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5分以内で読める青空文庫の短編作品

青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「5分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。

3,101-3,150件 / 全4,139件
作品名著者読了時間人気
破壊加藤一夫
5分以内
未来に黄金世界を望むのではないただ現在の不合理を、破壊しようとするのだ私はユートピアンではないただ衝動に聴く男だ社会制度が人間の意識を支配するがそしてその故に今の社会制度を破壊するがさりとて更に善き社会制度を立てるのが私の唯一のそして究極の目的ではないまず破壊するのだすると新しい制度はおのずから生れるだろう生命は流れる水制度は流れゆく水の路―溝谷小川大川生命は...
プロパガンダ加藤一夫
5分以内
今こそは、凡てのものの目覚める時だ黎明の空は既に白みはじめた。
赤兵の歌江森盛弥
5分以内
俺達は一度に声を挙げて集まって来たのだ、反動の軍旗をへし折って来たのだ、真っ青になって口も利けなくなった師団長の高慢なシャッポを蹴飛ばして来たのだ。
採炭夫の歌後藤謙太郎
5分以内
底だ底底どん底だこの世の底だどん底だもしも堤防が崩れたなら瓦斯が爆発したならば水攻め火攻めその上に天井がバレたら生き埋めだ底の底なるどん底にこの世の底のどん底に俺は炭掘る採炭夫飽食暖衣のブルジョアの****が見憎けりゃ腕にゃ覚えたツルがある汚れた世界の果までも赤い血潮で染めてやる。
雪の線路を歩いて後藤謙太郎
5分以内
貧しさの為に俺は歩けりひとすじの道雪の線路を俺は歩けり貧しさの為に歩ける俺には火を吐きて煙を挙げて罵る如く汽笛を鳴らして走りゆくあの汽車が憎し文明の利器なれども俺には憎しひもじさの為に疲れて歩ける俺にはそれ食えがしに汽車の窓より殻の弁当を投げつくる人の心が憎しとりわけて今村を追われて歩ける俺にはスチームに温められて安らかに旅する人の心はなお憎しわれ等が汗にてなりし秋の...
『戦旗』創刊号巻頭詩佐藤武夫
5分以内
靡け高く俺らの旗!凡ての工場の煙は消えろ広塲へ!広塲へ!氾濫の俺らの力が波うつながい搾取と鞭の下で誰が屈辱の涙をなめなかった?誰がお前とお前の子のために起たなかった!おお!苦闘の日の長い長いトンネルを思えブルジョアの指す太陽を見ることなく俺らの太陽に向って進んで行こう!圧制の鞭には団結の斧で示威で地上を揺がすのだ街頭へ!街頭へ!おお氾濫の力でメーデーに行け!(『戦旗』一九二...
犬にされたカスペルの話しかけ佐藤武夫
5分以内
あいつらにいぬにされた俺は俺達で四つん這いにまであいつらを叩きのめそうゆううつの中に立てる現場を畳み込んで勇敢の中に立てる職場に置きかえよう新らしき住居は「四方隠し」より「動き」へ「だんまり」より「話しかけ」に流れる駅より駅へ列車より納戸へ汽船より台所へ事務所より劇場へ憤りにふるえる方向と組織された健康にあふれてグレーチェを含めた十二人の同志がカスペルを含めた八人の人形を抱えて...
イリイッチの長靴佐藤武夫
5分以内
イリイッチの長靴は十年を歩み続けた!ボロボロで、デコボコだ、破れかかっている。
感謝下川儀太郎
5分以内
ふところにはびた一文もないここへ廻されたことも誰れも知らないだらう便りさえ奪れている身だ六日間便器とカビと煤(すす)とのあらゆる臭いにむされながらくさいめしを無理につめ込んで煤だらけの真っ黒い天井とにらめっこして生きた七日目ふと、独房までもつき抜ける声を聞いた「ここにSと云う男がきている筈ですがこの本と金をやって下さい……」思わ...
