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作品名著者読了時間文字数人気書き出し
大和路・信濃路堀辰雄1時間〜58,494

樹下  その藁屋根の古い寺の、木ぶかい墓地へゆく小径のかたわらに、一体の小さな苔蒸した石仏が、笹むらのなかに何かしおらしい姿で、ちらちらと木洩れ日に光って見えている。

樹下  その藁屋根の古い寺の、木ぶかい墓地へゆく小径のかたわらに、一体の小さな苔蒸した石仏が、笹むらのなかに何かしおらしい姿で、ちらちらと木洩れ日に光って見えている。

入れ札菊池寛30分以内9,552

上州岩鼻の代官を斬り殺した国定忠次一家の者は、赤城山へ立て籠って、八州の捕方を避けていたが、其処も防ぎきれなくなると、忠次を初、十四五人の乾児は、辛く一方の血路を、斫り開いて、信州路へ落ちて行った。

上州岩鼻の代官を斬り殺した国定忠次一家の者は、赤城山へ立て籠って、八州の捕方を避けていたが、其処も防ぎきれなくなると、忠次を初、十四五人の乾児は、辛く一方の血路を、斫り開いて、信州路へ落ちて行った。

戦争医学の汚辱にふれて平光吾一60分以内12,337

運命の電話  古傷を抉られる――という言葉がある。

運命の電話  古傷を抉られる――という言葉がある。

鮪を食う話北大路魯山人30分以内4,159

東京ほどまぐろを食うところはあるまい。

東京ほどまぐろを食うところはあるまい。

新書太閤記吉川英治1時間〜190,731

黒石・白石  ぜひもなく秀吉もまた、軍をかえして、楽田へひきあげた。

黒石・白石  ぜひもなく秀吉もまた、軍をかえして、楽田へひきあげた。

手仕事の日本柳宗悦1時間〜117,290

序  この一冊は戦時中に書かれました。

序  この一冊は戦時中に書かれました。

鼠頭魚釣り幸田露伴30分以内9,999

鼠頭魚は即ちきすなり。

鼠頭魚は即ちきすなり。

エタ源流考喜田貞吉1時間〜24,035

1 緒言  往時「エタ」と呼ばれておった不幸なる人々は、本来いかなる性質のものか、またいかなる事情からかくの如き気の毒なる境遇に落ちたか。

1 緒言  往時「エタ」と呼ばれておった不幸なる人々は、本来いかなる性質のものか、またいかなる事情からかくの如き気の毒なる境遇に落ちたか。

妻に失恋した男江戸川乱歩30分以内5,739

わたしはそのころ世田谷警察署の刑事でした。

わたしはそのころ世田谷警察署の刑事でした。

竜潭譚泉鏡花60分以内15,114

[#ページの左右中央] 躑躅か丘  鎮守の社  かくれあそび  おう魔が時  大沼  五位鷺  九ツ谺  渡船  ふるさと  千呪陀羅尼 [#改ページ] 躑躅か丘  日は午なり。

[#ページの左右中央] 躑躅か丘  鎮守の社  かくれあそび  おう魔が時  大沼  五位鷺  九ツ谺  渡船  ふるさと  千呪陀羅尼 [#改ページ] 躑躅か丘  日は午なり。

彼は昔の彼ならず太宰治1時間〜28,563

君にこの生活を教えよう。

君にこの生活を教えよう。

民芸とは何か柳宗悦1時間〜32,199

第一篇 なぜ民藝に心を惹かれているか 一 民藝とはいかなる意味か  工藝の諸問題のうちで、過去に対しても将来に向っても、一番意味深い対象となるのは民藝の問題なのです。

第一篇 なぜ民藝に心を惹かれているか 一 民藝とはいかなる意味か  工藝の諸問題のうちで、過去に対しても将来に向っても、一番意味深い対象となるのは民藝の問題なのです。

