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室生犀星の全作品

青空文庫で公開されている室生犀星の全作品を、おすすめ人気順で表示しています。

1-50件 / 全60件
作品名著者読了時間人気
或る少女の死まで室生犀星
1時間〜
[#ページの左右中央]大正八年十一月[#改ページ]遠いところで私を呼ぶ声がするので、ふと眼をさますと、枕もとに宿のおかみが立っていた。
性に眼覚める頃室生犀星
1時間〜
[#ページの左右中央]大正八年十月[#改ページ]私は七十に近い父と一しょに、寂しい寺領の奥の院で自由に暮した。
幼年時代室生犀星
1時間〜
[#ページの左右中央]大正八年八月[#改ページ]私はよく実家へ遊びに行った。
ゆめの話室生犀星
10分以内
むかし加賀百万石の城下に、長町という武士町がありました。
あじゃり室生犀星
30分以内
下野富田の村の菊世という女は、快庵禅師にその時の容子を話して聞かした。
室生犀星
30分以内
お川師堀武三郎の留守宅では、ちょうど四十九日の法事の読経も終って、湯葉や精進刺身のさかなで、もう坊さんが帰ってから小一時間も経ってからのことであった。
幻影の都市室生犀星
1時間〜
かれは時には悩ましげな呉服店の広告画に描かれた殆(ほとん)ど普通の女と同じいくらいの、円い女の肉顔を人人が寝静まったころを見計って壁に吊るしたりしながら、飽くこともなく凝視めるか、そうでなければ、やはり俗悪な何とかサイダアのこれも同じい広告画を壁に張りつけるかして、にがい煙草をふかすかでなければ冷たい酒を何時までも飲みつづけるのである。
香爐を盗む室生犀星
60分以内
男が出かけようとすると、何時の間にか女が音もなく玄関に立っていて、茶色の帽子をさし出した。
三階の家室生犀星
60分以内
三階の家は坂の中程にあった。
しゃりこうべ室生犀星
30分以内
電燈の下にいつでも座っているものは誰だろう、――いつだって、どういう時だって、まじまじと瞬きもしないでそれの光を眺めているか、もしくはその光を肩から腰へかけて受けているかして、そうして何時も眼に触れてくるものは、一たい何処の人間だろう、――かれはどういう時でも何か用事ありげな容子で動いているが、しかしその用事がなくなると凝然と座ってそして物を縫うとか、あるいは口をうごかしているとか、または指を折って月日の暦を繰っているかしている、――かれのまわりには白い障子と沈丁花のような電燈とが下って...
天狗室生犀星
10分以内
城下の町なみは、古い樹木に囲まれていたため、よく、小間使いや女中、火の見仲間などが、夕方近い、うす暗がりのなかで、膝がしらを斬られた。
童子室生犀星
1時間〜
母親に脚気があるので母乳はいっさい飲まさぬことにした。
後の日の童子室生犀星
60分以内
夕方になると、一人の童子が門の前の、表札の剥げ落ちた文字を読み上げていた。
不思議な魚室生犀星
30分以内
漁師の子息の李一は、ある秋の日の暮れに町のある都へ書物を買いに出掛けました。
みずうみ室生犀星
60分以内
これは何となく人間の老境にかんじられるものを童話でも小説でも散文でもない姿であらわそうとしたものである。
抒情小曲集室生犀星
60分以内
序曲芽がつつ立つナイフのやうな芽がたつた一本すつきりと蒼空につつ立つ抒情詩の精神には音楽が有つ微妙な恍惚と情熱とがこもつてゐて人心に囁く。
老いたるえびのうた室生犀星
5分以内
けふはえびのように悲しい角やらひげやらとげやら一杯生やしてゐるがどれが悲しがつてゐるのか判らない。
陶古の女人室生犀星
60分以内
きょうも鬱々としてまた愉しく、何度も置きかえ、置く場所をえらび、光線の来るところに誘われて運び、或いはどうしても一個の形態でさだまらない場合、二つあてを捉え、二つの壺が相伴われて置かれると、二つともに迫力を失うので、また別々に引き放して飾って見たりした、何の事はない相当重みのある陶器をけさからずっと動かしつづめにいた。
蜜のあわれ室生犀星
1時間〜
一、あたいは殺されない「おじさま、お早うございます。
われはうたえども やぶれかぶれ室生犀星
1時間〜
詩を書くのにも一々平常からメモをとっている。
懸巣室生犀星
5分以内
何時か懸巣のことを本紙で書いたことがあるが、その後の彼女の真似声は一層種々につかい分けをして、殆ど、かぞえ切れないくらいである。
人真似鳥室生犀星
5分以内
懸巣は猛鳥で肉食鳥であるが、時々、爪を剪ってやるために籠から掴み出さなければならぬ。
名園の落水室生犀星
10分以内
曇つた十月の或る日。