再び立上がる日の為に下川儀太郎
5分以内
負ける争議じゃなかったんだそいつが負けたんだそいつが負けたんだ兄弟、そいつが負けたんだぞ!誰れがあいつらに妥協を頼んだ誰れが争議を打ち切れとぬかしたんだゼネストだ!全線へおっぴろがった……横浜へ京都へ大阪へ神戸へ火がついた!そいつを真先にもみ消したなあど奴だ!死ぬまで闘う!と突き上げた拳の下で怒りに燃え立ったお前達じゃねえかそいつが六日間そいつがたっ...
彼はいない下川儀太郎
5分以内
四月十六日!彼はいなくなった彼は俺達の眼から消されて行った寝床は靴に破られ天井も床下もごみ片迄もさらわれた昨日まで……勝利を背負っていた彼凱歌のときめきに闘争に胸をおどらしていた彼六十三名のブル候補の中にただ一人の俺達の代表に出た彼町の労働者と村の農民の勝利の声を背負った彼彼……労農同盟選出静岡市会議員!俺達はおどったゴマかしだらけの市会を俺達の手が握りつぶすぞ!...
青い服の列西村陽吉
5分以内
青い服の長い列、みんな揃って青い服、ひょろひょろとした、せいのひくい、営養不良の、顔まで青い長い列。
遥かなる憧憬西村陽吉
5分以内
所有者『万物は万人のものなり、何人の私有すべきものに非ず』この思想のいかに当然にして、しかして美しくして、しかして、いかに遠く我らの相距りたることよ!我らは何物をも持たず、げに何物をも持たず、街を歩みて何物の一つをも、これを自由にし、使用し、消費する能わず、石ころの一つにも、一木の枝にも、その所有主の名は刻さる。
城山のことなど桜間中庸
5分以内
城山は冬がいゝ。
逗子桜間中庸
5分以内
濱に出て砂にころべは夕さりて町に歸ればしみじみと、思ひ出ぬるふるさとのこと。
短索桜間中庸
5分以内
生を享けた喜びを感じなければならない。
東京桜間中庸
5分以内
鈴かけの街路樹。
冬至桜間中庸
5分以内
あをいタイルの浴槽にひたつてゐる。
桜間中庸
5分以内
獏――私はたまらなくこの字が好きでありこの音が好きである。
墓地桜間中庸
5分以内
郷里につくと、その日の中にか翌日の朝かには、きつと、家の墓地に鎌と笹掃木を手にして出かける。
窓を開く桜間中庸
5分以内
これが十二月の空であらうか。
桜間中庸
5分以内
美しい夢を見た。
リズム(詩の)に就いての再考察桜間中庸
5分以内
永い間「影のリズム」といふ言葉を私は獨り考へて來た。
御国のために根岸正吉
5分以内
歩いて帰れ、歩いて帰れ、忠君愛国者よ。
落ちぬ血痕根岸正吉
5分以内
ヒ――ッアレ――ッ女の悲鳴驚愕の叫び機械は停まった。
織工根岸正吉
5分以内
この一顆を大杉栄氏に呈す彼は真の技術者にてありき。
場外根岸正吉
5分以内
十二時間の勤めを終えてわざわざ郊外からやって来たのだ。
須賀爺根岸正吉
5分以内
須賀爺の面の憎さよ。
労働者大会根岸正吉
5分以内
青年会館の正門へ※要求は簡単である。
我は労働者よ根岸正吉
5分以内
廻せ!廻せ!廻したくば何程でも廻せ。
調帯野村吉哉
5分以内
ぶんぶんすばらしくうなりながら私の目の前にいつでもいつでもあらわれてくる調帯うとうととまどろみかけた頭のなかにすぐぶんぶんとひびきながら私の身体のところどころをへし折りはねとばしすばらしい勢いで回転している調帯の幻影いつでもいつでも夜でも昼でも私は調帯にせめられているまっくらがりのなかでぶんぶんうなりながら回転している調帯!手を折られ足を折られた私のめのまえへ疲れきったあたまのなかから...
