30分以内で読める青空文庫の短編作品
青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「30分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「30分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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思想動員論 | 戸坂潤 | 30分以内 | |
準戦時体制、或いは寧ろ戦時的体制の下に、事実上今日各部面の動員が行なわれている。 | |||
社大党はファッショ化したか? | 戸坂潤 | 30分以内 | |
初めに断わっておくが、私はごく最近社会大衆党に這入った一党員である。 | |||
戦争ジャーナリスト論 | 戸坂潤 | 30分以内 | |
戦争が社会の政治的常軌を通行遮断し、典型的な非常状態に置くものであることは、今更改めて言うまでもない。 | |||
挙国一致体制と国民生活 | 戸坂潤 | 30分以内 | |
数カ月前までは、国防予算乃至軍事予算の膨大と国民生活の安定とは、事実上に於て相剋する関係にあるということが、国民の常識となっていた。 | |||
近衛内閣の常識性 | 戸坂潤 | 30分以内 | |
近衛内閣の成立は、今の処割合評判が悪くないというのが事実だろう。 | |||
浪の音 | 徳田秋声 | 30分以内 | |
新庄はホテルの日本室の寝床のうへでふと目をさました。 | |||
水ぎわの家 | 徳田秋声 | 30分以内 | |
その時彼はちようど二人の女と差向ひにすわつてゐた。 | |||
二つの失敗 | 徳田秋声 | 30分以内 | |
空の青々と晴れた、或る水曜日、青木は山の手の支那料理採蘭亭で、或るダンサアと昼飯を食べる約束があつたので、時刻を計つてタキシイで出かけた。 | |||
老苦 | 徳田秋声 | 30分以内 | |
「ではお父さんは三ちやんと一緒に寝台自動車に乗つて行つて下さい。 | |||
芭蕉と歯朶 | 徳田秋声 | 30分以内 | |
深い雑木林のなかに建てられたバンガロー風の其の別荘へ著いたのは午後の何時頃であつたらうか。 | |||
文芸評論の方法について | 戸坂潤 | 30分以内 | |
今日の日本の文芸批評の姿には、見渡したところ二群のものを区別出来るようである。 | |||
所謂批評の「科学性」についての考察 | 戸坂潤 | 30分以内 | |
単に文芸批評だけではない。 | |||
認識論としての文芸学 | 戸坂潤 | 30分以内 | |
文芸学の対象は云うまでもなく文芸である。 | |||
日本の民衆と「日本的なるもの」 | 戸坂潤 | 30分以内 | |
文壇と一部の評論壇では、一口で云うと「日本的なるもの」の検討が風をなしている。 | |||
草いきれ | 徳田秋声 | 30分以内 | |
漁船などを※(やと)つて、××会の同志の若い人達六七人と、若鮎の取れる××川に遊んでの帰り、郊外にあるI―子の家へ三四の人を誘つて行つた頃には、鮎猟の真中に一時しよぼ/\と雨をふらしてゐた陰鬱な梅雨空にもいくらか雲の絶え間が出来て、爽かな星の影さへ覗いてゐた。 | |||
彷徨へる | 徳田秋声 | 30分以内 | |
芸術論や人生論をやる場合にも劣らぬ否寧ろそれよりも※かに主観的に情熱の高まつて来るのは、彼が先輩G――の愛人I子の噂をする時の態度であつたが、その晩彼は彼自身の恋愛的事件について、仄かな暗示をG――に与へたのであつた。 | |||
歯痛 | 徳田秋声 | 30分以内 | |
M―市を通つてA―温泉へ着いたのは、もう夜であつた。 | |||
微笑の渦 | 徳田秋声 | 30分以内 | |
K氏を介しての、R大使館からの招待日だつたので、その日彼は袴(はかま)などつけて、時刻がまだ早かつたところから、I子の下宿へ寄つて一と話してから出かけた。 | |||
鳥料理 | 堀辰雄 | 30分以内 | |
