月見の夕
長塚節
『月見の夕』は青空文庫で公開されている長塚節の短編作品。3,883文字で、おおよそ10分以内で読むことができます。
文字数 | 10分以内 3,883文字 |
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書き出し書出 | うちからの出が非常に遲かツたものだから、そこ/\に用は足したが、知合の店先で「イヤ今夜は冴えましようぜこれでは、けさからの鹽梅ではどうも六かしいと思つてましたが、まあこれぢや麥がとれましよう、十五夜が冴えりやあ麥は大丈夫とれるといふんですから、どうかさうしたいものでなどゝいふ主人の話を聞いたりして居たので、水海道を出たのは五時過ぎになツてしまつた、尻を十分にまくし揚げてせツせと歩るく、落ちかけた日が斜に照しかけるので、自分のかげはひよろ/\とした尖つた頭になツて、野菊の花や蓼の... |
初出 | 「馬醉木 第七號」1903(明治36)年12月23日 |
底本 | 長塚節全集 第二巻 |
表記 | 旧字旧仮名 |
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