30分以内で読める青空文庫の短編作品
青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「30分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「30分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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短歌集 日まはり | 三好達治 | 30分以内 | |
[#ページの左右中央]短歌集日まはりわが跫音路をうつわが杖の音われは聴くわが生の音づれ[#改ページ][#ページの左右中央]日まはりや床屋しづけき菜園に[#改ページ]やま鳥草生ふる電車線路をあしびきのやま鳥はつと走り越えにき白骨温泉にてうら山に銃の音せり時をへずまたも... | |||
霾 | 三好達治 | 30分以内 | |
霾冬の初めの霽れた空に、淺間山が肩を搖すつて哄笑する、ロンロンロン・※ッハッハ・※ッハッハ。 | |||
横山 | 高浜虚子 | 30分以内 | |
賢島から電車に乘つて、暫く來たと思つたところで降りることになつた。 | |||
十年振 | 永井荷風 | 30分以内 | |
病來十年わたしは一歩も東京から外へ出たことがなかつた。 | |||
予が出版事業 | 柳田国男 | 30分以内 | |
人を笑わせるつもりで私はこの見出しを付ける。 | |||
人魚 | 火野葦平 | 30分以内 | |
草の葉に巻かれた生ぐさい一通の手紙を、私はひらく。 | |||
茂吉の一面 | 宇野浩二 | 30分以内 | |
私は、これまで斎藤茂吉についてはいろいろ余り書きすぎたので、今、いくら鈍な頭をひねっても、どうしても書く事が浮かんでこない。 | |||
読書と著書 | 矢内原忠雄 | 30分以内 | |
「貴下は今何をして居られるか。 | |||
春水と三馬 | 桑木厳翼 | 30分以内 | |
斯様な標題を掲げたが、何もこんな陳腐な題目で柄にもない文学論を試みようとするのではない。 | |||
魯迅さん | 内山完造 | 30分以内 | |
私が初めて魯迅さんに会ったのは一九二七年の十月五日であったことは魯迅日記の次ぎの記入ではっきりと解ったのです。 | |||
衣裳戸棚 | パウル・トーマス・マン | 30分以内 | |
ベルリン―ロオマ行の急行列車が、ある中ぐらいな駅の構内に進み入ったのは、曇った薄暗い肌寒い時刻だった。 | |||
餓えた人々 | パウル・トーマス・マン | 30分以内 | |
デトレフは自分が余計者だという感じに、胸の底までおそわれるのを覚えた瞬間、まるで偶然のように、賑やかな人ごみに身をただよわせて、別れの挨拶もせず、あの二人の人の子の視線から消えてしまった。 | |||
幻滅 | パウル・トーマス・マン | 30分以内 | |
僕は白状する。 | |||
神童 | パウル・トーマス・マン | 30分以内 | |
神童が入って来る――会場はしんとしずまる。 | |||
鉄道事故 | パウル・トーマス・マン | 30分以内 | |
なにか話せ?しかしなんにも知らないのだがね。 | |||
悩みのひととき | パウル・トーマス・マン | 30分以内 | |
彼は机から――例の小さいこわれそうな書物台から立ちあがって、絶望した人のごとく立ちあがって、首を垂れたまま、部屋の反対の隅にある煖炉のほうへ歩いて行った。 | |||
墓地へゆく道 | パウル・トーマス・マン | 30分以内 | |
墓地へゆく道は、ずっと国道に添うて走っていた。 | |||
予言者の家で | パウル・トーマス・マン | 30分以内 | |
奇妙な場所が、奇妙な脳髄が、精神の棲む奇妙な領域がある――高いところに、みすぼらしく。 | |||