前口上昔タルテイーニと云ふ作曲家がTrillo del Diavolo と云ふソナータを夢の中で作曲したといふ話は大層有名な話である故、讀者諸君も大方御存知だらうが一寸私の手許にある音樂辭典から引用して見ると、何でもタルテイーニは或晩の事、自分の靈魂を惡魔に賣つた夢を見たさうな。 | |||
光る生物 | 神田左京 | 30分以内 | |
序言光る生物と言へば又、例の『不知火』の話だと早合點をする人があるかも知れない。 | |||
汽車で逢つた女 | 室生犀星 | 30分以内 | |
二丁目六十九番地といふのは、二軒の家を三軒にわけたやうな、入口にすぐ階段があつて、二階が上り口の四疊半から見上げられる位置にあつた。 | |||
芝、麻布 | 小山内薫 | 30分以内 | |
『あばよ、芝よ、金杉よ。 | |||
四谷、赤坂 | 宮島資夫 | 30分以内 | |
高力松いかつい石垣が向い合って立っていた。 | |||
経つくゑ | 樋口一葉 | 30分以内 | |
※(きず)一※(きず)哀れ手向の花一枝に千年のちぎり萬年の情をつくして、誰れに操の身はひとり住、あたら美形を月花にそむけて、世は何時ぞとも知らず顏(がほ)に、繰るや珠數の緒の引かれては御佛輪廻にまよひぬべし、ありしは何時の七夕の夜、なにと盟ひて比翼の鳥の片羽をうらみ、無常の風を連理の枝に憤りつ、此處(こヽ)閑窓のうち机上の香爐に絶えぬ烟(けふ)りの主はと問へば、答へはぽろり襦袢(じゆばん)の袖に露を置きて、言はぬ素性の聞きたきは無理か、かくすに顯(あら)はるヽが世の常ぞかし。 | |||
たま襻 | 樋口一葉 | 30分以内 | |
上のをかしかるべき世を空蝉のと捨て物にして今歳十九年、天のなせる麗質、をしや埋木の春またぬ身に、青柳いと子と名のみ聞ても姿しのばるゝ優しの人品、それも其筈(そのはず)昔しをくれば系圖の卷(まき)のこと長けれど、徳川の流れ末つかた波まだ立たぬ江戸時代に、御用お側お取次と長銘うつて、席を八萬(まん)騎の上坐に占めし青柳右京が三世の孫、流轉の世に生れ合はせては、姫と呼ばれしことも無けれど、面影みゆる長襦袢の縫もよう、母が形見か地赤の色の、褪色て殘(のこ)るも哀いたまし、住む所は何方、む... | |||
五月雨 | 樋口一葉 | 30分以内 | |
池に咲く菖蒲(あやめ)かきつばたの鏡に映る花二本ゆかりの色の薄むらさきか濃むらさきならぬ白元結きつて放せし文金の高髷も好みは同じ丈長の櫻(さくら)もやう淡泊として色を含む姿に高下なく心に隔てなく墻(かき)にせめぐ同胞はづかしきまで思へば思はるゝ水と魚の君さま無くは我れ何とせんイヤ汝(われ)こそは大事なれと頼みにしつ頼まれつ松の梢(こずゑ)の藤の花房かゝる主從の中またと有りや梨本何某といふ富家の娘に優子と呼ばるゝ容貌よし色白の細おもてにして眉は※(さゝや)(かすみ)[#「霞... | |||
この子 | 樋口一葉 | 30分以内 | |
口に出して私が我子が可愛いといふ事を申したら、嘸(さぞ)皆樣は大笑ひを遊ばしましやう、それは何方だからとて我子の憎いはありませぬもの、取たてゝ何も斯(か)う自分ばかり美事な寶(たから)を持つて居るやうに誇り顏(がほ)に申すことの可笑しいをお笑ひに成りましやう、だから私は口に出して其樣(そん)な仰山らしい事は言ひませぬけれど、心のうちではほんに/\可愛いの憎いのではありませぬ、掌を合せて拜(をが)まぬばかり辱ないと思ふて居りまする。 | |||
銭形平次捕物控 | 野村胡堂 | 30分以内 | |
錢形平次は久し振りに田舍祭を見物に出かけました。 | |||
蛇 | 森鴎外 | 30分以内 | |
明け易い夏の夜に、なんだってこんなそうぞうしい家に泊り合わせたことかと思って、己はうるさく頬(ほお)のあたりに飛んで来る蚊を逐いながら、二間の縁側から、せせこましく石を据えて、いろいろな木を植え込んである奥の小庭を、ぼんやり眺めている。 | |||
心理的と個性的 | 中原中也 | 30分以内 | |
裕福な家庭の、特に才能があるといふ程でもない青年が、「文学でもやつてみるか」といつた調子で、文学志望を抱いたとする。 | |||
撫でられた象 | 中原中也 | 30分以内 | |
様々な議論が沸騰してゐるけれど、それらの何れもはや議論といふよりは彷徨、それも随分無責任な、身入りのしないことにしか過ぎない。 | |||
