琴の音
樋口一葉
『琴の音』は青空文庫で公開されている樋口一葉の短編作品。3,205文字で、おおよそ10分以内で読むことができます。
文字数 | 10分以内 3,205文字 |
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書き出し書出 | (上)空に月日のかはる光りなく、春さく花のゝどけさは浮世万人おなじかるべきを、梢のあらし此処にばかり騒ぐか、あはれ罪なき身ひとつを枝葉ちりちりの不運に、むごや十四年が春秋を雨にうたれ風にふかれ、わづかに残る玉の緒の我れとくやしき境界にたゞよふ子あり。 |
初出 | 「文學界 第十二號」文學界雜誌社、1893(明治26)年12月30日 |
底本 | 新日本古典文学大系 明治編 24 樋口一葉集 |
表記 | 新字旧仮名 |
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