運命幸田露伴1時間〜70,118

世おのずから数というもの有りや。

世おのずから数というもの有りや。

二癈人江戸川乱歩30分以内11,451

二人は湯から上って、一局囲んだ後を煙草にして、渋い煎茶を啜りながら、何時の様にボツリボツリと世間話を取交していた。

二人は湯から上って、一局囲んだ後を煙草にして、渋い煎茶を啜りながら、何時の様にボツリボツリと世間話を取交していた。

赤ひげ診療譚山本周五郎60分以内23,888

一  十二月にはいってまもない或る日の午後八時過ぎ、――新出去定は保本登と話しながら、伝通院のゆるい坂道を、養生所のほうへと歩いていた。

一  十二月にはいってまもない或る日の午後八時過ぎ、――新出去定は保本登と話しながら、伝通院のゆるい坂道を、養生所のほうへと歩いていた。

雲霧閻魔帳吉川英治1時間〜34,697

人生・間の山  なるべく、縁起の吉い日にしようぜ。

人生・間の山  なるべく、縁起の吉い日にしようぜ。

断腸亭日乗永井荷風5分以内163

此断腸亭日記は初大正六年九月十六日より翌七年の春ころまで折※鉛筆もて手帳にかき捨て置きしものなりしがやがて二三月のころより改めて日日欠くことなく筆とらむと思定めし時前年の記を第一巻となしこの罫帋本に写直せしなり以後年と共に巻の数もかさなりて今茲昭和八年の春には十七巻となりぬ かぞへ見る日記の巻や古火桶 五十有五歳 荷風老人書

此断腸亭日記は初大正六年九月十六日より翌七年の春ころまで折※鉛筆もて手帳にかき捨て置きしものなりしがやがて二三月のころより改めて日日欠くことなく筆とらむと思定めし時前年の記を第一巻となしこの罫帋本に写直せしなり以後年と共に巻の数もかさなりて今茲昭和八年の春には十七巻となりぬ かぞへ見る日記の巻や古火桶 五十有五歳 荷風老人書

三人の師上村松園30分以内4,749

鈴木松年先生  私にとっては鈴木松年先生は一番最初の師であり、よちよちあるきの幼時から手をとって教えられ一人あるきが出来るようにまで育てあげられた、いわば育ての親とも言うべき大切な師なのである。

鈴木松年先生  私にとっては鈴木松年先生は一番最初の師であり、よちよちあるきの幼時から手をとって教えられ一人あるきが出来るようにまで育てあげられた、いわば育ての親とも言うべき大切な師なのである。

海神別荘泉鏡花60分以内23,542

時。

時。

バルタザアルアナトール・フランス30分以内11,151

一  其頃はギリシヤ人にサラシンとよばれたバルタザアルがエチオピアを治めてゐた。

一  其頃はギリシヤ人にサラシンとよばれたバルタザアルがエチオピアを治めてゐた。

ベートーヴェンの生涯ロマン・ロラン10分以内3,990

[#ページの左右中央] ハイリゲンシュタットの遺書* わが弟カルルおよび(ヨーハン**)に。

[#ページの左右中央] ハイリゲンシュタットの遺書* わが弟カルルおよび(ヨーハン**)に。

神社合祀に関する意見南方熊楠1時間〜32,866

最初、明治三十九年十二月原内相が出せし合祀令は、一町村に一社を標準とせり。

最初、明治三十九年十二月原内相が出せし合祀令は、一町村に一社を標準とせり。

ベーシック英語高田力1時間〜47,003

[#底本ではここにオグデンによるベーシック・ワードのリストが掲げてあるが、オグデンの著作権は現在保護期間中なので、省略する。

[#底本ではここにオグデンによるベーシック・ワードのリストが掲げてあるが、オグデンの著作権は現在保護期間中なので、省略する。

蛙芥川竜之介5分以内1,459

自分の今寝ころんでゐる側に、古い池があつて、そこに蛙が沢山ゐる。

自分の今寝ころんでゐる側に、古い池があつて、そこに蛙が沢山ゐる。

大つごもり樋口一葉30分以内9,706

上  井戸は車にて綱の長さ十二尋、勝手は北向きにて師走の空のから風ひゆうひゆうと吹ぬきの寒さ、おお堪えがたと竈の前に火なぶりの一分は一時にのびて、割木ほどの事も大台にして叱りとばさるる婢女の身つらや、はじめ受宿の老媼さまが言葉には御子様がたは男女六人、なれども常住家内にお出あそばすは御総領と末お二人、少し御新造は機嫌かいなれど、目色顔色を呑みこんでしまへば大した事もなく、結句おだてに乗る質なれば

