青空文庫の全作品
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51-100件 / 全14,272件
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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少女病 | 田山花袋 | 60分以内 | |
山手線の朝の七時二十分の上り汽車が、代々木の電車停留場の崖下を地響きさせて通るころ、千駄谷の田畝をてくてくと歩いていく男がある。 | |||
人生 | 夏目漱石 | 10分以内 | |
空を劃(くわく)して居る之(これ)を物といひ、時に沿うて起る之を事といふ、事物を離れて心なく、心を離れて事物なし、故に事物の変遷推移を名づけて人生といふ、猶麕身牛尾馬蹄のものを捉へて麟(きりん)といふが如し、かく定義を下せば、頗(すこぶ)る六つかしけれど、是を平仮名にて翻訳すれば、先づ地震、雷、火事、爺(おやぢ)の怖きを悟り、砂糖と塩の区別を知り、恋の重荷義理の柵抔(など)いふ意味を合点し、順逆の二境を踏み、禍福の二門をくゞるの謂(いひ)に過ぎず、但其謂に過ぎずと観ずれば、遭逢百端千差万... | |||
夜明け前 | 島崎藤村 | 1時間〜 | |
序の章木曾路はすべて山の中である。 | |||
猫の広告文 | 夏目漱石 | 5分以内 | |
吾輩は猫である。 | |||
桜桃 | 太宰治 | 30分以内 | |
われ、山にむかいて、目を挙ぐ。 | |||
芋粥 | 芥川竜之介 | 60分以内 | |
元慶の末か、仁和の始にあつた話であらう。 | |||
金色夜叉 | 尾崎紅葉 | 1時間〜 | |
前編第一章未だ宵ながら松立てる門は一様に鎖籠めて、真直に長く東より西に横はれる大道は掃きたるやうに物の影を留めず、いと寂くも往来の絶えたるに、例ならず繁き車輪の輾(きしり)は、或(あるひ)は忙かりし、或(あるひ)は飲過ぎし年賀の帰来なるべく、疎に寄する獅子太鼓の遠響は、はや今日に尽きぬる三箇日を惜むが如く、その哀切に小き膓(はらわた)は断れぬべし。 | |||
行人 | 夏目漱石 | 1時間〜 | |
友達梅田の停車場を下りるや否や自分は母からいいつけられた通り、すぐ俥(くるま)を雇って岡田の家に馳(か)けさせた。 | |||
山椒大夫 | 森鴎外 | 1時間〜 | |
越後の春日を経て今津へ出る道を、珍らしい旅人の一群れが歩いている。 | |||
在りし日の歌 | 中原中也 | 60分以内 | |
[#ページの左右中央]在りし日の歌[#改ページ]含羞――在りし日の歌――なにゆゑにこゝろかくは羞ぢらふ秋風白き日の山かげなりき椎の枯葉の落窪に幹々はいやにおとなび彳(た)ちゐたり枝々の拱(く)みあはすあたりかなしげの空は死児等の亡霊にみちまばたきぬをりしもかなた野のうへはあすとらかんのあはひ縫ふ古代の象の夢なりき... | |||
黒猫 | エドガー・アラン・ポー | 30分以内 | |
私がこれから書こうとしているきわめて奇怪な、またきわめて素朴な物語については、自分はそれを信じてもらえるとも思わないし、そう願いもしない。 | |||
手紙 | 夏目漱石 | 60分以内 | |
モーパサンの書いた「二十五日間」と題する小品には、ある温泉場の宿屋へ落ちついて、着物や白シャツを衣装棚へしまおうとする時に、そのひきだしをあけてみたら、中から巻いた紙が出たので、何気なく引き延ばして読むと「私の二十五日」という標題が目に触れたという冒頭が置いてあって、その次にこの無名式のいわゆる二十五日間が一字も変えぬ元の姿で転載された体になっている。 | |||
少女地獄 | 夢野久作 | 1時間〜 | |
何んでも無い白鷹秀麿兄足下臼杵利平小生は先般、丸の内倶楽部の庚戌会で、短時間拝眉の栄を得ましたもので、貴兄と御同様に九州帝国大学、耳鼻科出身の後輩であります。 | |||
川端康成へ | 太宰治 | 10分以内 | |
あなたは文藝春秋九月号に私への悪口を書いて居られる。 | |||
山羊の歌 | 中原中也 | 60分以内 | |
[#ページの左右中央]初期詩篇[#改ページ]春の日の夕暮トタンがセンベイ食べて春の日の夕暮は穏かですアンダースローされた灰が蒼ざめて春の日の夕暮は静かです吁(ああ)!案山子はないか――あるまい馬嘶(いなな)くか――嘶きもしまいただただ月の光のヌメランとするまゝに従順なのは春の日の夕暮かポトホトと野の中に伽藍は紅く荷馬車の車輪油を失ひ... | |||
