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冬の逗子

桜間中庸

『冬の逗子』は青空文庫で公開されている桜間中庸の短編作品。352文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数
5分以内
352文字
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書出

わびしさのつもれば獨り訪ね來て悲しき海の冬を聞くなり 水面擦り飛ぶおほ鳥の眞白なる翼に疲れ見えて哀しも うら枯れし濱晝顏のながながと此處別莊の裏につゞけり 半島の岩に碎くる波見えて浪子不動に日は暮れなずむ 不動堂の折鶴の色あせゆきて冬に入るなりこゝ逗子の濱 手向けたる菊も懷かし不動堂やさしき主の住まひ給へば 折鶴の吊られたるまゝ色あせし不動の冬の夕べは哀し マリやマリ汝知るやこの不動

初出
底本日光浴室 櫻間中庸遺稿集
表記
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