60分以内で読める青空文庫の中編作品
青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「60分以内」の中編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「60分以内」の中編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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チロルの秋(一幕) | 岸田国士 | 60分以内 | |
時一九二〇年の晩秋処墺伊の国境に近きチロル・アルプスの小邑コルチナ。 | |||
麺麭屋文六の思案(二場) | 岸田国士 | 60分以内 | |
人物文六五十五歳おせい―その妻四十五歳廉太―その悴二十三歳おちか―その娘十七歳常吉―丁稚十六歳京作―止宿人四十二歳万籟―新聞記者三十八歳時大正×十×年の冬処首都の場末[#改ページ]第一場麺麭屋の店に続きたる茶の間。 | |||
頸の上のアンナ | アントン・チェーホフ | 60分以内 | |
結婚式のあとではちょっとした茶菓さえ出なかった。 | |||
千里駒後日譚 | 川田瑞穂 | 60分以内 | |
川田雪山、聞書「土陽新聞」連載、明治三十二年十一月(一回)御一新前土佐藩から出て天下を横行した海援隊の隊長に阪本龍馬と云ふ豪傑が有つて、又其妻に楢崎お龍と云ふ美人で才女で、加之に豪胆不敵な女のあつた事は諸君善く御承知でせう、其お龍が今猶ほ健固で相州横須賀に住んで居る。 | |||
亜剌比亜人エルアフイ | 犬養健 | 60分以内 | |
マラソン競走の優勝者、仏蘭西領アルジェリイ生れのエルアフイは少しばかり跛足を引きながら地下室の浴場に入つた。 | |||
愚かな父 | 犬養健 | 60分以内 | |
月のいゝ晩がつゞく。 | |||
無月物語 | 久生十蘭 | 60分以内 | |
後白河法皇の院政中、京の加茂の川原でめずらしい死罪が行われた。 | |||
地異印象記 | 和辻哲郎 | 60分以内 | |
(大正十二年九月)大正十二年ごろ関東地方に大地震がある、ということをある権威ある地震学者が予言したと仮定する。 | |||
熊 | アントン・チェーホフ | 60分以内 | |
――N・N・ソロフツォーフに捧げる人物ポポー※(エレーナ・イ※ーノヴナ)両頬にエクボのある若い未亡人、女地主スミルノーフ(グリゴーリイ・ステパーノヴィチ)中年の地主ルカーポポー※の従僕、老人舞台は、ポポー※の地主屋敷の客間。 | |||
牡丹灯籠 牡丹灯記 | 田中貢太郎 | 60分以内 | |
日本の幽霊は普通とろとろと燃える焼酎火の上にふうわりと浮いていて、腰から下が無いことになっているが、有名な円朝の牡丹燈籠では、それがからこんからこんと駒下駄の音をさして生垣の外を通るので、ちょっと異様な感じを与えるとともに、そのからこんからこんの下駄の音は、牡丹燈籠を読んだ者の神経に何時までも遺っていて消えない。 | |||
港の妖婦 | 田中貢太郎 | 60分以内 | |
※(きれい)山根謙作は三の宮の停留場を出て海岸のほうへ歩いていた。 | |||
水魔 | 田中貢太郎 | 60分以内 | |
※(きれい)暖かな宵の口であった。 | |||
妖影 | 田中貢太郎 | 60分以内 | |
※(ぎれい)私はこの四五年、欲しい欲しいと思っていた「子不語」を手に入れた。 | |||
明日は天気(二場) | 岸田国士 | 60分以内 | |
夫妻宿の女中甲宿の女中乙風呂番番頭[#改ページ]真夏――雨の日ある海岸の旅館――海を見晴らせる部屋夫(腹這ひになり、泳ぎの真似をしてゐる)妻(絵葉書を出す先を考へてゐる)女中(はひつて来る)夫(泳ぎの真似をやめて、新聞を読んでゐる風をする)女中ほんたうに毎日お天気がわるくつて、御退屈でございませう。 | |||
