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五月雨

樋口一葉

『五月雨』は青空文庫で公開されている樋口一葉の短編作品。10,326文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。
文字数
30分以内
10,326文字
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書出

(一) 池に咲く菖蒲かきつばたの鏡に映る花二本ゆかりの色の薄むらさきか濃むらさきならぬ白元結きつて放せし文金の高髷も好みは同じ丈長の櫻もやう淡泊として色を含む姿に高下なく心に隔てなく墻にせめぐ同胞はづかしきまで思へば思はるゝ水と魚の君さま無くは我れ何とせんイヤ汝こそは大事なれと頼みにしつ頼まれつ松の梢の藤の花房かゝる主從の中またと有りや梨本何某といふ富家の娘に優子と呼ばるゝ容貌よし色白の細おもて

初出「武蔵野 第三編」今古堂、1892(明治25)年7月23日
底本武蔵野 第三編
表記
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