30分以内で読める牧野信一の短編作品
青空文庫で公開されている牧野信一の作品の中で、おおよその読了目安時間が「30分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
1-50件 / 全87件
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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父を売る子 | 牧野信一 | 30分以内 | |
彼は、自分の父親を取りいれた短篇小説を続けて二つ書いた。 | |||
センチメンタル・ドライヴ | 牧野信一 | 30分以内 | |
「弾け!弾け!その手風琴で沢山だ。 | |||
駆ける朝 | 牧野信一 | 30分以内 | |
「苦労」は後から後から、いくらでもおし寄せてくる。 | |||
くもり日つゞき | 牧野信一 | 30分以内 | |
歌合せ外に出るのは誰も具合が悪かつた。 | |||
出発 | 牧野信一 | 30分以内 | |
(A)「風よ風よ、吾を汝が立琴となせ、彼の森の如く――か、ハツハツハ……琴にならぬうちに、おさらばだよ、森よ森よ、さよなら――と!」「真面目かと思へば冗談で、冗談かと思へば生真面目で、転がせ/\、この樽を――だ、ハツハツハツ……」「泣いて呉れるなヨ、出船の邪魔だヨ……」「今日は黒パン、明日は白パン、兵士の歌だよ、白い娘と黒いパン、黒い娘と白いパン、どんどん行け行け鉄砲かついで――」私はテントの袋を肩につけて、何かしら不安な思ひにでも打たれてゐる... | |||
黄昏の堤 | 牧野信一 | 30分以内 | |
小樽は、読みかけてゐるギリシヤ悲劇の中途で幾つかの語学に就いての知識を借りなければならないことになつて、急に支度を整へて出かけた。 | |||
サンニー・サイド・ハウス | 牧野信一 | 30分以内 | |
………………火をいれた誘蛾灯が机の上に置いてあります。 | |||
ブロンズまで | 牧野信一 | 30分以内 | |
追跡の話Dと村長がR子のことで月夜の晩に川べりの茶屋で格闘を演じた。 | |||
ランプの便り | 牧野信一 | 30分以内 | |
「おや/\、もうランプを点ける頃なの、何とまあ日が短いことだらうね。 | |||
鸚鵡のゐる部屋 | 牧野信一 | 30分以内 | |
フロラが飼つてゐる鸚鵡は、好く人に慣れてゐて籠から出してやると、あちこちの部屋をヨタヨタと散歩したり、階段を滑稽な脚どりで昇り降りしたりするが、「お早う」も、「今日は――」も知らなかつた。 | |||
階段 | 牧野信一 | 30分以内 | |
川瀬美奈子――。 | |||
海路 | 牧野信一 | 30分以内 | |
「登志さん、果物でも持つて行つたらどうなの、雑誌ばかり読んでゐないで……」ナイフや皿の用意をととのへながら、母は登志子を促した。 | |||
川を遡りて | 牧野信一 | 30分以内 | |
私たちは、その村で一軒の農家を借りうけ、そして裏山の櫟林の中腹にテントを張り、どちらが母屋であるか差別のつかぬ如き出放題な原始生活を送つてゐた。 | |||
繰舟で往く家 | 牧野信一 | 30分以内 | |
春来頻リニ到ル宋家の東袖ヲ垂レ懐ヲ開キテ好風ヲ待ツ艪を漕ぐのには川底が浅すぎる、棹をさすのには流れが速すぎる――そのやうな川を渡るために、岸から岸へ綱を引き、乗手は綱を手繰つて舟をすすめる、これを繰舟の渡しと称ふ。 | |||
好色夢 | 牧野信一 | 30分以内 | |
回想父の十三回忌が一昨年と思はれ、たしかその歿後の翌年と回想される故指折れば早くも十星霜にあまる時が経ちしなり、故葛西善蔵氏が切りと余に力作をすゝめ、稿終るや氏は未読のまゝに故滝田哲太郎氏へおくられたるなり。 | |||
凩日記 | 牧野信一 | 30分以内 | |
