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60分以内で読める室生犀星の中編作品

青空文庫で公開されている室生犀星の作品の中で、おおよその読了目安時間が「60分以内」の中編作品を、おすすめ人気順で表示しています。

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作品名著者読了時間人気
香爐を盗む室生犀星
60分以内
男が出かけようとすると、何時の間にか女が音もなく玄関に立っていて、茶色の帽子をさし出した。
三階の家室生犀星
60分以内
三階の家は坂の中程にあった。
後の日の童子室生犀星
60分以内
夕方になると、一人の童子が門の前の、表札の剥げ落ちた文字を読み上げていた。
みずうみ室生犀星
60分以内
これは何となく人間の老境にかんじられるものを童話でも小説でも散文でもない姿であらわそうとしたものである。
抒情小曲集室生犀星
60分以内
序曲芽がつつ立つナイフのやうな芽がたつた一本すつきりと蒼空につつ立つ抒情詩の精神には音楽が有つ微妙な恍惚と情熱とがこもつてゐて人心に囁く。
陶古の女人室生犀星
60分以内
きょうも鬱々としてまた愉しく、何度も置きかえ、置く場所をえらび、光線の来るところに誘われて運び、或いはどうしても一個の形態でさだまらない場合、二つあてを捉え、二つの壺が相伴われて置かれると、二つともに迫力を失うので、また別々に引き放して飾って見たりした、何の事はない相当重みのある陶器をけさからずっと動かしつづめにいた。
故郷を辞す室生犀星
60分以内
家のものが留守なんで一人で風呂の水汲をして、火を焚きつけいい塩梅にからだに温かさを感じた。
忘春詩集室生犀星
60分以内
[#ページの左右中央]佐藤惣之助兄におくる[#改ページ]忘春詩集序言この詩集がはしなく忘春と名づけられたのも、今から考へると何となく相応しいやうな気がする。
末野女室生犀星
60分以内
一人の吃りの男に、道順を尋ねる二人づれの男がゐて、道すぢのことで、三人が烈しく吃り合ひながら、あちらの道を曲るのだとか、こちらの小路からはいつて行くのだとか言つて、ちんぷん、かんぷん言葉が亂れて譯が判らなくなつて了つた。
巷の子室生犀星
60分以内
西洋封筒の手紙が一通他の郵便物に混じりこんでゐて、開いて見ると、わたくしはあなたのお作品が好きで大概の物は逃がさずに讀んでゐるが、好きといふことは作者の文章のくせのやうなものに、親身な知己を感じてゐるものらしく、そのくせのやうな所に讀んでまゐりますと、まるめこまれる自分の心の有樣がよく解りまして、そこで讀んでゆく速度をおさへてゐる間が大變に愉しうございます。
室生犀星
60分以内
齒醫者への出がけに、ななえが來た。
はるあはれ室生犀星
60分以内
むかし男がゐた。
帆の世界室生犀星
60分以内
私は女の裸體といふものをつねに怖れた。
舌を噛み切った女室生犀星
60分以内
京にのぼる供は二十人くらい、虫の垂衣で蔽うた馬上の女のすがたは、遠目にも朝涼の中で清艶を極めたものであった。
野に臥す者室生犀星
60分以内
経之の母御は朝のあいさつを交したあとに、ふしぎそうな面持でいった。
姫たちばな室生犀星
60分以内
はじめのほどは橘(たちばな)も何か嬉(うれ)しかった。
生涯の垣根室生犀星
60分以内
庭というものも、行きつくところに行きつけば、見たいものは整えられた土と垣根だけであった。
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