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出発

牧野信一

『出発』は青空文庫で公開されている牧野信一の短編作品。4,114文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。
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30分以内
4,114文字
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書出

(A)「風よ風よ、吾を汝が立琴となせ、彼の森の如く――か、ハツハツハ……琴にならぬうちに、おさらばだよ、森よ森よ、さよなら――と!」「真面目かと思へば冗談で、冗談かと思へば生真面目で、転がせ/\、この樽を――だ、ハツハツハツ……」「泣いて呉れるなヨ、出船の邪魔だヨ……」「今日は黒パン、明日は白パン、兵士の歌だよ、白い娘と黒いパン、黒い娘と白いパン、どんどん行け行け鉄砲かついで――」私はテントの袋を肩につけて、何かしら不安な思ひにでも打たれてゐる...

初出(A)「文藝春秋(臨時増刊・オール讀物号)」文藝春秋社、1930(昭和5)年7月5日<br>(B)「報知新聞」報知新聞社、1930(昭和5)年3月27日
底本牧野信一全集第四巻
表記
新字旧仮名
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