トビアス・ミンデルニッケル | パウル・トーマス・マン | 30分以内 | |
河岸小路から、急な上り坂になって、市内へ通じている往来の一つに、灰色通りというのがある。 | |||
笛吹川の上流(東沢と西沢) | 木暮理太郎 | 30分以内 | |
笛吹川は秩父街道最奥の部落である広瀬附近から上流になると子酉川と呼ばれている。 | |||
オカアサン | 佐藤春夫 | 30分以内 | |
その男はまるで仙人のように「神聖なうす汚なさ」を持っていました。 | |||
世評(一幕二場) | 菊池寛 | 30分以内 | |
――よしと云ひあしと云はれつ難波がたうきふししげき世を渡るかな――人物所時凡て知れず。 | |||
春の大方山 | 木暮理太郎 | 30分以内 | |
南アルプスの二、三の山が東京から望まれることが確実となったので、外にも尚お、遠い大井川奥の空から煤煙の都東京をこっそり覗いている山が或は有るかも知れない。 | |||
三国山と苗場山 | 木暮理太郎 | 30分以内 | |
大正二、三年の頃、東京から見える山のスケッチを作る為に、強い北西の風が吹く晴れた冬の日には、よく愛宕山の塔や浅草の凌雲閣に上って、遠い雪の山の姿に見入りながら、新しい印象や古い記憶を辿って、山の持つ個性から其(その)何山であるかを探し出すのが楽しみであった。 | |||
一葉の日記 | 久保田万太郎 | 30分以内 | |
“ある女――斯の人は夫を持たず了ひで亡くなつたが、彼女の居ない後では焼捨てゝ呉れろと言ひ置いて、一生のことを書いた日記を遺して行つた。 | |||
角力 | 久保田万太郎 | 30分以内 | |
……だまつて、一人で、せッせと原稿を書いてゐた石谷さんが急に立ち上り、「一寸、ぢやァ、行つて来ます。 | |||
萩 | 久保田万太郎 | 30分以内 | |
おやくそくの萩の根、いつでも分けてさし上げます。 | |||
第三者 | ・サキ | 30分以内 | |
東部カルパチア山地の森の中である。 | |||
「ザイルの三人」訳者あとがき | 妹尾アキ夫 | 30分以内 | |
十三篇の短かい山岳小説を訳して、「青春の氷河」と題して、朋文堂からだしたのは、昭和十七年三月のことだったが、こんどその十三篇のうちから五篇を除外し、あらたに五篇をくわえて、「ザイルの三人」としてだすことにした。 | |||
クリスマス・イーヴ | ワシントン・アーヴィング | 30分以内 | |
聖フランシス樣、聖ベネディクト樣、この家を惡しき者共からお守り下さい。 | |||
マカーガー峡谷の秘密 | アンブローズ・ビアス | 30分以内 | |
マカーガー峡谷は、インディアン山から、まっすぐに九マイル西北の地点にある。 | |||
ゆく雲 | 樋口一葉 | 30分以内 | |
上酒折の宮、山梨の岡、塩山、裂石、さし手の名も都人の耳に聞きなれぬは、小仏ささ子の難処を越して猿橋のながれに眩(めくる)めき、鶴瀬、駒飼見るほどの里もなきに、勝沼の町とても東京にての場末ぞかし、甲府はさすがに大厦高楼、躑躅(つつじ)が崎の城跡など見る処のありとは言へど、汽車の便りよき頃にならば知らず、こと更の馬車腕車に一昼夜をゆられて、いざ恵林寺の桜見にといふ人はあるまじ、故郷なればこそ年々の夏休みにも、人は箱根伊香保ともよふし立つる中を、我れのみ一人あし曳(びき)の山の甲斐... | |||
人間山水図巻 | 吉川英治 | 30分以内 | |
たれかがいま人間性のうちの「盗」という一部分を研究対象としてみたら、近頃ほどその資料に豊富な世間はないだろう。 | |||
剣の四君子 | 吉川英治 | 30分以内 | |
熟れた柿が落ちている。 | |||
日本名婦伝 | 吉川英治 | 30分以内 | |
思い出もいまは古い、小紋の小切れやら、更紗の襤褸(つづれ)や、赤い縮緬の片袖など、貼板の面には、彼女の丹精が、細々と綴(つづ)られて、それは貼るそばから、春の陽に乾きかけていた。 | |||
