30分以内で読める室生犀星の短編作品

青空文庫で公開されている室生犀星の作品の中で、おおよその読了目安時間が「30分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。

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青空文庫の作品を人気順に表示
作品名著者読了時間文字数人気書き出し
生涯の垣根室生犀星30分以内11,345

庭というものも、行きつくところに行きつけば、見たいものは整えられた土と垣根だけであった。

庭というものも、行きつくところに行きつけば、見たいものは整えられた土と垣根だけであった。

不思議な魚室生犀星30分以内4,864

漁師の子息の李一は、ある秋の日の暮れに町のある都へ書物を買いに出掛けました。

漁師の子息の李一は、ある秋の日の暮れに町のある都へ書物を買いに出掛けました。

ふたりのおばさん室生犀星30分以内4,865

一 カニと機械  子どものくせにどうしてタカダのおばさんの家に、たびたび遊びに行ったかといえば、それはおばさんが話しぶりもやさしく子どものいやがるようなことをいわないからであった。

一 カニと機械  子どものくせにどうしてタカダのおばさんの家に、たびたび遊びに行ったかといえば、それはおばさんが話しぶりもやさしく子どものいやがるようなことをいわないからであった。

汽車で逢つた女室生犀星30分以内8,200

二丁目六十九番地といふのは、二軒の家を三軒にわけたやうな、入口にすぐ階段があつて、二階が上り口の四疊半から見上げられる位置にあつた。

二丁目六十九番地といふのは、二軒の家を三軒にわけたやうな、入口にすぐ階段があつて、二階が上り口の四疊半から見上げられる位置にあつた。

陶古の女人室生犀星30分以内11,830

きょうも鬱々としてまた愉しく、何度も置きかえ、置く場所をえらび、光線の来るところに誘われて運び、或いはどうしても一個の形態でさだまらない場合、二つあてを捉え、二つの壺が相伴われて置かれると、二つともに迫力を失うので、また別々に引き放して飾って見たりした、何の事はない相当重みのある陶器をけさからずっと動かしつづめにいた。

きょうも鬱々としてまた愉しく、何度も置きかえ、置く場所をえらび、光線の来るところに誘われて運び、或いはどうしても一個の形態でさだまらない場合、二つあてを捉え、二つの壺が相伴われて置かれると、二つともに迫力を失うので、また別々に引き放して飾って見たりした、何の事はない相当重みのある陶器をけさからずっと動かしつづめにいた。

三階の家室生犀星30分以内11,442

三階の家は坂の中程にあった。

三階の家は坂の中程にあった。

神のない子室生犀星30分以内11,417

ミツは雨戸に鍵をかけて出かけたが、その前に勘三も仕事に出かけた。

ミツは雨戸に鍵をかけて出かけたが、その前に勘三も仕事に出かけた。

しゃりこうべ室生犀星30分以内4,010

電燈の下にいつでも座っているものは誰だろう、――いつだって、どういう時だって、まじまじと瞬きもしないでそれの光を眺めているか、もしくはその光を肩から腰へかけて受けているかして、そうして何時も眼に触れてくるものは、一たい何処の人間だろう、――かれはどういう時でも何か用事ありげな容子で動いているが、しかしその用事がなくなると凝然と座ってそして物を縫うとか、あるいは口をうごかしているとか、または指を折っ

電燈の下にいつでも座っているものは誰だろう、――いつだって、どういう時だって、まじまじと瞬きもしないでそれの光を眺めているか、もしくはその光を肩から腰へかけて受けているかして、そうして何時も眼に触れてくるものは、一たい何処の人間だろう、――かれはどういう時でも何か用事ありげな容子で動いているが、しかしその用事がなくなると凝然と座ってそして物を縫うとか、あるいは口をうごかしているとか、または指を折っ

舌を噛み切った女室生犀星30分以内11,696

京にのぼる供は二十人くらい、虫の垂衣で蔽うた馬上の女のすがたは、遠目にも朝涼の中で清艶を極めたものであった。

京にのぼる供は二十人くらい、虫の垂衣で蔽うた馬上の女のすがたは、遠目にも朝涼の中で清艶を極めたものであった。

あじゃり室生犀星30分以内11,181

下野富田の村の菊世という女は、快庵禅師にその時の容子を話して聞かした。

下野富田の村の菊世という女は、快庵禅師にその時の容子を話して聞かした。

お小姓児太郎室生犀星30分以内7,135

一  髪結弥吉は、朝のうちのお呼びで、明るい下り屋敷の詰所で、稚児小姓児太郎の朝髪のみだれを撫でつけていた。

一  髪結弥吉は、朝のうちのお呼びで、明るい下り屋敷の詰所で、稚児小姓児太郎の朝髪のみだれを撫でつけていた。

荻吹く歌室生犀星30分以内10,886

あしからじとてこそ人の別れけめ     何かなにはの浦はすみうき      大和物語  寝についてもいうことは何時もただ一つ、京にのぼり宮仕して一身を立てなおすことであった。

あしからじとてこそ人の別れけめ     何かなにはの浦はすみうき      大和物語  寝についてもいうことは何時もただ一つ、京にのぼり宮仕して一身を立てなおすことであった。