*心象の飛躍を索め、生活の変貌を翹望する――斯ういふ意味のことは口にしたり記述されたりする場合に接すると多く無稽感を誘はれるものだが、真実に人の胸底に巣喰ふ左様な憧憬や苦悶は最も原始的に多彩な強烈さを持つて蟠居する渦巻であらう。 | |||
山峡の村にて | 牧野信一 | 30分以内 | |
その村は、東京から三時間もかゝらぬ遠さであり、私が長い間住なれたところであつたが私は最早まる一年も帰らなかつた。 | |||
祝福された星の歌 | 牧野信一 | 30分以内 | |
麓の村から五哩あまり、馬の背で踏み入る森林地帯の山奥――苔むした岩々の間を、隠花植物の影を浮べて、さんさんと流れる谿川のほとりに営まれた伐木工場の丸木小屋の事務所に、その頃私はアメリカ生れのフロラと共に働いてゐました。 | |||
滝のある村 | 牧野信一 | 30分以内 | |
僕はね、親父たちが何といつたつて、キエ、お前と、結婚するよ……。 | |||
痴酔記 | 牧野信一 | 30分以内 | |
千九百三十年、クリスマスにちかき頃――。 | |||
塚越の話 | 牧野信一 | 30分以内 | |
「塚越の奴は、――教室でラヴ・レターを書いてゐたさうだ――。 | |||
肉桂樹 | 牧野信一 | 30分以内 | |
枳殻の生垣に、烏瓜の赤い実が鮮やかであつた。 | |||
馬車の歌 | 牧野信一 | 30分以内 | |
佗しい村住ひの僕等が、ある日、隣り町の食糧品店に急用が出来て、半日がかりで様々な切端詰つた用事を済せた後に、漸く村を指して引きあげることになつた夕暮時の途すがらであつた。 | |||
冬物語 | 牧野信一 | 30分以内 | |
その田舎の、K家といふ閑静な屋敷を訪れて、私は四五年振りでそこの古風な庭を眺めることを沁々と期待してゐたが、折悪しく激しい旋風がこゝを先途と吹きまくつて止め度もなく、遥かの野面から砲煙のやうに襲来する竜巻の津波で目もあけられぬ有様だつた。 | |||
幽霊の出る宮殿 | 牧野信一 | 30分以内 | |
わたしはこの四五年来、少くとも一年のうちに二回以上は、全く天涯の孤独者であるかのやうな、そして深い寧ろ憂ひに閉ぢこめられたやうな姿で独り、登山袋に杖を突いて、遠方の景色にばかり見惚れてゐるかのやうな眼を挙げながら、すたすたとその山峡の村へ赴くのが慣ひである。 | |||
サロメと体操 | 牧野信一 | 30分以内 | |
学生であつた私は春の休暇で故郷の町に帰つてゐたが、うちでは勉強が出来ないと称して二三駅離れた海辺の村へ逃れてたつた独りで暮してゐた。 | |||
パンアテナイア祭の夢 | 牧野信一 | 30分以内 | |
堤の白明野菜を積んだ馬車を駆つて、朝毎に遠い町の市場へ通ふのが若者の仕事だつた。 | |||
ベツコウ蜂 | 牧野信一 | 30分以内 | |
ひとりのスパルタの旅人が述べてゐた。 | |||
鵞鳥の家 | 牧野信一 | 30分以内 | |
(満里子の手帳から――)冬のお休みになつたら今年もまた兄さん達といつしよに赤倉のスキーへ行くことを、あんなに楽しみにしてゐたのに、いざとなつたら母さんが何うしてもあたしだけを許して下さらないのだ。 | |||
奇友往来 | 牧野信一 | 30分以内 | |
いつも私はひとりで、教室の一番うしろの席について、うつらうつらと窓の外を眺めてゐる文科の学生であつたが、毎時間毎時間そんな風にして居眠りをしたり、屋根を見あげたりしてゐるうちに、恰度私の窓と真向ひにあたる政治部の教室で、やはり私と同じやうにぼんやりとして此方の窓を眺めたり、空を見あげたりしてゐる眼の据つた何処となく鷲を想像させるかのやうな精悍な容貌の学生と顔なじみになつてしまつた。 | |||
木枯の吹くころ | 牧野信一 | 30分以内 | |
そとは光りに洗はれた月夜である。 | |||
女優 | 牧野信一 | 30分以内 | |
