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牧野信一の全作品

青空文庫で公開されている牧野信一の全作品を、おすすめ人気順で表示しています。

1-50件 / 全307件
作品名著者読了時間人気
ゼーロン牧野信一
60分以内
更に私は新しい原始生活に向うために、一切の書籍、家具、負債その他の整理を終ったが、最後に、売却することの能わぬ一個のブロンズ製の胸像の始末に迷った。
鬼涙村牧野信一
60分以内
鵙(もず)の声が鋭くけたたましい。
痴日牧野信一
60分以内
頭の惡いときには、むしろ極めて難解な文字ばかりが羅列された古典的な哲學書の上に眼を曝すに如くはない――隱岐はいつも左う胸一杯に力んで、決して自分の部屋から外へ現れなかつた。
余話牧野信一
10分以内
厳格らしい母だつた。
「風博士」牧野信一
5分以内
厭世の偏奇境から発酵したとてつもないおしやべり(アストラカン)です、これを読んで憤らうつたつて憤れる筈もありますまいし、笑ふには少々馬鹿/\し過ぎて、さて何としたものかと首をかしげさせられながら、だんだん読んで行くと重たい笑素に襲はれます。
吊籠と月光と牧野信一
60分以内
僕は、哲学と芸術の分岐点に衝突して自由を欠いた頭を持てあました。
熱海線私語牧野信一
60分以内
一九三四年、秋――伊豆、丹那トンネルが開通して、それまでの「熱海線」といふ名称が抹殺された。
鱗雲牧野信一
60分以内
百足凧――これは私達の幼時には毎年見物させられた珍らしくもなかつた凧である。
創作生活にて牧野信一
60分以内
窓下の溝川に蛙を釣に来る子供たちが、「今日は目マルは居ねえのか。
父を売る子牧野信一
30分以内
彼は、自分の父親を取りいれた短篇小説を続けて二つ書いた。
村のストア派牧野信一
60分以内
沢山な落葉が浮んでゐる泉水の傍で樽野は、籐椅子に凭つて日向ぼつこをしてゐた。
センチメンタル・ドライヴ牧野信一
30分以内
「弾け!弾け!その手風琴で沢山だ。
バラルダ物語牧野信一
60分以内
俺は見た痛手を負へる一頭の野鹿がオリオーンの槍に追はれて薄明の山頂を走れるを――あゝされど古人の嘆きのまゝに影の猟人なり影の野獣なり日照りつゞきで小川の水嵩が――その夕暮時に、この二三日来の水車の空回りを憂へたあまり、蝋燭のやうにめつきりと耄碌してしまつた私と此の水車小屋の主人であるところの雪太郎と、ふるへる腕を堪えて水底深く水深計を立てゝ見ると、朝に比べて更に五寸強の減水であつた。
熱い砂の上牧野信一
10分以内
駆け出した、とても歩いたりしてはをられなかつたから――砂が猛々しく焦けてゐて誰にも到底素足では踏み堪へられなかつた。
駆ける朝牧野信一
30分以内
「苦労」は後から後から、いくらでもおし寄せてくる。
街上スケツチ牧野信一
5分以内
明るいうちは風があつたが、陽が落ちると一処に綺麗に凪いで、街は夢のやうにうつとりとした。
くもり日つゞき牧野信一
30分以内
歌合せ外に出るのは誰も具合が悪かつた。
交遊秘話牧野信一
10分以内
私が、G・L・マイアム氏から私の作品に寄せる最も好意ある手紙を貰つたのは昨年の冬の頃だつた。
出発牧野信一
30分以内
(A)「風よ風よ、吾を汝が立琴となせ、彼の森の如く――か、ハツハツハ……琴にならぬうちに、おさらばだよ、森よ森よ、さよなら――と!」「真面目かと思へば冗談で、冗談かと思へば生真面目で、転がせ/\、この樽を――だ、ハツハツハツ……」「泣いて呉れるなヨ、出船の邪魔だヨ……」「今日は黒パン、明日は白パン、兵士の歌だよ、白い娘と黒いパン、黒い娘と白いパン、どんどん行け行け鉄砲かついで――」私はテントの袋を肩につけて、何かしら不安な思ひにでも打たれてゐる...
