5分以内で読める岡本綺堂の短編作品

外国にも怪談は非常に多い。

新年の東京を見わたして、著るしく寂しいように感じられるのは、回礼者の減少である。

初めて「半七捕物帳」を書こうと思い付いたのは、大正五年の四月頃とおぼえています。

一、この一巻は六朝・唐・五代・宋・金・元・明・清の小説筆記の類から二百二十種の怪奇談を抄出した。

江戸時代の怪談劇は、大抵六、七、八の三月のあいだを択んで上場されたようである。

住み馴れた麹町を去って、目黒に移住してから足かけ六年になる。

からたちは普通に枳殻と書くが、大槻博士の『言海』によるとそれは誤りで、唐橘と書くべきだそうである。

今の劇壇、それはこのままでいいと思う。

この脚本は『文芸倶楽部』の一月号に掲載せられたもので、相変らず甘いお芝居。

夏の日の朝まだきに、瓜の皮、竹の皮、巻烟草の吸殻さては紙屑なんどの狼籍たるを踏みて、眠れる銀座の大通にたたずめば、ここが首府の中央かと疑わるるばかりに、一種荒凉の感を覚うれど、夜の衣の次第にうすくかつ剥（は）げて、曙（あけぼの）の光の東より開くと共に、万物皆生きて動き出ずるを見ん。

私は玩具が好です、幾歳になっても稚気を脱しない故かも知れませんが、今でも玩具屋の前を真直には通り切れません、ともかくも立停って一目ずらりと見渡さなければ気が済まない位です。

小夜の中山の夜泣石の伝説も、支那から輸入されたものであるらしく、宋の洪邁の「夷堅志」のうちに同様の話がある。

四谷怪談といえば何人もおなじみであるが、扨（さて）その実録は伝わっていない。