庭をつくる人室生犀星30分以内9,400

つくばい  つれづれ草に水は浅いほどよいと書いてある。

つくばい  つれづれ草に水は浅いほどよいと書いてある。

ヒッポドロム室生犀星30分以内5,903

曇天の灰白い天幕が三角型に、煉瓦の塔の際に、これも又曇った雪ぞらのように真寂しく張られてあった、風の激しい日で、風を胎んだ天幕の脚が、吹き上げられ、陰気な鳴りかぜが耳もとを掠めた、その隙間に、青い空が広濶とつづいていた。

曇天の灰白い天幕が三角型に、煉瓦の塔の際に、これも又曇った雪ぞらのように真寂しく張られてあった、風の激しい日で、風を胎んだ天幕の脚が、吹き上げられ、陰気な鳴りかぜが耳もとを掠めた、その隙間に、青い空が広濶とつづいていた。

わが愛する詩人の伝記(三)室生犀星30分以内11,550

萩原朔太郎の長女の葉子さんが、この頃或る同人雑誌に父朔太郎の思い出という一文を掲載、私はそれを読んで文章の巧みさがよく父朔太郎の手をにぎり締めていること、そして娘というものがいかに父親を油断なく、見守り続けているかに感心した。

萩原朔太郎の長女の葉子さんが、この頃或る同人雑誌に父朔太郎の思い出という一文を掲載、私はそれを読んで文章の巧みさがよく父朔太郎の手をにぎり締めていること、そして娘というものがいかに父親を油断なく、見守り続けているかに感心した。

〈我が愛する詩人の伝記〉(補遺)室生犀星30分以内11,218

佐藤惣之助  詩人佐藤惣之助は明治二十三年十二月三日、川崎市砂子の宿場脇本陣の旧家に生れ、私より一つ歳下であった。

佐藤惣之助  詩人佐藤惣之助は明治二十三年十二月三日、川崎市砂子の宿場脇本陣の旧家に生れ、私より一つ歳下であった。

巷の子室生犀星30分以内11,643

西洋封筒の手紙が一通他の郵便物に混じりこんでゐて、開いて見ると、わたくしはあなたのお作品が好きで大概の物は逃がさずに讀んでゐるが、好きといふことは作者の文章のくせのやうなものに、親身な知己を感じてゐるものらしく、そのくせのやうな所に讀んでまゐりますと、まるめこまれる自分の心の有樣がよく解りまして、そこで讀んでゆく速度をおさへてゐる間が大變に愉しうございます。

西洋封筒の手紙が一通他の郵便物に混じりこんでゐて、開いて見ると、わたくしはあなたのお作品が好きで大概の物は逃がさずに讀んでゐるが、好きといふことは作者の文章のくせのやうなものに、親身な知己を感じてゐるものらしく、そのくせのやうな所に讀んでまゐりますと、まるめこまれる自分の心の有樣がよく解りまして、そこで讀んでゆく速度をおさへてゐる間が大變に愉しうございます。

鉄の死室生犀星30分以内4,257

虎の子に似てゐたブルドツクの子どもは、鉄といひ、鉄ちやんと呼ばれてゐた。

虎の子に似てゐたブルドツクの子どもは、鉄といひ、鉄ちやんと呼ばれてゐた。

蛾室生犀星30分以内9,008

一  お川師堀武三郎の留守宅では、ちょうど四十九日の法事の読経も終って、湯葉や精進刺身のさかなで、もう坊さんが帰ってから小一時間も経ってからのことであった。

一  お川師堀武三郎の留守宅では、ちょうど四十九日の法事の読経も終って、湯葉や精進刺身のさかなで、もう坊さんが帰ってから小一時間も経ってからのことであった。

俳句は老人文学ではない室生犀星30分以内6,825

萩原朔太郎君がいつか「詩に別れた室生君へ」と題した僕に宛てた感想文のなかに、特に俳句が老年者の文学であつて恰も若い溌溂とした文学作品でないことを述べてあつたが、僕はこれを萩原君に答へずに置いたのは、この問題を釈くことが可成りに面倒であり簡単に言ひ尽せないからであつた。

萩原朔太郎君がいつか「詩に別れた室生君へ」と題した僕に宛てた感想文のなかに、特に俳句が老年者の文学であつて恰も若い溌溂とした文学作品でないことを述べてあつたが、僕はこれを萩原君に答へずに置いたのは、この問題を釈くことが可成りに面倒であり簡単に言ひ尽せないからであつた。

玉章室生犀星30分以内8,337

故郷にて保則様、十一月二十三日の御他界から百日の間、都に通じる松並木の道を毎夜参りますうちに、冬は過ぎ春がおとずれ、いまでは、もう、松の花の気はいがするようになりました。

故郷にて保則様、十一月二十三日の御他界から百日の間、都に通じる松並木の道を毎夜参りますうちに、冬は過ぎ春がおとずれ、いまでは、もう、松の花の気はいがするようになりました。

花桐室生犀星30分以内10,900

女が年上であるということが、女を悲しがらせ遠慮がちにならせる。

女が年上であるということが、女を悲しがらせ遠慮がちにならせる。