石川啄木の全作品

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作品名著者読了時間文字数人気書き出し
一握の砂石川啄木60分以内17,128

函館なる郁雨宮崎大四郎君 同国の友文学士花明金田一京助君 この集を両君に捧ぐ。

函館なる郁雨宮崎大四郎君 同国の友文学士花明金田一京助君 この集を両君に捧ぐ。

悲しき玩具石川啄木30分以内6,790

呼吸すれば、 胸の中にて鳴る音あり。

呼吸すれば、 胸の中にて鳴る音あり。

足跡石川啄木60分以内17,398

冬の長い国のことで、物蔭にはまだ雪が残つて居り、村端の溝に芹の葉一片青んではゐないが、晴れた空はそことなく霞んで、雪消の路の泥濘の処々乾きかゝつた上を、春めいた風が薄ら温かく吹いてゐた。

冬の長い国のことで、物蔭にはまだ雪が残つて居り、村端の溝に芹の葉一片青んではゐないが、晴れた空はそことなく霞んで、雪消の路の泥濘の処々乾きかゝつた上を、春めいた風が薄ら温かく吹いてゐた。

詩石川啄木60分以内12,326

啄木鳥 いにしへ聖者が雅典の森に撞きし、 光ぞ絶えせぬみ空の『愛の火』もて 鋳にたる巨鐘、無窮のその声をぞ 染めなす『緑』よ、げにこそ霊の住家。

啄木鳥 いにしへ聖者が雅典の森に撞きし、 光ぞ絶えせぬみ空の『愛の火』もて 鋳にたる巨鐘、無窮のその声をぞ 染めなす『緑』よ、げにこそ霊の住家。

二筋の血石川啄木60分以内12,018

夢の様な幼少の時の追憶、喜びも悲みも罪のない事許り、それからそれと朧気に続いて、今になつては、皆、仄かな哀感の霞を隔てゝ麗かな子供芝居でも見る様に懐かしいのであるが、其中で、十五六年後の今日でも猶、鮮やかに私の目に残つてゐる事が二つある。

夢の様な幼少の時の追憶、喜びも悲みも罪のない事許り、それからそれと朧気に続いて、今になつては、皆、仄かな哀感の霞を隔てゝ麗かな子供芝居でも見る様に懐かしいのであるが、其中で、十五六年後の今日でも猶、鮮やかに私の目に残つてゐる事が二つある。

時代閉塞の現状石川啄木30分以内9,955

一  数日前本欄(東京朝日新聞の文芸欄)に出た「自己主張の思想としての自然主義」と題する魚住氏の論文は、今日における我々日本の青年の思索的生活の半面――閑却されている半面を比較的明瞭に指摘した点において、注意に値するものであった。

一  数日前本欄(東京朝日新聞の文芸欄)に出た「自己主張の思想としての自然主義」と題する魚住氏の論文は、今日における我々日本の青年の思索的生活の半面――閑却されている半面を比較的明瞭に指摘した点において、注意に値するものであった。

呼子と口笛石川啄木10分以内3,331

はてしなき議論の後 一九一一・六・一五・TOKYO われらの且つ読み、且つ議論を闘はすこと、 しかしてわれらの眼の輝けること、 五十年前の露西亜の青年に劣らず。

はてしなき議論の後 一九一一・六・一五・TOKYO われらの且つ読み、且つ議論を闘はすこと、 しかしてわれらの眼の輝けること、 五十年前の露西亜の青年に劣らず。

女郎買の歌石川啄木5分以内1,528

『惡少年を誇稱す 糜爛せる文明の子』  諸君試みに次に抄録する一節を讀んで見たまへ。

『惡少年を誇稱す 糜爛せる文明の子』  諸君試みに次に抄録する一節を讀んで見たまへ。

A LETTER FROM PRISON石川啄木1時間〜36,777

この一篇の文書は、幸徳秋水等二十六名の無政府主義者に關する特別裁判の公判進行中、事件の性質及びそれに對する自己の見解を辨明せむがために、明治四十三年十二月十八日、幸徳がその擔當辯護人たる磯部四郎、花井卓藏、今村力三郎の三氏に獄中から寄せたものである。

この一篇の文書は、幸徳秋水等二十六名の無政府主義者に關する特別裁判の公判進行中、事件の性質及びそれに對する自己の見解を辨明せむがために、明治四十三年十二月十八日、幸徳がその擔當辯護人たる磯部四郎、花井卓藏、今村力三郎の三氏に獄中から寄せたものである。