鉄のシャフト野村吉哉
5分以内
ゴシゴシゴシキイキイゴシゴシ……俺の役目はでっかい鉄のシャフトを磨くのだまっ赤に染まったどろどろの手袋の中で感覚を失ってしまっている俺の手は俺の全生命をこめて鉄のシャフトを磨くのだ――捨値で買ったボロボロに腐りかけた幾万本の鉄のシャフトは磨いて塗って幾十倍に売りつけられるのだコンミッションの力で新品としてスラスラ通って行くのだ買うのは誰だ――やっぱり俺達だった売った生命の代価はかくして奪われ残る物は...
赤い腕章波立一
5分以内
赤い集会を護り赤いデモを導く若さの誇りに輝く真赤な腕章党旗の下から組合旗の蔭から俺らの演壇には燃ゆる燃ゆる俺らの胸は早鐘俺らは血走る眼を注ぐ「真赤な腕章」へ「真赤な腕章」はビクともしない細心に大胆に俺らの感情を護る「真赤な腕章」の役目は重い番犬共が耳打ち始めるゆるんだ帽子の紐を締める――弁士中止!瞬間「真赤な腕章」がグイと動く―...
運勢波立一
5分以内
腰を下して膝かぶにのっけた掌俺らの運勢をみろごつごつの節くれ奴大根ごっそりひきぬいて町さうんとこ運んでも伜の雑記帳と読本は軽いもんだなあ女房いくら人参が好物だって堪えて呉ろよ鎮守の店に借があるだぞ役場の赤紙も溜ってるだごつごつの節くれ奴!一生運勢だとあきらめて地主の倉に種を蒔いているだか一体?俺らの収穫はいつの秋だ...
檻の中波立一
5分以内
昨日は重い空に湿っぽい風だった。
結党の焔波立一
5分以内
誰が資格審査を反動政府に頼むだか?結党は労働者農民の決心だ!四月十日に胸の党員章を外したけれど労働者と農民を解散出来るか!「合法」とは奴らのものだ被圧迫民衆の生計は「非合法」だ。
五月一日波立一
5分以内
ええ、癪だな、畜生!間抜けた汽笛なんか気にすることあねい。
動員令波立一
5分以内
耳の奥底に唐人笛飴屋の幼い想出連隊の奴隷達は夢の中で枕を外した激しい夜風とあれ狂う喇叭(らっぱ)の号音――非常呼集だ丘の黒い建物は真夜中に眼ざめた丘の兵隊屋敷は点々と燈火を燦(ちりば)めてゆく不寝番は雀躍してバタバタ駆けまわった息をきらしても叩き起すのは愉快だ態あみろ起きろ!起きろさ起きるよ……うるせい!週番司令あ誰奴だ?俺あ不服だぞお……周章てて起きた初年兵の寝...
夜明の集会波立一
5分以内
幽かなエンジンの響――炭山の深夜午前三時朝退けの号笛未だ夜は明けぬ寝たげな共同風呂場とぎれとぎれの騒めきおい見たか――採炭部の掲示板浴槽の中は黙り勝ちだ午前四時半東の空白む発電所の煙突――クッキリとしてきた淡く電燈の息絶ゆく重く湛えた貯水池その辺の一軒長屋続々と黒い影阿母!みな集ったか――要らねいんだお茶は――...
再生の日の海を眺めて松本淳三
5分以内
俺は再び海を見るのだ!ひろいひろい海を見るのだ!それは、絵より詩よりもっと大きい、もっと美しい動いている海、輝いている海!ああはっきりと映って来る海!俺は岩に腰をおろしたやせた両手を胸に抱いた「貴方の御出をどんなに待ったか知れません、よくも貴方は、生きて再び私の姿を見て呉れます……」海は大きい胸をたたいてまず何よりもにっこりしたそして鮮な潮の香りをたえず――俺の体に送った泣きた...