野菊の墓 | 伊藤左千夫 | 1時間〜 | |
後の月という時分が来ると、どうも思わずには居られない。 | |||
蒲団 | 田山花袋 | 1時間〜 | |
小石川の切支丹坂から極楽水に出る道のだらだら坂を下りようとして渠(かれ)は考えた。 | |||
トカトントン | 太宰治 | 60分以内 | |
拝啓。 | |||
風立ちぬ | 堀辰雄 | 1時間〜 | |
Le vent se l※(みは)ve, il faut tenter de vivre.PAUL VAL※(みは)RY序曲それらの夏の日々、一面に薄の生い茂った草原の中で、お前が立ったまま熱心に絵を描いていると、私はいつもその傍らの一本の白樺の木蔭に身を横たえていたものだった。 | |||
ヰタ・セクスアリス | 森鴎外 | 1時間〜 | |
金井湛(しずか)君は哲学が職業である。 | |||
クリスマス・カロル | チャールズ・ディケンズ | 1時間〜 | |
第一章マアレイの亡霊先ず第一に、マアレイは死んだ。 | |||
グッド・バイ | 太宰治 | 60分以内 | |
変心文壇の、或(あ)る老大家が亡くなって、その告別式の終り頃から、雨が降りはじめた。 | |||
大川の水 | 芥川竜之介 | 30分以内 | |
自分は、大川端に近い町に生まれた。 | |||
源氏物語 | 紫式部 | 1時間〜 | |
春の野のうらわか草に親しみていとおほどかに恋もなりぬる(晶子)源氏は瘧病にかかっていた。 | |||
最終戦争論 | 石原莞爾 | 1時間〜 | |
第一部最終戦争論昭和十五年五月二十九日京都義方会に於ける講演速記で同年八月若干追補した。 | |||
故郷 | 魯迅 | 30分以内 | |
わたしは厳寒を冒して、二千余里を隔て二十余年も別れていた故郷に帰って来た。 | |||
高野聖 | 泉鏡花 | 1時間〜 | |
「参謀本部編纂の地図をまた繰開いて見るでもなかろう、と思ったけれども、余りの道じゃから、手を触るさえ暑くるしい、旅の法衣の袖をかかげて、表紙を附けた折本になってるのを引張り出した。 | |||
月に吠える | 萩原朔太郎 | 1時間〜 | |
従兄萩原栄次氏に捧ぐ萩原君。 | |||
ア、秋 | 太宰治 | 5分以内 | |
本職の詩人ともなれば、いつどんな注文があるか、わからないから、常に詩材の準備をして置くのである。 | |||
神曲 | アリギエリ・ダンテ | 1時間〜 | |
第一曲われ正路を失ひ、人生の覊旅半にあたりてとある暗き林のなかにありき一―三あゝ荒れあらびわけ入りがたきこの林のさま語ることいかに難いかな、恐れを追思にあらたにし四―六いたみをあたふること死に劣らじ、されどわがかしこに享けし幸をあげつらはんため、わがかしこにみし凡ての事を語らん七―九われ何によりてかしこに入りしや、善く説きがたし、眞(まこと)の路を棄てし時、睡りはわが身にみち/\たりき一〇―一二されど恐れをもてわが心を刺しゝ溪の盡く... | |||
門 | 夏目漱石 | 1時間〜 | |
宗助は先刻から縁側へ坐蒲団を持ち出して、日当りの好さそうな所へ気楽に胡坐(あぐら)をかいて見たが、やがて手に持っている雑誌を放り出すと共に、ごろりと横になった。 | |||
名人伝 | 中島敦 | 30分以内 | |
趙(ちょう)の邯鄲(かんたん)の都に住む紀昌という男が、天下第一の弓の名人になろうと志を立てた。 | |||
『春と修羅』 | 宮沢賢治 | 1時間〜 | |
[#ページの左右中央]心象スケツチ春と修羅大正十一、二年[#改丁]わたくしといふ現象は仮定された有機交流電燈のひとつの青い照明です(あらゆる透明な幽霊の複合体)風景やみんなといつしよにせはしくせはしく明滅しながらいかにもたしかにともりつづける因果交流電燈のひとつの青い照明です(ひかりはたもちその電燈は... | |||
五重塔 | 幸田露伴 | 1時間〜 | |
其木理美しき槻胴、縁にはわざと赤樫を用いたる岩畳作りの長火鉢に対いて話し敵もなくただ一人、少しは淋(さび)しそうに坐(すわ)り居る三十前後の女、男のように立派な眉をいつ掃いしか剃(そ)ったる痕の青々と、見る眼も覚むべき雨後の山の色をとどめて翠(みどり)の匂いひとしお床しく、鼻筋つんと通り眼尻キリリと上り、洗い髪をぐるぐると酷く丸めて引裂紙をあしらいに一本簪でぐいと留めを刺した色気なしの様はつくれど、憎いほど烏黒にて艶ある髪の毛の一ト綜(ふさ)二綜後れ乱れて、浅黒いながら渋気... | |||
