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5分以内で読める桜間中庸の短編作品

青空文庫で公開されている桜間中庸の作品の中で、おおよその読了目安時間が「5分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。

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作品名著者読了時間人気
〔女は ライラツクのにほひを好むと〕桜間中庸
5分以内
女はライラツクのにほひを好むとストローはメロンソーダ水を吸ひあげる私は女のにほひを吸ひあげる。
〔鏡に顎をつき出して〕桜間中庸
5分以内
鏡に顎をつき出してぱんぱんぱんぱん浴槽にひとり浸つて女湯からひゞいてくる脊流の音を聞いてゐる。
〔金魚は青空を食べてふくらみ〕桜間中庸
5分以内
金魚は青空を食べてふくらみ鉢の中で動かなくなる鳩だか鉢のガラスにうすい影を走らせる來たのは花辨か白い雲の斷片。
〔花園から月かげが〕桜間中庸
5分以内
花園から月かげが帷をほのかな紫にけぶらせてマダムの室を訪れるとき絢爛な裝釘を衣た私の詩集はその腕の中で指輪の役をするだらう詩集から私は生れ出る花園を月影にくたくたにぬれながらタキシードの詩人はマダムの幻想にそつと近づく詩集は私が生んだもの私は詩集から生れる。
〔ペーブメントからアスフアルトへ〕桜間中庸
5分以内
ペーブメントからアスフアルトへアスフアルトからペーブメントへ風が新聞紙を運ぶのか新聞紙が風を運ぶのか風と新聞紙はほいと柳の若い葉の下をぬけてお堀にすべりこんだ。
散髪屋の夜桜間中庸
5分以内
さんぱつやの窓の月はくさい髮のにほひがするみゝずが細々と泪の音をたてゝゐるそんなに月がかなしいのかい痩せきつた俺のからだに夏が夏がしんみりと重たい。
石碑桜間中庸
5分以内
あをい木あをい草思ひ出をひめて石碑は靜もりて立てりかなしみもよろこびもみなながらふくめて石碑はさびれて立てりたそがるれば思ひ出はわがむねにかへり石碑は夕日に更生れり。
天体現象桜間中庸
5分以内
月に迫る金星――月に迫る金星――瞬間――雲はカーテンをおろす――あゝ――雲はカーテンをひく――金星は月をはなれてゐる――金星は月をはなれてゐる――。
赤穂御崎詠草集桜間中庸
5分以内
――カムバスを立つ――岳の上はひたに靜もり妹は合歡の木の下にカムバスを立つ妹は默して立てりひたすらに海を描かむ心一つに帆の形面白しなど語らひつ雜草の丘にデツサンをする――貨物船――やゝ沖に貨物船はとまりたりデツキを動く人の氣配す貨物船の投錨の音たかだかと朝の海にひろごりわたる蟲にたかる蟻の如くに船をめぐり塩運ぶ船集りてきぬ凪なれど海に寫らず貨物船の朱の船腹はなかばあせたり――潮光園な...
城山城趾にて桜間中庸
5分以内
頬にしぶく氷雨忘れて一時を敗軍の士の心しのびぬかなしさは落城のあと冬たけて御所ヶ丸山さびしくそびゆ武士の魂とむらふや音たてゝ枯草山にひたしぶくあめとけ殘る雪まだらなる谷あひに炭燒く煙低く流れぬ。
冬の逗子桜間中庸
5分以内
わびしさのつもれば獨り訪ね來て悲しき海の冬を聞くなり水面擦り飛ぶおほ鳥の眞白なる翼に疲れ見えて哀しもうら枯れし濱晝顏のながながと此處別莊の裏につゞけり半島の岩に碎くる波見えて浪子不動に日は暮れなずむ不動堂の折鶴の色あせゆきて冬に入るなりこゝ逗子の濱手向けたる菊も懷かし不動堂やさしき主の住まひ給へば折鶴の吊られたるまゝ色あせし不動の冬の夕べは哀しマリやマリ汝(なれ)知るやこの不動尊汝の瞳清らかなるよ...
桜間中庸
5分以内
賣店の女の顏の明るさはアスフアルト敷くこの街の顏行ずりに見し外人の瞳かも土曜の夕のそゞろ歩きに客を呼ぶ馬車屋の笛のあわれさや逗子驛頭の冬のたそがれたたき賣るバナナ屋の聲寒寒と宵のしゞまを破りて流る。
わがあけくれのうた桜間中庸
5分以内
寢がへりを打てばかなしもザラザラと腦のくづるゝうつろなる音日毎夜毎吾が悲しみの多くなる如く思ひて今日も亦寢る思へども思へども心まとまらず濱に出て來て身を横ふる葉山ゆく馬車高々と過ぎゆきしアスフアルトの上に秋日やわらか濱に出て砂にまろべば砂もまた吾をいたむかじつと默せり棄てられし子犬の聲の細まるを聞きてゐたりきかなしき心砂にねて海を聞きつゝ封切りぬ亂れし文字は友も惱むかあまた蟹穴あけたるを一つ一つ埋めて行きぬ...
アカシヤと桑桜間中庸
5分以内
かそかなる音して落つるアカシヤの花の香をひとりたのしむ幼子が拾ひあつめて手に持てるアカシヤの花に夕日させるも集ひきて桑の實とると見上げ居る子等の面わに夕日照りそふ。
城山のことなど桜間中庸
5分以内
城山は冬がいゝ。
逗子桜間中庸
5分以内
濱に出て砂にころべは夕さりて町に歸ればしみじみと、思ひ出ぬるふるさとのこと。
短索桜間中庸
5分以内
生を享けた喜びを感じなければならない。
東京桜間中庸
5分以内
鈴かけの街路樹。
冬至桜間中庸
5分以内
あをいタイルの浴槽にひたつてゐる。
桜間中庸
5分以内
獏――私はたまらなくこの字が好きでありこの音が好きである。
墓地桜間中庸
5分以内
郷里につくと、その日の中にか翌日の朝かには、きつと、家の墓地に鎌と笹掃木を手にして出かける。
窓を開く桜間中庸
5分以内
これが十二月の空であらうか。
桜間中庸
5分以内
美しい夢を見た。
リズム(詩の)に就いての再考察桜間中庸
5分以内
永い間「影のリズム」といふ言葉を私は獨り考へて來た。
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