青空文庫の全作品
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| 作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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| 土 | 今野大力 | 5分以内 | |
ギリシャ古典の趾せる物語りをも 空理としてさげすむ勿れ 吾等生命は土深く埋もれし精霊なりき 神によりてつくられし形態をこそ讃美せる 女人像の豊満なる肉体美をこそ讃美せよ 曲線美なだらかに走れるあたりを讃美せよ 而して土への感謝祭を 土 そは 生命偶像の聖母なりし | |||
| 楽しい会合 | 今野大力 | 5分以内 | |
叔母に伯父 山の人々 尋ね来て 語り合う久方の話 さても又十年前の物語 内地のこと その山その川その家すべて 今ならば夢か知らね 柿の木も桑の木も 背戸の林も表の山も 美しい思い出の国 母もまた我を背負いて 渡り来し松前のなぞえの山を おぼろげに おもい出でしか 語り明す夜はうれしも | |||
| 高峯の頌 | 今野大力 | 5分以内 | |
荒蕪の平原に野を耕し 草を食み、木の実を喰える 人類生存の現象は 高峯の麓にありて あまりにはかなき生命…… 盛夏白熱頂点に達せんとするも 未だに消ゆるなき 雪原の輝きは 天地創造の第一年より 永遠なり 人類生命、億劫に至るも 一切は幻滅に帰り 無し――一切無し 成体もこれ大地の化身なれば 霊魂も又瞬間にして 遺る何物もあらざるべし されど 高峯は歴史を超え 時代を超えて永遠…… | |||
| 静夜昇天 | 今野大力 | 5分以内 | |
柱時計のけだるきリズムに 眠たげなる洋燈の光りに 深々と沈みゆく我らが生 九時を聞き十時を聞き すべては眠りを欲りするの時 みな底の吐息は泡となり ほそぼそき昇天の心は 我生の魂と共にかいのぼりゆく | |||
| 聖堂の近くを過ぐる | 今野大力 | 5分以内 | |
ポプラの梢の空高く大空を指さして 厳かな聖き自然の力を表わす 幹はだの荒くれた並木の下に ヘブライ文化の主流である キリスト教の教会堂が建っている 私は毎日その近くを過ぎる そして神秘な古典の物語りを思い出し、ありし昔の日の幾多重ねた争闘の人間に与えし歴史を憶う…… 人間と言う極まりない霊魂の所有者はかくして永遠に 血を浴びて闘わねばならないか 宇宙の覆滅 人類の滅亡 ああその日まで どんな歴史を | |||
| 星座 | 今野大力 | 5分以内 | |
今宵夜はふけたり 闇夜の 天空高く 一陣の星座を見る こは天に懸かる我十字架なり この夜 魂は 単調なる鼓動に倦み 七重の塁壁を超えて至り そが前に静座し 礼讃し 祈祷す | |||
| 人面凝視 | 今野大力 | 5分以内 | |
ふとして眺むれば 彼処に笑めるは一人の不可解なる精霊の所有者である われは今その面を見つつ想う 唇…… おおそは紅の渕に囲われし底知れぬ沼である 鼻…… おおそはまろみあるエジプトのピラミットである 眼…… おおそはうるおい耀く黒曜石の玉を秘めし二つの湖水である 眉…… おおそは湖水をめぐりて小丘の上に繁れる林である おおなめらかに広き無毛の原を過ぎ行けば 彼方は千古の密林である。 | |||
| 新世紀への伴奏 | 今野大力 | 5分以内 | |
(1) 行け! 私達自然の教徒よ 高く高く燃え燃ゆる自然の精霊の上へ 人間の生命の魂を 燃えべくして燃えざりし炬火を 天日の情熱に投げこんで 紅蓮の焔を眺めつつ 歌え、歌え、輝かせよ (大地よ、ゆるぐべきものよ古哲の教授よ 何と皮相なよろこびなる 草ものびる、私も育つ ああ、生長への伴奏よ 葬送への奏楽ぞ) (2) 行け! 私達一切への戦士よ 異国のはるかにへだてし虹霓の先 | |||
| 信疑の魔女 | 今野大力 | 5分以内 | |
自分の室で 自分の演じていた舞台で 自分を取巻き 或は隙見し 或は踊っていた一人の魔女 「此世の一切は信疑の魔女の領分です 勿論人間は私の兵卒よ あなた 何を惑っているの? それより わたし自身のこの力を 讃美でもして下さいな で賢こい人間あなた」 | |||
| 残冬 | 今野大力 | 5分以内 | |
