ブンゴウサーチ

騒擾の上に

百田宗治

『騒擾の上に』は青空文庫で公開されている百田宗治の短編作品。962文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数
5分以内
962文字
人気
0PV
書出

(見えない一人の指揮者が彼等の上を飛び越え、狂奔し、埃と騒擾と錯乱の上を飛躍する、一物も纏わない裸身、その肩をかざる鮮かな二つの翼、剣の鞘は開かれ彼は先頭に立って走る……)叫喚と怒号、暗黒の大津波があらゆる細微物から、広汎な大運動を通じていま、一切の群集を煽り、先立たせ、狂奔せしめる、肩から肩、手から手、心魂から心魂へ、見えざる旋風が一切の熱狂を高く捲き上げる……。

初出「表現」1921(大正10)年10月号
底本日本プロレタリア文学集・38 プロレタリア詩集(一)
表記
新字新仮名
※「人気」は青空文庫の過去10年分のアクセスランキングを集計した累計アクセス数から算出しています。