一利己主義者と友人との対話石川啄木30分以内5,932

B おい、おれは今度また引越しをしたぜ。

B おい、おれは今度また引越しをしたぜ。

散文詩石川啄木30分以内10,065

曠野  路に迷つたのだ! と氣のついた時は、此曠野に踏込んでから、もう彼是十哩も歩いてゐた。

曠野  路に迷つたのだ! と氣のついた時は、此曠野に踏込んでから、もう彼是十哩も歩いてゐた。

心の姿の研究石川啄木5分以内1,138

夏の街の恐怖 焼けつくやうな夏の日の下に おびえてぎらつく軌条の心。

夏の街の恐怖 焼けつくやうな夏の日の下に おびえてぎらつく軌条の心。

弓町より石川啄木30分以内8,746

食うべき詩  詩というものについて、私はずいぶん長い間迷うてきた。

食うべき詩  詩というものについて、私はずいぶん長い間迷うてきた。

渋民村より石川啄木30分以内5,080

一  杜陵を北へ僅かに五里のこの里、人は一日の間に往復致し候へど、春の歩みは年々一週が程を要し候。

一  杜陵を北へ僅かに五里のこの里、人は一日の間に往復致し候へど、春の歩みは年々一週が程を要し候。

悲しき思出石川啄木10分以内3,192

◎本年四月十四日、北海道小樽で逢つたのが、野口君と予との最後の会合となつた。

◎本年四月十四日、北海道小樽で逢つたのが、野口君と予との最後の会合となつた。

日本無政府主義者陰謀事件経過及び付帯現象石川啄木60分以内15,120

明治四十三年(西暦一九一〇)六月二日 東京各新聞社、東京地方裁判所檢事局より本件の犯罪に關する一切の事の記事差止命令を受く。

明治四十三年(西暦一九一〇)六月二日 東京各新聞社、東京地方裁判所檢事局より本件の犯罪に關する一切の事の記事差止命令を受く。

唱歌石川啄木5分以内544

校友歌 澁民尋常小學校生徒のために。

校友歌 澁民尋常小學校生徒のために。

歌のいろ/\石川啄木30分以内5,946

(一) ○日毎に集つて來る投書の歌を讀んでゐて、ひよいと妙な事を考へさせられることがある。

(一) ○日毎に集つて來る投書の歌を讀んでゐて、ひよいと妙な事を考へさせられることがある。

無題石川啄木5分以内981

幸徳等所謂無政府共産主義者の公判開始は近く四五日の後に迫り來れり。

幸徳等所謂無政府共産主義者の公判開始は近く四五日の後に迫り來れり。

トルストイ翁論文石川啄木10分以内3,506

レオ・トルストイ翁のこの驚嘆すべき論文は、千九百四年(明治三十七年)六月二十七日を以てロンドン・タイムス紙上に發表されたものである。

レオ・トルストイ翁のこの驚嘆すべき論文は、千九百四年(明治三十七年)六月二十七日を以てロンドン・タイムス紙上に發表されたものである。

我が最近の興味石川啄木10分以内2,675

ヴオルガ河岸のサラトフといふ處で、汽船アレクサンダア二世號が出帆しようとしてゐた時の事だ。

ヴオルガ河岸のサラトフといふ處で、汽船アレクサンダア二世號が出帆しようとしてゐた時の事だ。

硝子窓石川啄木30分以内4,712

○ 『何か面白い事は無いかねえ。

○ 『何か面白い事は無いかねえ。

田園の思慕石川啄木10分以内2,019

獨逸の或小説家がその小説の中に、田園を棄てて相率ゐて煤煙と塵埃とに濁つた都會の空氣の中に紛れ込んで行く人達の運命を批評してゐるさうである。

獨逸の或小説家がその小説の中に、田園を棄てて相率ゐて煤煙と塵埃とに濁つた都會の空氣の中に紛れ込んで行く人達の運命を批評してゐるさうである。

氷屋の旗石川啄木5分以内642