文科大学生の戸田の神経衰弱症が日増に亢進してゐる模様だつたので、私は彼を百合子に紹介した。 | |||
泉岳寺附近 | 牧野信一 | 30分以内 | |
泉岳寺前の居酒屋の隅で私が、こつぷ酒を睨めながら瞑想に耽つてゐると、奥で亭主と守吉の激しい口論であつた。 | |||
日本橋 | 牧野信一 | 30分以内 | |
(第一日)快晴――私は八時に起床して、いでたちをとゝのへ、首途の乾杯を挙げ、靴を光らせ、そして妻の腕を執り、口笛の、お江戸日本橋――の吹奏に歩調を合せながら、この武者修業のテープを切つた。 | |||
風媒結婚 | 牧野信一 | 30分以内 | |
或る理学士のノートから――この望遠鏡製作所に勤めて、もう半年あまり経ち、飽性である僕の性質を知つてゐる友人連は、あいつにしては珍らしい、あの朝寝坊がきちん/\と朝は七時に起き、夕方までの勤めを怠りなくはたして益々愉快さうである、加けに勤めを口実にして俺達飲仲間からはすつかり遠ざかつて、まるで孤独の生活を繰返してゐるが、好くもあんなに辛抱が出来たものだ――などゝ不思議がり、若しかすると、あいつ秘かに恋人でも出来て結婚の準備でもしてゐるのかも知れない――そんな噂も... | |||
風流旅行 | 牧野信一 | 30分以内 | |
一ヶ月あまりは、またそれで旅に暮しても十分とおもつてゐたのに、私は迂闊にも自分が再び相当の飲酒者に立ち戻つてゐたのを忘れてゐた為に、二三ヶ所をわたり歩いて未だ二週間も経たぬ間に、もう国元へ電報を打たなければならぬ状態だつた。 | |||
街角 | 牧野信一 | 30分以内 | |
郊外に間借りをしてゐた森野が或る夕方ステツキをグル/\回しながら散歩してゐると、停車場のちかくで、ひとりの美しい婦人に呼びかけられた。 | |||
真夏の朝のひとゝき | 牧野信一 | 30分以内 | |
芝区で、二本榎の谷間に部屋を借りてゐた。 | |||
夜見の巻 | 牧野信一 | 30分以内 | |
私は夏の中頃から、鬼涙村の宇土酒造所に客となつて膜翅類の採集に耽つてゐた。 | |||
夜の奇蹟 | 牧野信一 | 30分以内 | |
海辺の連中は雨が降ると皆な池部の家に集まるのが慣ひだつた。 | |||
タンタレスの春 | 牧野信一 | 30分以内 | |
その頃ナンシーは、土曜から日曜にかけて毎週きまつて私を横浜から訪れて、私に従つて日本語を習ふのだと称してゐた。 | |||
ラガド大学参観記 | 牧野信一 | 30分以内 | |
往来で騒いでゐる声が何うも自分を呼んでゐるらしく思はれるので私は、ペンを擱いて、手の平を耳の後ろに翳した。 | |||
昔の歌留多 | 牧野信一 | 30分以内 | |
三月もかゝると云はれてゐる病院へ滝は、毎日、日暮時に通つてゐた。 | |||
舞踏会余話 | 牧野信一 | 30分以内 | |
川の向ひ側の山裾の芝原では、恰度山の神様の祭りの野宴がはじまるところでした。 | |||
冬の風鈴 | 牧野信一 | 30分以内 | |
三月六日前日中に脱稿してしまはうと思つてゐた筈の小説が、おそらく五分の一もまとまつてはゐなかつた。 | |||
陽に酔つた風景 | 牧野信一 | 30分以内 | |
鶴子からの手紙だつたので彼は、勇んでY村行の軽便鉄道に乗つた。 | |||
晩春の健康 | 牧野信一 | 30分以内 | |
羽根蒲団の上に寝ころんでゐるやうだ――などゝ私は思つた位でした。 | |||
渚 | 牧野信一 | 30分以内 | |
「まア随分暫らくでしたね。 | |||
競馬の日 | 牧野信一 | 30分以内 | |
眠つても眠つても眠り足りないやうな果しもなくぼんやりした頭を醒すために私は、屡々いろいろな手段を講じる。 | |||
極夜の記 | 牧野信一 | 30分以内 | |
静かな、初秋の夜である。 |
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