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赤穂御崎詠草集

桜間中庸

『赤穂御崎詠草集』は青空文庫で公開されている桜間中庸の短編作品。523文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数
5分以内
523文字
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書出

――カムバスを立つ―― 岳の上はひたに靜もり妹は合歡の木の下にカムバスを立つ 妹は默して立てりひたすらに海を描かむ心一つに 帆の形面白しなど語らひつ雜草の丘にデツサンをする ――貨物船―― やゝ沖に貨物船はとまりたりデツキを動く人の氣配す 貨物船の投錨の音たかだかと朝の海にひろごりわたる 蟲にたかる蟻の如くに船をめぐり塩運ぶ船集りてきぬ 凪なれど海に寫らず貨物船の朱の船腹はなかばあ

初出
底本日光浴室 櫻間中庸遺稿集
表記
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