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10分以内で読める青空文庫の短編作品

青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「10分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。

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作品名著者読了時間人気
山地の稜宮沢賢治
10分以内
高橋吉郎が今朝は殊に小さくて青じろく少しけげんさうにこっちを見てゐる。
忘恩田中貢太郎
10分以内
土佐の侍で大塚と云う者があった。
山の怪田中貢太郎
10分以内
土佐長岡郡の奥に本山と云う処がある。
十年後の映画界渡辺温
10分以内
一千九百三十九年一月×日街裏の酒場「騒音と煙」の一隅に於て、酔っぱらいの私がやはり酔っぱらいのオング君を、十年振りに見出したと思いたまえ。
栗毛虫長塚節
10分以内
風邪でも引いたかといふ鹽梅に頭がはつきりしないので一旦目は醒めたがまた寢込んでしまつた、恐らく眠りも不足であつたのらしい、みんなはもう野らへ出たのであらう家の内はまことにひツそりして居る、霖雨つゞきの空は依然として曇つて居るが、いつもよりは稍明るいのであるから一日は降らないかも知れぬと思ひながらぼんやりと眺めて居つた、「サブリだもの屹度後には雨だよ、どんな旱でも今日明日と降らなかつたことは無いのだからと母はいつた、そんなことも有るものか知らんと自分は只聞き流し...
月見の夕長塚節
10分以内
うちからの出が非常に遲かツたものだから、そこ/\に用は足したが、知合の店先で「イヤ今夜は冴えましようぜこれでは、けさからの鹽梅ではどうも六かしいと思つてましたが、まあこれぢや麥がとれましよう、十五夜が冴えりやあ麥は大丈夫とれるといふんですから、どうかさうしたいものでなどゝいふ主人の話を聞いたりして居たので、水海道を出たのは五時過ぎになツてしまつた、尻を十分にまくし揚げてせツせと歩るく、落ちかけた日が斜に照しかけるので、自分のかげはひよろ/\とした尖つた頭になツて、野菊の花や蓼の...
土浦の川口長塚節
10分以内
冬とはいふものゝまだ霜の下りるのも稀な十一月の十八日、土浦へついたのはその夕方であつた、狹苦しい間口でワカサギの串を裂いて居る爺はあるが、いつもの如く火を煽つてはワカサギを燒いて居るものは一人も見えないので物足らず淋しい川口を一廻りして、舟を泛べるのに便利のよさゝうな家をと思つて見掛けも見憎くゝない三階作りの宿屋へ腰を卸した、導かれて通つたのは三階ではなくて、風呂と便所との脇を行止まりの曲つた中二階のどん底である、なまめいた女が代り/\に出て來る、風呂から上つて窓に吹き込む風に吹かれつゝ...
白甜瓜長塚節
10分以内
石の卷を出て大きな街道を行くと暫くして松林へかゝる。
雪の日樋口一葉
10分以内
見渡すかぎり地は銀沙を敷きて、舞ふや蝴蝶((こてふ))の羽そで軽く、枯木も春の六花の眺めを、世にある人は歌にも詠み詩にも作り、月花に並べて称ゆらん浦山しさよ、あはれ忘れがたき昔しを思へば、降りに降る雪くちをしく悲しく、悔の八千度その甲斐もなけれど、勿躰((もつたい))なや父祖累代墳墓の地を捨てゝ、養育の恩ふかき伯母君にも背き、我が名の珠に恥かしき今日、親は瑕((きず))なかれとこそ名づけ給ひけめ、瓦に劣る世を経よとは思しも置かじを、そもや谷川の水おちて流がれて、清からぬ身に成り終りし、其...
琴の音樋口一葉
10分以内
(上)空に月日のかはる光りなく、春さく花のゝどけさは浮世万人おなじかるべきを、梢のあらし此処にばかり騒ぐか、あはれ罪なき身ひとつを枝葉ちりちりの不運に、むごや十四年が春秋を雨にうたれ風にふかれ、わづかに残る玉の緒の我れとくやしき境界にたゞよふ子あり。
桃のある風景岡本かの子
10分以内
食欲でもないし、情欲でもない。
病房にたわむ花岡本かの子
10分以内
春は私がともすれば神経衰弱になる季節であります。
異国食餌抄岡本かの子
10分以内
夕食前の小半時、巴里のキャフェのテラスは特別に混雑する。
巴里の秋岡本かの子
10分以内
セーヌの河波の上かわが、白ちゃけて来る。
新時代女性問答岡本かの子
10分以内
一平兎(と)に角、近代の女性は型がなくなった様だね。
家庭愛増進術岡本かの子
10分以内
わたくしは自分達を夫とか妻とか考えません。
良人教育十四種岡本かの子
10分以内
(1)気むずかしい夫何が気に入らないのか、黙りこくってむっつりしている。
花間文字泉鏡花
10分以内
晩唐一代の名家、韓昌黎に、一人の猶子韓湘あり。
妙齢泉鏡花
10分以内
雨の日のつれ/″\に、佛(ほとけ)、教へてのたまはく、昔某の國(くに)に一婦ありて女を生めり。
銭湯泉鏡花
10分以内
それ熱ければ梅、ぬるければ竹、客を松の湯の揚場に、奧方はお定りの廂髮(ひさしがみ)。
画の裡泉鏡花
10分以内
「旦那樣、畫師ぢやげにござりまして、ちよつくら、はあ、お目に懸りたいと申しますでござります。
我が庭長塚節
10分以内
鬱陶しく曇つた春雨の空がいつもの如く井戸流しで冷水浴をしてしはらくするうちに禿げてしまつた、朝のうちに椚眞木の受取渡しをして來たらよからうと母が言ふことであつたが少し用があるから行かれぬとたゞ(ママ)をいふ、用といふのは外でもない、ホトトギスに庭園を寫生せよといふ題が出て居るので自分のやうな拙劣な手で寫生も恐ろしい譯ではあるがこれも稽古だやつて見やうと思ひついたので野らや林へ出やうとは思ひもよらぬのである、庭のことゝ言へばつひこの二日の日記にもこんなことがある……宵に春雨が...