白痴 | 坂口安吾 | 1時間〜 | |
その家には人間と豚と犬と鶏と家鴨が住んでいたが、まったく、住む建物も各々の食物も殆(ほとん)ど変っていやしない。 | |||
ファラデーの伝 | 愛知敬一 | 1時間〜 | |
[#改丁]偉人の伝記というと、ナポレオンとかアレキサンドロスとか、グラッドストーンというようなのばかりで、学者のはほとんど無いと言ってよい。 | |||
浮雲 | 二葉亭四迷 | 1時間〜 | |
浮雲はしがき薔薇(ばら)の花は頭に咲て活人は絵となる世の中独り文章而已(のみ)は黴(かび)の生えた陳奮翰の四角張りたるに頬返しを附けかね又は舌足らずの物言を学びて口に涎(よだれ)を流すは拙しこれはどうでも言文一途の事だと思立ては矢も楯(たて)もなく文明の風改良の熱一度に寄せ来るどさくさ紛れお先真闇三宝荒神さまと春のや先生を頼み奉り欠硯に朧(おぼろ)の月の雫(しずく)を受けて墨摺流す空のきおい夕立の雨の一しきりさらさらさっと書流せばアラ無情始末にゆかぬ浮雲めが艶しき月... | |||
武蔵野 | 国木田独歩 | 60分以内 | |
「武蔵野の俤(おもかげ)は今わずかに入間郡に残れり」と自分は文政年間にできた地図で見たことがある。 | |||
私の個人主義 | 夏目漱石 | 1時間〜 | |
――大正三年十一月二十五日学習院輔仁会において述――私は今日初めてこの学習院というものの中に這入りました。 | |||
耳無芳一の話 | 小泉八雲 | 30分以内 | |
七百年以上も昔の事、下ノ関海峡の壇ノ浦で、平家すなわち平族と、源氏すなわち源族との間の、永い争いの最後の戦闘が戦われた。 | |||
侏儒の言葉 | 芥川竜之介 | 1時間〜 | |
「侏儒の言葉」の「侏儒の言葉」は必しもわたしの思想を伝えるものではない。 | |||
足跡 | 石川啄木 | 60分以内 | |
冬の長い国のことで、物蔭にはまだ雪が残つて居り、村端の溝に芹(せり)の葉一片青んではゐないが、晴れた空はそことなく霞んで、雪消の路の泥濘の処々乾きかゝつた上を、春めいた風が薄ら温かく吹いてゐた。 | |||
海潮音 | 上田敏 | 1時間〜 | |
[#ページの左右中央]遙に満洲なる森鴎外氏に此の書を献ず[#改ページ][#ページの左右中央]大寺の香の煙はほそくとも、空にのぼりてあまぐもとなる、あまぐもとなる。 | |||
教育の目的 | 福沢諭吉 | 30分以内 | |
この一編は、頃日、諭吉が綴るところの未定稿中より、教育の目的とも名づくべき一段を抜抄したるものなれば、前後の連絡を断つがために、意をつくすに足らず、よってこれを和解演述して、もって諸先生の高評を乞う。 | |||
アッシャー家の崩壊 | エドガー・アラン・ポー | 60分以内 | |
[#ページの左右中央]Son coeur est un luth suspendu;Sit※t qu'on le touche il r※sonne.「彼が心は懸かれる琵琶(びわ)にして、触るればたちまち鳴りひびく」ド・ベランジュ(1)[#改ページ]雲が重苦しく空に低くかかった、もの憂い、暗い、寂寞とした秋の日を一日じゅう、私はただ一人馬にまたがって、妙にもの淋(さび)しい地方を通りすぎて行った。 | |||
歯車 | 芥川竜之介 | 1時間〜 | |
レエン・コオト僕は或知り人の結婚披露式につらなる為に鞄(かばん)を一つ下げたまま、東海道の或停車場へその奥の避暑地から自動車を飛ばした。 | |||
あたらしい憲法のはなし | 文部省 | 60分以内 | |
[#改丁]憲法みなさん、あたらしい憲法ができました。 | |||
愛撫 | 梶井基次郎 | 10分以内 | |
猫の耳というものはまことに可笑しなものである。 | |||
愛読書の印象 | 芥川竜之介 | 5分以内 | |
子供の時の愛読書は「西遊記」が第一である。 | |||
ああ華族様だよ と私は嘘を吐くのであった | 渡辺温 | 10分以内 | |
居留地女の間ではその晩、私は隣室のアレキサンダー君に案内されて、始めて横浜へ遊びに出かけた。 |
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