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人面凝視

今野大力

『人面凝視』は青空文庫で公開されている今野大力の短編作品。196文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
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5分以内
196文字
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書出

ふとして眺むれば 彼処に笑めるは一人の不可解なる精霊の所有者である われは今その面を見つつ想う 唇…… おおそは紅の渕に囲われし底知れぬ沼である  鼻…… おおそはまろみあるエジプトのピラミットである  眼…… おおそはうるおい耀く黒曜石の玉を秘めし二つの湖水である  眉…… おおそは湖水をめぐりて小丘の上に繁れる林である おおなめらかに広き無毛の原を過ぎ行けば 彼方は千古の密林である。

初出「旭川新聞」1926(大正15)年10月1日
底本今野大力作品集
表記
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