黄昏の堤牧野信一
30分以内
小樽は、読みかけてゐるギリシヤ悲劇の中途で幾つかの語学に就いての知識を借りなければならないことになつて、急に支度を整へて出かけた。
断唱牧野信一
10分以内
*父が若い時にあつめた“Cook book”の文庫のうちに“American's popular Cook book”といふ、表紙にブルクリン橋の写真のついた、大きい本で重くて気の毒だが、画布のやうな布で作られてゐる本があるから、此処に寄る時にそれを持つて来て呉れないかといふことを私は、弟に言伝てた。
東京駅にて感想牧野信一
10分以内
久しい間辺卑な田舎で暮した上句なので、斯うして東京に来て見ると僕は、何を見ても、何処を訪れても、面白く、刺戟が爽かで、愉快で/\、毎日々々天気さへ好ければピヨン/\と出歩いて寧日なき楽天家だ、金貨だつて?そいつはまあ無い日の方が多いけれど、無ければ無いで公園を散歩する、スポーツを見物する、友達のところからオートバイを借りて来て矢鱈に街中を駆け廻つて、気分を晴し、同時に見聞を広める……。
波の戯れ牧野信一
10分以内
春、二三日のこと春だつた――といふだけのことである。
馬上の春牧野信一
10分以内
上私たちが、その村に住んでゐたころ――では、今年の正月は、いつものやうに朝から晩まで酒を飲んでは議論をしたり喧嘩をしたりしてゐても止め度がないから、「今年はひとつ――」と、私達の伊達好みの戯談好きの村長が提言しました。
寄生木と縄梯子牧野信一
10分以内
「ヤドリ木――知つてゐますか?」「……知らんのう、実物を見たら、あゝ、これか――と思ふかも知んないが……ヤドリ木?聞いたこともない。
山を降る一隊牧野信一
5分以内
「メートル係り。
鎧の挿話牧野信一
5分以内
五人力と称ばれてゐる無頼漢の大川九郎が今日はまた大酒を呑んで、店で暴れてゐる――と悲しさうな顔で居酒屋の娘が、私の家に逃げて来た夕暮時に、恰度私の家では土用干の品々を片附けてゐたところで、そして私は戯れに鎧を着、鉄の兜を被つて、ふざけてゐたところだつた。
ガール・シヤイ挿話牧野信一
10分以内
僕(理科大学生)は、さつき玄関でチラリと娘の姿を見たばかりで一途にカーツと全身の血潮が逆上してしまつて(註、ガール・シヤイを翻訳すれば、美しい女を見ると無性に気恥かしくなつて口が聞けなくなる病――とでも云ふべきであらう。
サンニー・サイド・ハウス牧野信一
30分以内
………………火をいれた誘蛾灯が机の上に置いてあります。
ビルヂングと月牧野信一
10分以内
酒が宴の途中で切れると、登山嚢を背にして、馬を借りだし、峠を越えて村の宿場まで赴かなければならない。
ピエル・フオン訪問記牧野信一
10分以内
R村のピエル・フオンの城主を夏の間に訪問する約束だつたが、貧しい生活にのみ囚はれてゐる私は、決してそれだけの余暇を見出す事が出来ずにゐる間に、世は晩秋の薄ら寂しい候であつた。
ファティアの花鬘牧野信一
10分以内
私は卓子の上に飛びあがると、コップを持つた腕を勢ひ好く振りあげた――酒は天井にはねあがつた。
ブロンズまで牧野信一
30分以内
追跡の話Dと村長がR子のことで月夜の晩に川べりの茶屋で格闘を演じた。
ランプの便り牧野信一
30分以内
「おや/\、もうランプを点ける頃なの、何とまあ日が短いことだらうね。
鸚鵡のゐる部屋牧野信一
30分以内
フロラが飼つてゐる鸚鵡は、好く人に慣れてゐて籠から出してやると、あちこちの部屋をヨタヨタと散歩したり、階段を滑稽な脚どりで昇り降りしたりするが、「お早う」も、「今日は――」も知らなかつた。
階段牧野信一
30分以内
川瀬美奈子――。
海路牧野信一
30分以内
「登志さん、果物でも持つて行つたらどうなの、雑誌ばかり読んでゐないで……」ナイフや皿の用意をととのへながら、母は登志子を促した。
川を遡りて牧野信一
30分以内
私たちは、その村で一軒の農家を借りうけ、そして裏山の櫟林の中腹にテントを張り、どちらが母屋であるか差別のつかぬ如き出放題な原始生活を送つてゐた。
疑惑の城牧野信一
10分以内
――嘘をつくな、試みに君の手鏡を執りあげて見給へ、君の容色は日増に蒼ざめてゆくではないか、吾等は宇宙の真理のために、そしてまた君が若し芸術に志すならば、芸術のために蒼ざめるべきではないか――。
繰舟で往く家牧野信一
30分以内
春来頻リニ到ル宋家の東袖ヲ垂レ懐ヲ開キテ好風ヲ待ツ艪を漕ぐのには川底が浅すぎる、棹をさすのには流れが速すぎる――そのやうな川を渡るために、岸から岸へ綱を引き、乗手は綱を手繰つて舟をすすめる、これを繰舟の渡しと称ふ。
好色夢牧野信一
30分以内
回想父の十三回忌が一昨年と思はれ、たしかその歿後の翌年と回想される故指折れば早くも十星霜にあまる時が経ちしなり、故葛西善蔵氏が切りと余に力作をすゝめ、稿終るや氏は未読のまゝに故滝田哲太郎氏へおくられたるなり。
凩日記牧野信一
30分以内
*心象の飛躍を索め、生活の変貌を翹望する――斯ういふ意味のことは口にしたり記述されたりする場合に接すると多く無稽感を誘はれるものだが、真実に人の胸底に巣喰ふ左様な憧憬や苦悶は最も原始的に多彩な強烈さを持つて蟠居する渦巻であらう。
山峡の村にて牧野信一
30分以内
その村は、東京から三時間もかゝらぬ遠さであり、私が長い間住なれたところであつたが私は最早まる一年も帰らなかつた。
祝福された星の歌牧野信一
30分以内
麓の村から五哩あまり、馬の背で踏み入る森林地帯の山奥――苔むした岩々の間を、隠花植物の影を浮べて、さんさんと流れる谿川のほとりに営まれた伐木工場の丸木小屋の事務所に、その頃私はアメリカ生れのフロラと共に働いてゐました。
心象風景牧野信一
60分以内
槌で打たなければ、切り崩せない堅さの土塊であつた。
素書牧野信一
60分以内
「マダムの御気嫌はどう?今日は?」山崎の顔を見るなり私は、部屋の入口に突立つたまゝ凝つと、訊ねた。
滝のある村牧野信一
30分以内
僕はね、親父たちが何といつたつて、キエ、お前と、結婚するよ……。
痴酔記牧野信一
30分以内
千九百三十年、クリスマスにちかき頃――。
塚越の話牧野信一
30分以内
「塚越の奴は、――教室でラヴ・レターを書いてゐたさうだ――。
月あかり牧野信一
60分以内
このごろ私は、ときどき音取かくからの手紙(代筆)を貰ふので、はぢめてその音取といふ苗字を知つた次第でありますが、それまではその人の姓名は怒山かく――かとばかりおもふて居りました。
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