病室より
石川啄木
『病室より』は青空文庫で公開されている石川啄木の短編作品。4,225文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。
文字数 | 30分以内 4,225文字 |
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書き出し書出 | 五百二十外は海老色の模造革、パチンと開けば、内には溝状に橄欖色の天鵞絨の貼つてある、葉卷形のサツクの中の檢温器!37 といふ字だけを赤く、三十五度から四十二度までの度をこまかに刻んだ、白々と光る薄い錫の板と、透せば仄かに縁に見える、細い眞空管との入つた、丈四寸にも足らぬ小さな獨逸製の檢温器!私はこの小さな檢温器がいとしくて仕方がない。 |
初出 | |
底本 | 啄木全集 第十卷 |
表記 | 旧字旧仮名 |
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