空はにごれる白亜の色 北国の――悩ましき擾乱 大地ははっちを閉じている ……… 地平の彼方――友等処女等 同じくなやめ同胞達 ……… 北極の襲い来れる、白鵞の万毛 風をよび、吹きなす、ひょうひょうの声 木をゆるぎ、屋根をはぐ ……… 狂暴の形態 天魔の降臨 | |||
| 夜のガスパール 抄 | アロイジウス・ベルトラン | 30分以内 | |
オンディーヌ 私を眠りへと誘なう美しい調べを聞いた それは誰かのささやきのようでもあった しかし、その歌はやさしく悲しい声に乱された シャルル・ブルニュ「ふたつの聖霊」より 聞いて、聞いて 私よ、オンディーヌよ やさしい月の光がさす窓を 月光に輝く飾り硝子を 夜露のようにそっとたたくのは私 私こそは 白絹のようなしぶきに身をつつみ 美しい星空を映した静かな湖を統べる 水の乙女 たち騒ぐ | |||
| 「白秋詩集」第二巻解題 | 北原白秋 | 5分以内 | |
一、本巻には処女詩集「邪宗門」、抒情小曲集「思ひ出」、及び少年期の長篇数種を収めた「朱泥の馬」、それに補遺の数篇とを輯める事にした。 | |||
| 思ひ出す牧野信一 | 中原中也 | 10分以内 | |
牧野信一が縊死した。 | |||
| 菊岡久利著「貧時交」 | 中原中也 | 5分以内 | |
私自身とは、詩に於けるたてまへも大分相違してゐるにも拘らず、私は此の詩集を、気持よく読んだことを告白しなければならない。 | |||
| 近時詩壇寸感 | 中原中也 | 5分以内 | |
詩論か何かさういつた風のものを書けと云はれるたびに、書くことはいくらでもあるやうな気持と、書くことは何にもないやうな気持に襲はれます。 | |||
| 宮沢賢治全集刊行に際して | 中原中也 | 5分以内 | |
宮沢賢治全集の、第一回配本が出ました。 | |||
| 芝、麻布 | 小山内薫 | 30分以内 | |
『あばよ、芝よ、金杉よ。 | |||
| 四谷、赤坂 | 宮島資夫 | 30分以内 | |
高力松 いかつい石垣が向い合って立っていた。 | |||
| 日本橋附近 | 田山花袋 | 60分以内 | |
一 日本橋附近は変ってしまったものだ。 | |||
| 感想 | 中原中也 | 5分以内 | |
地方の詩のグループも多いことだが、どういふものか、ずつと以前から大連と神戸にだけ面白いものが見られるのだつた。 | |||
| 草野心平詩集『母岩』 | 中原中也 | 5分以内 | |
草野心平君の第三詩集『母岩』が出た。 | |||
| 詩壇への願ひ | 中原中也 | 5分以内 | |
詩壇は今や、一と通りの準備をすませた。 | |||
| 雷門以北 | 久保田万太郎 | 60分以内 | |
広小路(一) ……浅草で、お前の、最も親愛な、最も馴染のふかいところはどこだときかれれば広小路の近所とこたえる外はない。 | |||
| 新古細句銀座通 | 岸田劉生 | 60分以内 | |
おもいで(一) 私は明治二十四年に銀座の二丁目十一番地、丁度今の服部時計店のところで生れて、鉄道馬車の鈴の音を聞きながら、青年時代までそこで育って来た。 | |||
| 果物の木の在所 | 津村信夫 | 10分以内 | |
信州の子供達や大人が首をながくして待つてゐた春は、永い間待つただけの甲斐があつて、これは又なんと美しい時でせう。 | |||
| 詩論 | 中原中也 | 5分以内 | |
L'art, mes enfents, d'※tre en soi-meme! Paul Verlaine 芸術とは、喩へば金鉱発掘の如きものだ。 | |||
| 近頃芸術の不振を論ず | 中原中也 | 10分以内 | |
近頃芸術が不振かどうか、それからして既に軽々と決めてかゝることは出来ない。 | |||
| トリスタン・コルビエールを紹介す | 中原中也 | 5分以内 | |
トリスタン・コルビエールが、甞て我が国に於いて紹介されたことがあつたかどうか、私は知らない。 | |||
| 第二真珠抄 | 北原白秋 | 5分以内 | |
ほのかなるもの ゆめはうつつにあらざりき、うつつはゆめよりなほいとし、まぼろしよりも甲斐なきはなし。 | |||
| 私の信条 | 小倉金之助 | 30分以内 | |
ご自分の仕事と世の中との繋りについて、どうお考えになっておられるか? この問につきましては、私の仕事と世の中との関連について、ただ現在の感想を述べますよりも、自分の成長過程において、その関連状態がどう発展してきたかを語った方が、当を得ているように考えられるのです。 | |||