血を越えてゆく松本淳三
5分以内
われら血を越えてゆくはらからが流したるくろき血をぞ越えて尚ゆくおそろしき権力はゆくてをふさぎするどき刃はたえず頭上にひらめけどもあらしの如く泉のごとく石をおしわけ春芽をふく草の力に似て彼岸を遠くたのみ且つ信じああわれら血を越えたゆまずゆくはらからに続きまたはらからを後に率いて――(『種蒔く人』一九二一年十月号に発表)。
労働祭歌(Ⅰ)松本淳三
5分以内
序曲メーデー!われわれはすでに広場に集合している幾千、万!黒い旗、赤い旗、するどい槍光り!われわれはすでに広場に集合している集合!確乎たる同僚精神彼方ほうはいたる都会をのぞんで決意!われわれはすでに広場に集合しているしかも、あとからあとから集まるああ、この偉大なる黒い群集今日を待っていたこの群集裂けたまなじり、鳴る肩瘤額に浮き上り輝く汗汗、汗、汗、汗この素敵な...
ガンジよ松本淳三
5分以内
捕らわれた、君よガンジよ苦しい心で、一途な心で祈る私の――見知らぬ私の心を素直に受けてくれるか私はいま空を抱きしめて祈っているのだ地に跪いて祈っているのだ魂からなる、涙でもって祈っているのだ生きんとするもの飛ばんとするものそうした者の道はいつでも暗い牢獄へつづいているとは知りながらおお、捕らわれた君よガンジよ私は苦しい一途な心で今宵君の「生命」をし...
君達に送る――新しい民衆の精神百田宗治
5分以内
いま僕は君達に書く、最も新しい名で君達をよび、僕のあらゆる精神をこめて。
五月祭の朝百田宗治
5分以内
今日は五月一日だ、五月祭の朝だ、空はほがらかに晴れ、大気はおだやかな海のように澄んでいる、飛び散る一片の雲もない、――近くの小学校で生徒達の唄う声がきこえる。
騒擾の上に百田宗治
5分以内
(見えない一人の指揮者が彼等の上を飛び越え、狂奔し、埃と騒擾と錯乱の上を飛躍する、一物も纏わない裸身、その肩をかざる鮮かな二つの翼、剣の鞘は開かれ彼は先頭に立って走る……)叫喚と怒号、暗黒の大津波があらゆる細微物から、広汎な大運動を通じていま、一切の群集を煽り、先立たせ、狂奔せしめる、肩から肩、手から手、心魂から心魂へ、見えざる旋風が一切の熱狂を高く捲き上げる……。
地を掘る人達に百田宗治
5分以内
地を掘る君等重い大きい鶴嘴を地面のなかに打込む君等、汗する君等、満身の力を一本の鶴嘴に籠める君等、おお君等の足下に何と地面が掘り下げられてゆくよ。
夕暮の別荘地に歩み入る兵士たち百田宗治
5分以内
喇叭(らっぱ)の音、疲弊した魂からしぼりだす最後の勇気のようないま夕暮れの空に反響を呼んで響きわたる喇叭!おお汗みずくの兵士、夏の夕暮の湿やかな大気に充ちた郊外の別荘地にいま歩み入ってくる一隊、重い背嚢、きらめく銃剣――埃まみれの靴、一日の演習に疲れてへとへとになって帰ってくる是等の人々、空腹――眩暈(めまい)、いま靴の音も不揃いにふりあげる喊声……水撒かれた小径、...
労働の精神百田宗治
5分以内
工場の隅でぐったりしている人よ、君は疲れているか、君の腕は最早力を失ったか、君の息は苦しそうだ。
露西亜よ汝は飛ぶ百田宗治
5分以内
露西亜は地上のあらゆるものを乗越えて飛ぶ。
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