ポーの片影芥川竜之介
10分以内
◇ポーとは、ヱドガー、アラン、ポーのことです。
正義の国と人生桐生悠々
10分以内
ゴオリキの「どん底」に現われた不思議な老人ルカの話によると、シベリアに「非常に貧乏で、惨な暮らし」をしていた或男が、「正義の国」を求めていた。
旅日記二葉亭四迷
10分以内
社命を畏こまつて雲の彼方の露都を志し六月十二日雨持つ空の何となく湿つぽい夕弱妻幼児親戚の誰彼、さては新知旧識のなつかしき人々に見送られ新橋より大阪行の客となる。
霧ヶ峰から鷲ヶ峰へ徳田秋声
10分以内
今年は何の意味にもハイキングに不適当である。
烏帽子山麓の牧場島崎藤村
10分以内
水彩畫家B君は歐米を漫遊して歸つた後、故郷の根津村に畫室を新築した。
北信早春譜野上豊一郎
10分以内
碓氷を越すと一面の雪で、急に冬へ逆戻りしたやうな感じであつた。
水郷めぐり若山牧水
10分以内
約束した樣なせぬ樣な六月廿五日に、細野君が誘ひにやつて來た。
初島紀行与謝野晶子
10分以内
正月六日朝早く千人風呂に入つて、その硝子窓から伊豆の沖の美くしい日の出を見ました。
道学先生の旅戸川秋骨
10分以内
若い學生――斷つて置くが、男生女生兩方の學生である――を引率してといふ處だが、むしろ若い學生達に引率されての旅であつた。
新春偶語寺田寅彦
10分以内
新玉の春は来ても忘れられないのは去年の東北地方凶作の悲惨事である。
『煤煙』の序夏目漱石
10分以内
「煤煙」が朝日新聞に出て有名になつてから後間もなくの話であるが、著者は夫を単行本として再び世間に公けにする計画をした。
山陰の風景木下利玄
10分以内
山陰と云つても、東は丹後但馬から西は石見に及んでゐて、區域が廣いからさし當りここでは、但馬の城崎附近を書いて見よう。
尹主事金史良
10分以内
町の北、丘を越えたところにじめじめした荒蕪地がある。
犬の威厳水野仙子
10分以内
『あなたは、あなたの旦那樣の御容子をすつかりお氣に召してゐらつしやる?』と、いきなりよしのさんの言葉が私に向いて來た。
浅間山麓若杉鳥子
10分以内
落葉松の暗い林の奥で、休みなくかっこうが鳴いている。
独り旅若杉鳥子
10分以内
汽車がA駅を通過する頃から曇って来て、霧で浅間の姿も何も見えなくなった。
旧師の家若杉鳥子
10分以内
私が故郷の街から筑波山を見て過ごした月日は随分と永いことだった。
三尺角拾遺泉鏡花
10分以内
「あなた、冷えやしませんか。
ある手紙原民喜
10分以内
佐々木基一様御手紙なつかしく拝見しました。
ガリヴア旅行記原民喜
10分以内
この頃よく雨が降りますが、今日は雨のあがつた空にむくむくと雲がただよつてゐます。
長崎の鐘原民喜
10分以内
No more Hiroshima! これは二度ともう広島の惨禍を繰返すな、といふ意味なのだらうが、ときどき僕は自分自身にむかつて、かう呟く。
原爆回想原民喜
10分以内
私の父は四十年前に一度、家を建てたのだが、たま/\地震があって、少し壁や柱にすき間が出来ると、神経質の父は早速その新築の家をとり壊して、今度は根底から細心の吟味を重ねて非常に岩乗な普請にした。
遺書原民喜
10分以内
原守夫氏宛遺書長い間御世話になりました後に思ひ残すことは何もありませんあまりあてにもなりませんがもし今後私の著書が出版された際にはその印税を時彦に相続させて下さいみなさんによろしく原民喜原守夫様永井すみ子氏宛長い間御世話にばかりなりました貞恵と死別れて六年あまりも生きてまいりましたもう後に思ひ残すことは何もありませんそちらにあづけてある私の夜具衣類を広島から...
日記宮本百合子
10分以内
十月一日『新女苑』20枚「若き精神の成長を描く作品」『明日への精神』発売。
桜さく島竹久夢二
10分以内
[#ここから手書き文字]暮れゆく春のかなしさは歌ふをきけや爪弾の「おもひきれとは死ねとの謎か死ぬりや野山の土となる」[#ここで手書き文字終わり][#改ページ]隅田川「春信」の女の髪をすべりたる黄楊の小櫛か月の影。
堀辰雄
10分以内
或る秋の午後、私は、小さな沼がそれを町から完全に隔離している、O夫人の別荘を訪れたのであった。
あいびき堀辰雄
10分以内
……一つの小径が生い茂った花と草とに掩(おお)われて殆ど消えそうになっていたが、それでもどうやら僅かにその跡らしいものだけを残して、曲りながらその空家へと人を導くのである。
卜居堀辰雄
10分以内
この家のすぐ裏がやや深い谿谷になっていて――この頃など夜の明け切らないうちから其処で雉子がけたたましく啼き立てるので、いつも私達はまだ眠いのに目を覚ましてしまう程だが、――それでも私はその谿谷が悪くなく、よく小さな焚木を拾いがてらずんずん下の方まで降りていったりする。
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