上  井戸は車にて綱の長さ十二尋、勝手は北向きにて師走の空のから風ひゆうひゆうと吹ぬきの寒さ、おお堪えがたと竈の前に火なぶりの一分は一時にのびて、割木ほどの事も大台にして叱りとばさるる婢女の身つらや、はじめ受宿の老媼さまが言葉には御子様がたは男女六人、なれども常住家内にお出あそばすは御総領と末お二人、少し御新造は機嫌かいなれど、目色顔色を呑みこんでしまへば大した事もなく、結句おだてに乗る質なれば

人生論ノート三木清1時間〜72,081

死について  近頃私は死というものをそんなに恐しく思わなくなった。

死について  近頃私は死というものをそんなに恐しく思わなくなった。

田舎者太宰治5分以内111

私は、青森県北津軽郡というところで、生れました。

私は、青森県北津軽郡というところで、生れました。

雪の夜の話太宰治30分以内4,482

あの日、朝から、雪が降っていたわね。

あの日、朝から、雪が降っていたわね。

「菊池寛全集」の序芥川竜之介10分以内2,166

スタンダアルとメリメとを比較した場合、スタンダアルはメリメよりも偉大であるが、メリメよりも芸術家ではないと云う。

スタンダアルとメリメとを比較した場合、スタンダアルはメリメよりも偉大であるが、メリメよりも芸術家ではないと云う。

おさん太宰治30分以内10,484

一  たましいの、抜けたひとのように、足音も無く玄関から出て行きます。

一  たましいの、抜けたひとのように、足音も無く玄関から出て行きます。

鮑の宿借り作り北大路魯山人5分以内734

これは美食倶楽部時代の創案になるもので、今では茶寮料理の名物の一つに数えられている。

これは美食倶楽部時代の創案になるもので、今では茶寮料理の名物の一つに数えられている。

春の心臓ウィリアム・バトラー・イエイツ30分以内4,712

一人の老人が瞑想に耽りながら、岩の多い岸に坐つてゐる。

一人の老人が瞑想に耽りながら、岩の多い岸に坐つてゐる。

鱧・穴子・鰻の茶漬け北大路魯山人5分以内1,724

鱧  茶漬けの中でも、もっとも美味いもののひとつに、はもの茶漬けがある。

鱧  茶漬けの中でも、もっとも美味いもののひとつに、はもの茶漬けがある。

妾の半生涯福田英子1時間〜64,531

はしがき  昔はベンジャミン・フランクリン、自序伝をものして、その子孫の戒めとなせり。

はしがき  昔はベンジャミン・フランクリン、自序伝をものして、その子孫の戒めとなせり。

或敵打の話芥川竜之介30分以内9,339

発端  肥後の細川家の家中に、田岡甚太夫と云う侍がいた。

発端  肥後の細川家の家中に、田岡甚太夫と云う侍がいた。

蒲生氏郷幸田露伴1時間〜65,925

大きい者や強い者ばかりが必ずしも人の注意に値する訳では無い。

大きい者や強い者ばかりが必ずしも人の注意に値する訳では無い。

闇をさまようものハワード・フィリップス・ラヴクラフト1時間〜26,543

[#ページの左右中央] ロバート・ブロックに捧ぐ [#改ページ] 我暗き宇宙の大口を開けるを見たり そこは暗き惑星のあてどなく廻り 恐怖より目をそらす術も無く廻り 知も光輝も名も無くして廻る場なり ――ネメシス。