親しい人の顔が、時として、凝乎と見てゐる間に見る見る肖ても肖つかぬ顔――顔を組立ててゐる線と線とが離れ/\になつた様な、唯不釣合な醜い形に見えて来る事がある。

親しい人の顔が、時として、凝乎と見てゐる間に見る見る肖ても肖つかぬ顔――顔を組立ててゐる線と線とが離れ/\になつた様な、唯不釣合な醜い形に見えて来る事がある。

初めて見たる小樽石川啄木10分以内3,619

新らしき声のもはや響かずなった時、人はその中から法則なるものを択び出ず。

新らしき声のもはや響かずなった時、人はその中から法則なるものを択び出ず。

性急な思想石川啄木10分以内3,709

一  最近数年間の文壇及び思想界の動乱は、それにたずさわった多くの人々の心を、著るしく性急にした。

一  最近数年間の文壇及び思想界の動乱は、それにたずさわった多くの人々の心を、著るしく性急にした。

雪中行石川啄木30分以内4,062

(第一信) 岩見沢にて  一月十九日。

(第一信) 岩見沢にて  一月十九日。

我等の一団と彼石川啄木1時間〜36,639

一  人が大勢集つてゐると、おのづから其の間に色分けが出來て來る――所謂黨派といふものが生れる。

一  人が大勢集つてゐると、おのづから其の間に色分けが出來て來る――所謂黨派といふものが生れる。

火星の芝居石川啄木5分以内1,280

『何か面白い事はないか?』 『俺は昨夜火星に行って来た』 『そうかえ』 『真個に行って来たよ』 『面白いものでもあったか?』 『芝居を見たんだ』 『そうか。

『何か面白い事はないか?』 『俺は昨夜火星に行って来た』 『そうかえ』 『真個に行って来たよ』 『面白いものでもあったか?』 『芝居を見たんだ』 『そうか。

菊池君石川啄木60分以内23,312

一  私が釧路の新聞へ行つたのは、恰度一月下旬の事、寒さの一番酷しい時で、華氏寒暖計が毎朝零下二十度から三十度までの間を昇降して居た。

一  私が釧路の新聞へ行つたのは、恰度一月下旬の事、寒さの一番酷しい時で、華氏寒暖計が毎朝零下二十度から三十度までの間を昇降して居た。

雲は天才である石川啄木60分以内16,263

一  六月三十日、S――村尋常高等小学校の職員室では、今しも壁の掛時計が平常の如く極めて活気のない懶うげな悲鳴をあげて、――恐らく此時計までが学校教師の単調なる生活に感化されたのであらう、――午後の第三時を報じた。

一  六月三十日、S――村尋常高等小学校の職員室では、今しも壁の掛時計が平常の如く極めて活気のない懶うげな悲鳴をあげて、――恐らく此時計までが学校教師の単調なる生活に感化されたのであらう、――午後の第三時を報じた。

札幌石川啄木30分以内9,811

半生を放浪の間に送つて来た私には、折にふれてしみ/″\思出される土地の多い中に、札幌の二週間ほど、慌しい様な懐しい記憶を私の心に残した土地は無い。

半生を放浪の間に送つて来た私には、折にふれてしみ/″\思出される土地の多い中に、札幌の二週間ほど、慌しい様な懐しい記憶を私の心に残した土地は無い。

赤痢石川啄木60分以内14,947

凸凹の石高路、その往還を右左から挾んだ低い茅葺屋根が、凡そ六七十もあらう、何の家も、何の家も、古びて、穢くて、壁が落ちて、柱が歪んで、隣々に倒り合つて辛々支へてる様に見える。

凸凹の石高路、その往還を右左から挾んだ低い茅葺屋根が、凡そ六七十もあらう、何の家も、何の家も、古びて、穢くて、壁が落ちて、柱が歪んで、隣々に倒り合つて辛々支へてる様に見える。