洋灯はくらいか明るいか室生犀星
10分以内
新橋駅に降りた私はちいさな風呂敷包と、一本のさくらの洋杖を持つたきりであつた。
鉄の死室生犀星
30分以内
虎の子に似てゐたブルドツクの子どもは、鉄といひ、鉄ちやんと呼ばれてゐた。
とかげ室生犀星
10分以内
わたしの今住んでいるところは、川原につづいた貸家で庭には樹も草もない。
庭をつくる人室生犀星
30分以内
つくばいつれづれ草に水は浅いほどよいと書いてある。
俳句は老人文学ではない室生犀星
30分以内
萩原朔太郎君がいつか「詩に別れた室生君へ」と題した僕に宛てた感想文のなかに、特に俳句が老年者の文学であつて恰も若い溌溂とした文学作品でないことを述べてあつたが、僕はこれを萩原君に答へずに置いたのは、この問題を釈くことが可成りに面倒であり簡単に言ひ尽せないからであつた。
愛の詩集室生犀星
1時間〜
みまかりたまひし父上におくるいまは天にいまさむうつくしき微笑いまわれに映りて、我が眉みそらに昂る……。
螽蟖の記室生犀星
10分以内
きりぎりすは夜明けの四時になると鳴き止む。
交友録より室生犀星
5分以内
萩原朔太郎二十年の友。
笛と太鼓室生犀星
5分以内
子供ができてから半年ほど経つと、国の母から小包がとどき、ひらいてみると、小さい太鼓と笛とが入つてあつた。
冬の庭室生犀星
10分以内
冬になると庭を眺める時がすくない。
故郷を辞す室生犀星
60分以内
家のものが留守なんで一人で風呂の水汲をして、火を焚きつけいい塩梅にからだに温かさを感じた。
ザボンの実る木のもとに室生犀星
30分以内
女の童に就いて。
日本の庭室生犀星
10分以内
純日本的な美しさの最も高いものは庭である。
お小姓児太郎室生犀星
30分以内
髪結弥吉は、朝のうちのお呼びで、明るい下り屋敷の詰所で、稚児小姓児太郎の朝髪のみだれを撫(な)でつけていた。
蒼白き巣窟室生犀星
1時間〜
私はいつも其處の路次へ這入ると、あちこちの暗い穴のやうな通り拔けや、墨汁のやうな泥寧の小路から吐き出される種々な階級の人々を見た。
汽車で逢つた女室生犀星
30分以内
二丁目六十九番地といふのは、二軒の家を三軒にわけたやうな、入口にすぐ階段があつて、二階が上り口の四疊半から見上げられる位置にあつた。
「鶴」と百間先生室生犀星
5分以内
このごろ私の随筆集が出たので出版元から是非内田百間さんに批評風な紹介を書いて貰ひたいと頼むと、内田さんは以前室生さんがあまり褒めて呉れたので、改めて褒め返すことが変だといふ理由で控へられたさうである。
忘春詩集室生犀星
60分以内
[#ページの左右中央]佐藤惣之助兄におくる[#改ページ]忘春詩集序言この詩集がはしなく忘春と名づけられたのも、今から考へると何となく相応しいやうな気がする。
末野女室生犀星
60分以内
一人の吃りの男に、道順を尋ねる二人づれの男がゐて、道すぢのことで、三人が烈しく吃り合ひながら、あちらの道を曲るのだとか、こちらの小路からはいつて行くのだとか言つて、ちんぷん、かんぷん言葉が亂れて譯が判らなくなつて了つた。
巷の子室生犀星
60分以内
西洋封筒の手紙が一通他の郵便物に混じりこんでゐて、開いて見ると、わたくしはあなたのお作品が好きで大概の物は逃がさずに讀んでゐるが、好きといふことは作者の文章のくせのやうなものに、親身な知己を感じてゐるものらしく、そのくせのやうな所に讀んでまゐりますと、まるめこまれる自分の心の有樣がよく解りまして、そこで讀んでゆく速度をおさへてゐる間が大變に愉しうございます。
室生犀星
60分以内
齒醫者への出がけに、ななえが來た。
はるあはれ室生犀星
60分以内
むかし男がゐた。
帆の世界室生犀星
60分以内
私は女の裸體といふものをつねに怖れた。
京洛日記室生犀星
1時間〜
前書十年前に金澤にゐて京都の寺を見に出かけようとして、芥川龍之介君に手紙を出してその話をすると、簡單な京案内のやうなものを書いて呉れた。
芥川の原稿室生犀星
10分以内
まだそんなに親しい方ではなく、多分三度目くらいに訪ねた或日、芥川の書斎には先客があった。
荻吹く歌室生犀星
30分以内
あしからじとてこそ人の別れけめ何かなにはの浦はすみうき大和物語寝についてもいうことは何時もただ一つ、京にのぼり宮仕して一身を立てなおすことであった。
舌を噛み切った女室生犀星
60分以内
京にのぼる供は二十人くらい、虫の垂衣で蔽うた馬上の女のすがたは、遠目にも朝涼の中で清艶を極めたものであった。
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