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増長天王

吉川英治

『増長天王』は青空文庫で公開されている吉川英治の中編作品。13,224文字で、おおよそ60分以内で読むことができます。
文字数
60分以内
13,224文字
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書出

山目付こんな奥深い峡谷は、町から思うと寒い筈だが、案外冷たい風もなく、南勾配を選って山歩きをしていると草萌頃のむしむしとする地息に、毛の根が痒(かゆ)くなる程な汗を覚える。

初出「サンデー毎日 春季特別号」1927(昭和2)年4月1日
底本治郎吉格子 名作短編集(一)
表記
新字新仮名
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