傀儡の夢(五場) | 岸田国士 | 60分以内 | |
有田浩三妻倉子書生水垣小間使銀下働滝水垣の友竹中[#改ページ]有田浩三の書斎。 | |||
空の赤きを見て | 岸田国士 | 60分以内 | |
人物周蔵周兼子美代医師宮下東京の裏町――周蔵一家の住居座敷に通ずる茶の間[#改ページ]座敷は周蔵の病室になつてゐる。 | |||
動員挿話(二幕) | 岸田国士 | 60分以内 | |
人物宇治少佐従卒太田馬丁友吉少佐夫人鈴子友吉妻数代女中よし時明治三十七年の夏所東京[#改ページ]第一幕宇治少佐の居間――夕刻従卒太田(騎兵一等卒)が軍用鞄の整理をしてゐる。 | |||
動員挿話[第一稿] | 岸田国士 | 60分以内 | |
宇治少佐鈴子夫人馬丁友吉妻お種従卒太田女中よし明治三十七年の夏東京[#改ページ]第一場宇治少佐の居間。 | |||
留守(一幕) | 岸田国士 | 60分以内 | |
中流家庭の茶の間――奥の障子を隔てて台所――衣桁には、奥さんの不断着が、だらしなく掛かり、鏡台の上には、化粧品の瓶が、蓋を開けたまま乱雑に並んでゐる。 | |||
死生に関するいくつかの断想 | 小泉八雲 | 60分以内 | |
七月二五日。 | |||
菜の花月夜 | 片岡鉄兵 | 60分以内 | |
巨大な高原だ。 | |||
新頌 | 北原白秋 | 60分以内 | |
[#ページの左右中央]海道東征[#改ページ]海道東征第一章高千穂男声(独唱竝に合唱)神坐(ま)しき、蒼空と共に高く、み身坐(ま)しき、皇祖。 | |||
アルカプトン尿の発現 | アーチボルド・ギャロッド | 60分以内 | |
アーチボルド・ギャロッドMAオクスフォード大学MDグレート・オーモンド街小児病院医師、聖バーソロミュー病院化学病理学・実地授業助手ランセット誌pp.1616-1620(1902)よりアルカプトン尿症についての最近の研究は、この病態で不変な特性はホモゲンチジン酸(*2,5−ジヒドロキシフェニル酢酸)の排泄であり、アルカプトン(*アルカリ+掴まえる)尿の特別な性質、すなわちアルカリが存在し空気があると暗黒色になり、布を深く染め、金属塩を還元する能力を持つことは... | |||
熟語本位英和中辞典 | 斎藤秀三郎 | 60分以内 | |
Y(ワイ)口蓋音子音字の一。 | |||
三国志 | 吉川英治 | 60分以内 | |
諸葛菜三国鼎立の大勢は、ときの治乱が起した大陸分権の自然な風雲作用でもあったが、その創意はもともと諸葛孔明という一人物の胸底から生れ出たものであることは何としても否みがたい。 | |||
増長天王 | 吉川英治 | 60分以内 | |
山目付こんな奥深い峡谷は、町から思うと寒い筈だが、案外冷たい風もなく、南勾配を選って山歩きをしていると草萌頃のむしむしとする地息に、毛の根が痒(かゆ)くなる程な汗を覚える。 | |||
醤油仏 | 吉川英治 | 60分以内 | |
五月雨は人を殺す?……人入れ渡世の銅鑼屋の亀さんの部屋にいる、日傭取の人足達も、七人が七人とも雨で、十日も仕事にあぶれて、みんな婆羅門の行者みたいに目を凹ましていた。 | |||
八寒道中 | 吉川英治 | 60分以内 | |
笛は孤独でたのしめる。 | |||
治郎吉格子 | 吉川英治 | 60分以内 | |
立つ秋湯槽のなかに眼を閉じていても、世間のうごきはおよそわかる――。 | |||
脚 | 吉川英治 | 60分以内 | |
飢餓山河「彦太承知だの」「む、行く」「二十日の寄合いにゃ、きっと、顔を出してくれや。 | |||
べんがら炬燵 | 吉川英治 | 60分以内 | |