[#ページの左右中央] ロバート・ブロックに捧ぐ [#改ページ] 我暗き宇宙の大口を開けるを見たり そこは暗き惑星のあてどなく廻り 恐怖より目をそらす術も無く廻り 知も光輝も名も無くして廻る場なり ――ネメシス。

雛がたり泉鏡花30分以内4,142

雛――女夫雛は言うもさらなり。

雛――女夫雛は言うもさらなり。

何者江戸川乱歩1時間〜38,962

[#ページの左右中央] 作者の言葉  犯人は最初から読者の目の前にいながら最後までどれが犯人だか分らない。

[#ページの左右中央] 作者の言葉  犯人は最初から読者の目の前にいながら最後までどれが犯人だか分らない。

普請中森鴎外30分以内4,516

渡辺参事官は歌舞伎座の前で電車を降りた。

渡辺参事官は歌舞伎座の前で電車を降りた。

樅ノ木は残った山本周五郎1時間〜170,257

川の音  七月中旬の午後、――ひどく暑い日で、風もなく、白く乾いた奥州街道を、西にかたむいた陽が、じりじりと照らしていた。

川の音  七月中旬の午後、――ひどく暑い日で、風もなく、白く乾いた奥州街道を、西にかたむいた陽が、じりじりと照らしていた。

蘭学事始菊池寛60分以内15,765

一  杉田玄白が、新大橋の中邸を出て、本石町三丁目の長崎屋源右衛門方へ着いたのは、巳刻を少し回ったばかりだった。

一  杉田玄白が、新大橋の中邸を出て、本石町三丁目の長崎屋源右衛門方へ着いたのは、巳刻を少し回ったばかりだった。

私の履歴書浅沼稲次郎60分以内15,221

一、生まれ故郷は三宅島  わが生まれ故郷三宅島は大島、八丈島などとともに近世の流罪人の島として有名である。

一、生まれ故郷は三宅島  わが生まれ故郷三宅島は大島、八丈島などとともに近世の流罪人の島として有名である。

老ハイデルベルヒ太宰治30分以内8,907

八年まえの事でありました。

八年まえの事でありました。

新書太閤記吉川英治1時間〜180,707

初花  一年。

初花  一年。

蓼喰う虫谷崎潤一郎1時間〜111,516

その一 美佐子は今朝からときどき夫に「どうなさる? やっぱりいらっしゃる?」ときいてみるのだが、夫は例の孰方つかずなあいまいな返辞をするばかりだし、彼女自身もそれならどうと云う心持もきまらないので、ついぐずぐずと昼過ぎになってしまった。

その一 美佐子は今朝からときどき夫に「どうなさる? やっぱりいらっしゃる?」ときいてみるのだが、夫は例の孰方つかずなあいまいな返辞をするばかりだし、彼女自身もそれならどうと云う心持もきまらないので、ついぐずぐずと昼過ぎになってしまった。

千年後の世界海野十三30分以内7,600

冷凍死  若き野心にみちた科学者フルハタは、棺の中に目ざめてから、もう七日になる。

冷凍死  若き野心にみちた科学者フルハタは、棺の中に目ざめてから、もう七日になる。

死刑の前幸徳秋水30分以内11,319

第一章 死生 第二章 運命 第三章 道徳―罪悪 第四章 半生の回顧 第五章 獄中の回顧      第一章 死生        一  わたくしは、死刑に処せらるべく、いま東京監獄の一室に拘禁されている。

第一章 死生 第二章 運命 第三章 道徳―罪悪 第四章 半生の回顧 第五章 獄中の回顧      第一章 死生        一  わたくしは、死刑に処せらるべく、いま東京監獄の一室に拘禁されている。

灯籠太宰治30分以内5,755

言えば言うほど、人は私を信じて呉れません。

言えば言うほど、人は私を信じて呉れません。

海のほとり芥川竜之介30分以内6,134

一  ……雨はまだ降りつづけていた。

一  ……雨はまだ降りつづけていた。