三島由紀夫 | 神西清 | 30分以内 | |
「女が髭を持つてゐないやうに、彼は年齡を持つてゐなかつた。 | |||
留魂録 | 吉田松陰 | 30分以内 | |
身はたとひ武蔵の野辺に朽ちぬとも留め置かまし大和魂十月念五日二十一回猛士一、余、去年已来心蹟百変、あげて数へがたし。 | |||
日本文化と科学的思想 | 石原純 | 30分以内 | |
種々の学術の中で科学、特に数学や自然科学は純粋に客観的なものであり、したがって最も国際的なものとして考えられてきたのはほとんど当然と見なされていたにもかかわらず、ひとたびドイツにおいてナチス政治がはじめられるにおよんで、その強烈な国粋主義の実現とともに、ユダヤ思想の排撃が行われ、ついに科学の民族性の主張が叫ばれ、ドイツ数学やドイツ物理学のごときが強調せられるに至ったのは、世界における一つの驚くべき思想的異変といわねばならない。 | |||
色盲検査表の話 | 石原忍 | 30分以内 | |
私の色盲検査表がどうしてできたものであるか、いかなる経路で汎く世界に用いられるようになったかということについて簡単に申し上げましょう。 | |||
緑の種子 | 北原白秋 | 30分以内 | |
緑の種子種子はこれ感覚の粋、緑は金の陰影にして、幽かに泣くはわが心。 | |||
雪と花火余言 | 北原白秋 | 30分以内 | |
東京景物詩は大正二年七月の版である。 | |||
引越し | 中原中也 | 30分以内 | |
実際その電報には驚いた。 | |||
夢 | 中原中也 | 30分以内 | |
人物男女男の友人貧弱な洋室。 | |||
朝起の人達 | 佐々木邦 | 30分以内 | |
医者に勧められて朝起を一月ばかり続けている中に疑問が起った。 | |||
或良人の惨敗 | 佐々木邦 | 30分以内 | |
日本はアメリカよりも自由国である。 | |||
一年の計 | 佐々木邦 | 30分以内 | |
片岡君は又禁酒を思い立った。 | |||
恩師 | 佐々木邦 | 30分以内 | |
私が入学した頃の卒業生はビリコケでも羽が生えて飛んだ。 | |||
閣下 | 佐々木邦 | 30分以内 | |
私の家は両隣りとも陸軍大佐である。 | |||
髪の毛 | 佐々木邦 | 30分以内 | |
或朝、井口君は出勤の支度にかゝった時、ズボンが見当らなかったので、白シャツのまゝ、「おい/\」と細君を呼んだ。 | |||
或る別れ | 北尾亀男 | 30分以内 | |
父娘人妻隣家の人々主人、男の子、主人の老母葬儀人夫甲乙山の手の或る公園大正大地震の翌春――花時には稀な晴れた日の午前。 | |||
奇術考案業 | 長谷川伸 | 30分以内 | |
世間には思いもよらない変った渡世をするものがある。 | |||
閒花集 | 三好達治 | 30分以内 | |
[#ページの左右中央]この小詩集を梶井基次郎君の墓前に捧ぐ[#改丁]砂上海海よお前を私の思ひ出と呼ばう私の思ひ出よお前の渚に私は砂の上に臥よう海鹹からい水……水の音よお前は遠くからやつてくる私の思ひ出の縁飾り波よ鹹からい水の起き伏しよさうして渚を噛むがいいさうして渚を走るがいいお前の飛沫で私の睫(まつげ)を濡らすがいい鶯「籠の中にも季節は移る私は歌ふ私... | |||
艸千里 | 三好達治 | 30分以内 | |
枕上口占もとおのれがさえのつたなければぞ、集ならんとする夜半……私の詩は一つの着手であればいい私の家は毀れやすい家でいいひと日ひと日に失はれるああこの旅のつれづれの私の詩は三日の間もてばいい昨日と今日と明日とただその片見であればいい又私の詩は明け方西の空にある昨日の月やがて地平の向ふに沈む昨... | |||
山果集 | 三好達治 | 30分以内 | |
仔羊海の青さに耳をたて圍ひの柵を跳び越える仔羊砂丘の上に馳けのぼり己れの影にとび上る仔羊よ私の歌は今朝生れたばかりの仔羊潮の薫りに眼を瞬き飛び去る雲の後を追ふ雷蝶雷の後かみなり蝶が村へくる村長邸の裏庭の百合の花粉にまみれてくる交番のある四辻で彼女はちよいと路に迷ふさうして彼女は風に揚る椎の木よりもなほ高く火ノ見櫓の半鐘よりもなほ高く海邊雨後の横雲... |