号
底本今野大力作品集
表記
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