ブンゴウサーチ

鉄のシャフト

野村吉哉

『鉄のシャフト』は青空文庫で公開されている野村吉哉の短編作品。355文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数
5分以内
355文字
人気
270PV
書出

ゴシゴシゴシキイキイゴシゴシ…… 俺の役目はでっかい鉄のシャフトを磨くのだ まっ赤に染まったどろどろの手袋の中で 感覚を失ってしまっている俺の手は 俺の全生命をこめて鉄のシャフトを磨くのだ ――捨値で買ったボロボロに腐りかけた幾万本の鉄のシャフトは 磨いて塗って幾十倍に売りつけられるのだ コンミッションの力で 新品としてスラスラ通って行くのだ 買うのは誰だ――やっぱり俺達だった 売った生命の代価

初出
底本日本プロレタリア文学集・38 プロレタリア詩集(一)
表記
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