室生犀星の全作品

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作品名著者読了時間文字数人気書き出し
冠松次郎氏におくる詩室生犀星5分以内366

劔岳、冠松、ウジ長[#ルビの「ちよう」はママ]、熊のアシアト、雪渓、前劔 粉ダイヤと星、凍つた藍の山々、冠松、ヤホー、ヤホー、 廊下を下がる蜘蛛と人間、 冠松は廊下のヒダで自分のシワを作つた。

劔岳、冠松、ウジ長[#ルビの「ちよう」はママ]、熊のアシアト、雪渓、前劔 粉ダイヤと星、凍つた藍の山々、冠松、ヤホー、ヤホー、 廊下を下がる蜘蛛と人間、 冠松は廊下のヒダで自分のシワを作つた。

とかげ室生犀星10分以内3,018

わたしの今住んでいるところは、川原につづいた貸家で庭には樹も草もない。

わたしの今住んでいるところは、川原につづいた貸家で庭には樹も草もない。

巷の子室生犀星30分以内11,643

西洋封筒の手紙が一通他の郵便物に混じりこんでゐて、開いて見ると、わたくしはあなたのお作品が好きで大概の物は逃がさずに讀んでゐるが、好きといふことは作者の文章のくせのやうなものに、親身な知己を感じてゐるものらしく、そのくせのやうな所に讀んでまゐりますと、まるめこまれる自分の心の有樣がよく解りまして、そこで讀んでゆく速度をおさへてゐる間が大變に愉しうございます。

西洋封筒の手紙が一通他の郵便物に混じりこんでゐて、開いて見ると、わたくしはあなたのお作品が好きで大概の物は逃がさずに讀んでゐるが、好きといふことは作者の文章のくせのやうなものに、親身な知己を感じてゐるものらしく、そのくせのやうな所に讀んでまゐりますと、まるめこまれる自分の心の有樣がよく解りまして、そこで讀んでゆく速度をおさへてゐる間が大變に愉しうございます。

鉄の死室生犀星30分以内4,257

虎の子に似てゐたブルドツクの子どもは、鉄といひ、鉄ちやんと呼ばれてゐた。

虎の子に似てゐたブルドツクの子どもは、鉄といひ、鉄ちやんと呼ばれてゐた。

はるあはれ室生犀星60分以内18,966

むかし男がゐた。

むかし男がゐた。

蛾室生犀星30分以内9,008

一  お川師堀武三郎の留守宅では、ちょうど四十九日の法事の読経も終って、湯葉や精進刺身のさかなで、もう坊さんが帰ってから小一時間も経ってからのことであった。

一  お川師堀武三郎の留守宅では、ちょうど四十九日の法事の読経も終って、湯葉や精進刺身のさかなで、もう坊さんが帰ってから小一時間も経ってからのことであった。

童子室生犀星1時間〜32,780

一  母親に脚気があるので母乳はいっさい飲まさぬことにした。

一  母親に脚気があるので母乳はいっさい飲まさぬことにした。

懸巣室生犀星5分以内1,416

何時か懸巣のことを本紙で書いたことがあるが、その後の彼女の真似声は一層種々につかい分けをして、殆ど、かぞえ切れないくらいである。

何時か懸巣のことを本紙で書いたことがあるが、その後の彼女の真似声は一層種々につかい分けをして、殆ど、かぞえ切れないくらいである。

人真似鳥室生犀星5分以内1,315

懸巣は猛鳥で肉食鳥であるが、時々、爪を剪ってやるために籠から掴み出さなければならぬ。

懸巣は猛鳥で肉食鳥であるが、時々、爪を剪ってやるために籠から掴み出さなければならぬ。

名園の落水室生犀星10分以内3,725

曇つた十月の或る日。

曇つた十月の或る日。

洋灯はくらいか明るいか室生犀星10分以内3,058

新橋駅に降りた私はちいさな風呂敷包と、一本のさくらの洋杖を持つたきりであつた。

新橋駅に降りた私はちいさな風呂敷包と、一本のさくらの洋杖を持つたきりであつた。

俳句は老人文学ではない室生犀星30分以内6,825

萩原朔太郎君がいつか「詩に別れた室生君へ」と題した僕に宛てた感想文のなかに、特に俳句が老年者の文学であつて恰も若い溌溂とした文学作品でないことを述べてあつたが、僕はこれを萩原君に答へずに置いたのは、この問題を釈くことが可成りに面倒であり簡単に言ひ尽せないからであつた。

萩原朔太郎君がいつか「詩に別れた室生君へ」と題した僕に宛てた感想文のなかに、特に俳句が老年者の文学であつて恰も若い溌溂とした文学作品でないことを述べてあつたが、僕はこれを萩原君に答へずに置いたのは、この問題を釈くことが可成りに面倒であり簡単に言ひ尽せないからであつた。

笛と太鼓室生犀星5分以内839

子供ができてから半年ほど経つと、国の母から小包がとどき、ひらいてみると、小さい太鼓と笛とが入つてあつた。

子供ができてから半年ほど経つと、国の母から小包がとどき、ひらいてみると、小さい太鼓と笛とが入つてあつた。

冬の庭室生犀星10分以内2,722

冬になると庭を眺める時がすくない。

冬になると庭を眺める時がすくない。

故郷を辞す室生犀星60分以内14,731

家のものが留守なんで一人で風呂の水汲をして、火を焚きつけいい塩梅にからだに温かさを感じた。

家のものが留守なんで一人で風呂の水汲をして、火を焚きつけいい塩梅にからだに温かさを感じた。

鞄室生犀星60分以内12,370

朝の九時に鐵のくぐりを出た打木田は、それでも、しばらく立つて誰か迎へに來てゐるだらうかと、あちこち見※したが、やはりさとえは來てゐなかつた。

朝の九時に鐵のくぐりを出た打木田は、それでも、しばらく立つて誰か迎へに來てゐるだらうかと、あちこち見※したが、やはりさとえは來てゐなかつた。

玉章室生犀星30分以内8,337

故郷にて保則様、十一月二十三日の御他界から百日の間、都に通じる松並木の道を毎夜参りますうちに、冬は過ぎ春がおとずれ、いまでは、もう、松の花の気はいがするようになりました。

故郷にて保則様、十一月二十三日の御他界から百日の間、都に通じる松並木の道を毎夜参りますうちに、冬は過ぎ春がおとずれ、いまでは、もう、松の花の気はいがするようになりました。

津の国人室生犀星1時間〜33,326

あらたまの年の三年を待ちわびて     ただ今宵こそにひまくらすれ  津の国兎原の山下に小さい家を作って住んでいた彼に、やっと宮仕えする便りが訪ずれた。

あらたまの年の三年を待ちわびて     ただ今宵こそにひまくらすれ  津の国兎原の山下に小さい家を作って住んでいた彼に、やっと宮仕えする便りが訪ずれた。

花桐室生犀星30分以内10,900

女が年上であるということが、女を悲しがらせ遠慮がちにならせる。

女が年上であるということが、女を悲しがらせ遠慮がちにならせる。

姫たちばな室生犀星60分以内19,455

はじめのほどは橘も何か嬉しかった。

はじめのほどは橘も何か嬉しかった。