雪の後北がわの屋根には、まだ雪が残っているのであろう、廂(ひさし)の下から室内は、広いので、灯がほしいほど薄暗いが、南の雀口にわずかばかりつよい陽の光が刎(は)ね返っていた。 | |||
大谷刑部 | 吉川英治 | 60分以内 | |
馬と兵と女七月の上旬である。 | |||
鬼 | 吉川英治 | 60分以内 | |
「――お待ちかねでいらっしゃる。 | |||
春の雁 | 吉川英治 | 60分以内 | |
春の雁(かり)からっとよく晴れた昼間ほど、手持ち不沙汰にひっそりしている色街であった。 | |||
〔編輯余話〕 | 牧野信一 | 60分以内 | |
入社の辞〔『少女』〕私はこの七月から入社いたし皆様のために働くことゝなりました。 | |||
浪曼的月評 | 牧野信一 | 60分以内 | |
今月、雑誌を手にとるがいなや、自分が評家の立場であるなしにかゝはらず、待ちかまへて読んだものが、三つもあつたことは大変に愉快でした。 | |||
闘戦勝仏 | 牧野信一 | 60分以内 | |
玄奘三蔵法師が或日、孫悟空に向つて、「汝の勇と智は天上天下に許されてゐる、天の魔も地の鬼も、汝の黒一毛にも及ばない。 | |||
白明 | 牧野信一 | 60分以内 | |
医院を開いてゐた隆造の叔父が発狂して、それも他所目にはさうとも見られる程でもなかつたが職業柄もあつたし、家内の者達への狂暴は募るばかりで「酒癖が悪い」位ゐでは包み終せなくなつて、漸くのこと、三月ばかり前にS癲狂院へ入院させて以来――毎晩のやうに同じやうな叔母の愚痴話の相手になつて、隆造は夜を更さなければならなかつた。 | |||
公園へ行く道 | 牧野信一 | 60分以内 | |
「散髪して来よう。 | |||
坂道の孤独参昧 | 牧野信一 | 60分以内 | |
何故俺は些う迄性のない愚図なんだらう、これツぱかりの事を何も思ひ惑ふにはあたらない、手取り早く仕度さへすれば二時間も掛らないで出来上る……が、純造は「明日こそは――」と叱るやうに決心した。 | |||
眠い一日 | 牧野信一 | 60分以内 | |
「電灯を点けて煙草を喫かす、喫ひ終ると再び灯りを消してスツポリと夜着を頭から引き被る――真暗だ。 | |||
夏の日の夢 | 小泉八雲 | 60分以内 | |
その旅館は、楽園のように思えたし、女中たちも天女のようだった。 | |||
半日 | 森鴎外 | 60分以内 | |
六疊の間に、床を三つ並べて取つて、七つになる娘を眞中に寢かして、夫婦が寢てゐる。 | |||
世間師 | 小栗風葉 | 60分以内 | |
それは私がまだ二十前の時であった。 | |||
春雪の出羽路の三日 | 喜田貞吉 | 60分以内 | |
思いのほかの雪中旅行昨年十一月に始めて出羽の踏査に着手したその続きを、この春の休暇中にやってみたいと思っている折から、山形県史蹟名勝天然記念物調査委員会の開会式が行われるので、やって来ぬかと理事官の有吉君から言って来られた。 | |||
香爐を盗む | 室生犀星 | 60分以内 | |
男が出かけようとすると、何時の間にか女が音もなく玄関に立っていて、茶色の帽子をさし出した。 | |||
三階の家 | 室生犀星 | 60分以内 | |
三階の家は坂の中程にあった。 | |||
後の日の童子 | 室生犀星 | 60分以内 | |
夕方になると、一人の童子が門の前の、表札の剥げ落ちた文字を読み上げていた。 | |||
みずうみ | 室生犀星 | 60分以内 | |
これは何となく人間の老境にかんじられるものを童話でも小説でも散文でもない姿であらわそうとしたものである。 | |||
隣の花 | 岸田国士 | 60分以内 | |
郊外にある例の小住宅向き二軒長屋。 |