御鷹 | 吉川英治 | 30分以内 | |
眼がしぶい、冬日の障子越しに、鵙(もず)の声はもう午近く思われる。 | |||
駅伝馬車 | ワシントン・アーヴィング | 30分以内 | |
いざ、これより樂しまむ、仕置を受くる憂なく、遊びたのしむ時ぞ來ぬ、時ぞ來ぬれば、いちはやく、讀本などは投げ捨てて行く。 | |||
奇談クラブ〔戦後版〕 | 野村胡堂 | 30分以内 | |
プロローグ何年目かで開かれた、それは本当に久し振りの「奇談クラブ」でした。 | |||
奇談クラブ〔戦後版〕 | 野村胡堂 | 30分以内 | |
クラブ復活「皆様、丁度十五年目でこの奇談クラブの会合を開きました。 | |||
奇談クラブ〔戦後版〕 | 野村胡堂 | 30分以内 | |
プロローグその夜の話し手遠藤盛近は、山羊※(やぎひげ)の萎びた中老人で、羊羹色になった背広の、カフスから飛出すシャツを気にし乍(なが)ら、老眼鏡の玉を五分間に一度位ずつの割りで拭き拭き、見掛けに依らぬ良いバリトンで、こう話し始めました。 | |||
奇談クラブ〔戦後版〕 | 野村胡堂 | 30分以内 | |
プロローグ「これは低俗な義理人情や、歪められた忠義を鼓吹した時代には発表の出来なかった話で、長い間私の材料袋に秘められて居りましたが、今となっては最早憚(はばか)り恐るる節もなく、この物語を発表したからと言って、私を不忠者不義者扱いにする、頭の固い便乗者も無くなってしまったことでしょう。 | |||
奇談クラブ〔戦後版〕 | 野村胡堂 | 30分以内 | |
プロローグ「あらゆる偶然は可能だ、と笠森仙太郎は信じておりました。 | |||
奇談クラブ〔戦後版〕 | 野村胡堂 | 30分以内 | |
プロローグ「徳川時代の大名生活のただれ切った馬鹿馬鹿しさは話しても話しても話し切れませんが、私にもその一つ、取って置きの面白い話があるのです」話し手の宇佐美金太郎は、こんな調子で始めました。 | |||
奇談クラブ〔戦後版〕 | 野村胡堂 | 30分以内 | |
プロローグ「徳川時代にも、幾度か璽光様のようなのが現われました。 | |||
誰? | モーリス・ルヴェル | 30分以内 | |
その日、私はかなり遅くまで仕事をやった。 | |||
吾妻橋 | 永井荷風 | 30分以内 | |
毎夜吾妻橋の橋だもとに佇立み、徃来の人の袖を引いて遊びを勧める闇の女は、梅雨もあけて、あたりがいよ/\夏らしくなるにつれて、次第に多くなり、今ではどうやら十人近くにもなつてゐるらしい。 | |||
人妻 | 永井荷風 | 30分以内 | |
住宅難の時節がら、桑田は出来ないことだとは知つてゐながら、引越す先があつたなら、現在借りてゐる二階を引払ひたいと思つて見たり、また忽気が変つて、たとへ今直ぐ出て行つて貰ひたいと言はれやうが、思のとゞくまではどうして動くものか、といふやうな気になつたりして、いづれとも決心がつかず、唯おちつかない心持で其日其日を送つてゐた。 | |||
希臘十字 | 高祖保 | 30分以内 | |
Kalokagathia「――宇宙は、単にタアオラの殻にすぎない」(ゴオガン)一と夜。 | |||
独楽 | 高祖保 | 30分以内 | |
征旅蛾はあのやうに狂ほしくとびこんでゆくではないかみづからを灼く火むらのただなかにわたしはみづからを灼くたたかひの火むらのただなかへとびこんでゆくあゝ一匹の蛾だ夢に白鶏をみる暁のともしびほそく灯りて歳新し城太郎暁のともしびほそい庫裡に神さびた白鶏がククク、クと鳴いて羽搏いたあとは森閑となり鎮まる(鶏の面輪は阿母の俤あつて床しい... | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 30分以内 | |
明神下の銭形の平次の家へ通ると、八五郎は開き直って年始のあいさつを申述べるのです。 |