| 私の信条 | 牧野富太郎 | 10分以内 | |
何んでもこうしようと思っている考えは大小となく軽重となくいずれも信条である、ですから、人々はたくさんな信条を持っているわけだ、それゆえ信条のない人はおそらく世の中に一人もあるまい。 | |||
| 朝起の人達 | 佐々木邦 | 30分以内 | |
医者に勧められて朝起を一月ばかり続けている中に疑問が起った。 | |||
| 或る別れ | 北尾亀男 | 10分以内 | |
父 娘 人妻 隣家の人々 主人、男の子、主人の老母 葬儀人夫甲乙 山の手の或る公園 大正大地震の翌春――花時には稀な晴れた日の午前。 | |||
| 暮春嘆息 | 三好達治 | 5分以内 | |
人が 詩人として生涯ををはるためには 君のやうに聰明に 清純に 純潔に生きなければならなかつた さうして君のやうに また 早く死ななければ! | |||
| 人魚 | 火野葦平 | 30分以内 | |
草の葉に巻かれた生ぐさい一通の手紙を、私はひらく。 | |||
| 茂吉の一面 | 宇野浩二 | 30分以内 | |
私は、これまで斎藤茂吉についてはいろいろ余り書きすぎたので、今、いくら鈍な頭をひねっても、どうしても書く事が浮かんでこない。 | |||
| 春水と三馬 | 桑木厳翼 | 30分以内 | |
斯様な標題を掲げたが、何もこんな陳腐な題目で柄にもない文学論を試みようとするのではない。 | |||
| 民族の感歎 | 折口信夫 | 5分以内 | |
斎藤さんの文学や、学問に理会のおそかったことが、私一代の後悔でもあり、遺憾でもある。 | |||
| 笛吹川の上流(東沢と西沢) | 木暮理太郎 | 30分以内 | |
笛吹川は秩父街道最奥の部落である広瀬附近から上流になると子酉川と呼ばれている。 | |||
| 釜沢行 | 木暮理太郎 | 30分以内 | |
都門の春はもう余程深くなった。 | |||
| 秋の鬼怒沼 | 木暮理太郎 | 60分以内 | |
日光の紅葉 大正九年十月十日。 | |||
| 針木峠の林道 | 木暮理太郎 | 5分以内 | |
針木峠は人も知る如く、明治九年に新道が開鑿され、数年の後にそれが再び破壊されてしまってからは、籠川の河原や雪渓を辿ることなしに峠を通過することは殆んど不可能であった。 | |||
| 春の大方山 | 木暮理太郎 | 30分以内 | |
南アルプスの二、三の山が東京から望まれることが確実となったので、外にも尚お、遠い大井川奥の空から煤煙の都東京をこっそり覗いている山が或は有るかも知れない。 | |||
| 八ヶ峰の断裂 | 木暮理太郎 | 10分以内 | |
八ヶ峰というのは、鹿島槍ヶ岳と五竜岳との間にある山稜の一大断裂に名付けられた称呼であって、峰とは呼ばれているが実は隆起した地点ではない。 | |||
| 一葉の日記 | 久保田万太郎 | 30分以内 | |
“ある女――斯の人は夫を持たず了ひで亡くなつたが、彼女の居ない後では焼捨てゝ呉れろと言ひ置いて、一生のことを書いた日記を遺して行つた。 | |||
| 文字に対する敏感 | 久保田万太郎 | 5分以内 | |
此頃の発句を作る人ほど、文字に対して敏感を欠いてゐるものも少なからう。 | |||
| 蕗の下の神様 | 宇野浩二 | 30分以内 | |
一 今は昔、もうずっとの昔のことですが、北海道にコロボックンクルという、妙な神様が住んでおられました。 | |||
| 秋場所から | 平野零児 | 5分以内 | |
仕事に忙しい尾崎士郎君だが、東京場所で、蔵前国技館に、ヤグラ太鼓が鳴り響いている間の、十五日間は、完全に書斎を離れて土俵の脇で過ごさないではいられない人物である。 | |||
| 寡作流行作家 | 平野零児 | 10分以内 | |
昨年の晩秋、福井ラジオの営業局長をしている池田左内君が上京のついでに、私の陋居を訪ねて来た。 | |||
| 芸術は短く貧乏は長し | 平野零児 | 10分以内 | |
「池谷、佐々木(味津三)、直木など、親しい連中が相次いで死んだ。身辺うたた荒涼たる思いである。 「直木を記念するために、社で直木賞金というようなものを制定し、大衆文芸の新進作家に贈ろうかと思っている」 故菊池寛は、直木の死んだ直後『文芸春秋』四月号(昭和九年)中の「話の屑籠」にこうした思いつきを発表した。 爾来早や、二十五年を経た今日、その制定によって、毎年新進大衆文芸作家を世に送り出し、すで | |||