葬列石川啄木60分以内21,573

久し振で帰つて見ると、嘗ては『眠れる都会』などと時々土地の新聞に罵られた盛岡も、五年以前とは余程その趣を変へて居る。

久し振で帰つて見ると、嘗ては『眠れる都会』などと時々土地の新聞に罵られた盛岡も、五年以前とは余程その趣を変へて居る。

葉書石川啄木60分以内12,018

××村の小学校では、小使の老爺に煮炊をさして校長の田辺が常宿直をしてゐた。

××村の小学校では、小使の老爺に煮炊をさして校長の田辺が常宿直をしてゐた。

漂泊石川啄木60分以内13,165

一  曇ツた日だ。

一  曇ツた日だ。

病院の窓石川啄木1時間〜33,671

野村良吉は平日より少し早目に外交から帰つた。

野村良吉は平日より少し早目に外交から帰つた。

天鵞絨石川啄木1時間〜33,916

一  理髪師の源助さんが四年振で来たといふ噂が、何か重大な事件でも起つた様に、口から口に伝へられて、其午後のうちに村中に響き渡つた。

一  理髪師の源助さんが四年振で来たといふ噂が、何か重大な事件でも起つた様に、口から口に伝へられて、其午後のうちに村中に響き渡つた。

鳥影石川啄木1時間〜88,002

(一)の一  小川静子は、兄の信吾が帰省するといふので、二人の小妹と下男の松蔵を伴れて、好摩の停車場まで迎ひに出た。

(一)の一  小川静子は、兄の信吾が帰省するといふので、二人の小妹と下男の松蔵を伴れて、好摩の停車場まで迎ひに出た。

「一握の砂」広告石川啄木5分以内105

其身動く能はずして其心早く一切の束縛より放たれたる著者の痛苦の聲は是也。

其身動く能はずして其心早く一切の束縛より放たれたる著者の痛苦の聲は是也。

新しい歌の味ひ石川啄木5分以内1,155

人聲の耳にし入らば、このゆふべ、 涙あふれむ、――  もの言ふなかれ。

人聲の耳にし入らば、このゆふべ、 涙あふれむ、――  もの言ふなかれ。

一日中の楽しき時刻石川啄木5分以内573

復啓、以前は夕方に燈火のつく頃と、夜が段々更けて十二時が過ぎ、一時となり一時半となる頃が此上なき樂しきものに候ひしが、近頃はさる事も無御座候。

復啓、以前は夕方に燈火のつく頃と、夜が段々更けて十二時が過ぎ、一時となり一時半となる頃が此上なき樂しきものに候ひしが、近頃はさる事も無御座候。

いろ/\の言葉と人石川啄木5分以内670

少年の頃、「孝」といふ言葉よりも、「忠」といふ言葉の方が強く私の胸に響いた。

少年の頃、「孝」といふ言葉よりも、「忠」といふ言葉の方が強く私の胸に響いた。

歌集「嘲笑」序文石川啄木5分以内702

私はこの集の著者に一度も會つたことが無い。

私はこの集の著者に一度も會つたことが無い。

雲間寸観石川啄木30分以内4,663

雲間寸觀 大木頭 ◎二十三日の議會は豫報の如く所謂三派連合の氣勢の下に提出せられたる内閣不信任の決議案の討議に入り、小氣味よき活劇を演出したるものの如く候。

雲間寸觀 大木頭 ◎二十三日の議會は豫報の如く所謂三派連合の氣勢の下に提出せられたる内閣不信任の決議案の討議に入り、小氣味よき活劇を演出したるものの如く候。

小説「墓場」に現れたる著者木下氏の思想と平民社一派の消息石川啄木10分以内2,466

木下尚江著小説「墓場」。

木下尚江著小説「墓場」。

消息石川啄木5分以内1,078

本誌の編輯は各月當番一人宛にてやる事に相成り、此號は小生編輯致し候。

本誌の編輯は各月當番一人宛にてやる事に相成り、此號は小生編輯致し候。

人間の悲哀石川啄木5分以内230

人間の悲哀とは、自己の範圍を知ることである。

人間の悲哀とは、自己の範圍を知ることである。

農村の中等階級石川啄木5分以内1,087

近頃農村の經營といふ事に關する著書が月に一册か二册は缺かさず出版されてゐる。

近頃農村の經營といふ事に關する著書が月に一册か二册は缺かさず出版されてゐる。

病室より石川啄木10分以内3,994

五百二十一  外は海老色の模造革、パチンと開けば、内には溝状に橄欖色の天鵞絨の貼つてある、葉卷形のサツクの中の檢温器! 37 といふ字だけを赤く、三十五度から四十二度までの度をこまかに刻んだ、白々と光る薄い錫の板と、透せば仄かに縁に見える、細い眞空管との入つた、丈四寸にも足らぬ小さな獨逸製の檢温器!  私はこの小さな檢温器がいとしくて仕方がない。

五百二十一  外は海老色の模造革、パチンと開けば、内には溝状に橄欖色の天鵞絨の貼つてある、葉卷形のサツクの中の檢温器! 37 といふ字だけを赤く、三十五度から四十二度までの度をこまかに刻んだ、白々と光る薄い錫の板と、透せば仄かに縁に見える、細い眞空管との入つた、丈四寸にも足らぬ小さな獨逸製の檢温器!  私はこの小さな檢温器がいとしくて仕方がない。