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60分以内で読める久生十蘭の中編作品

青空文庫で公開されている久生十蘭の作品の中で、おおよその読了目安時間が「60分以内」の中編作品を、おすすめ人気順で表示しています。

1-50件 / 全53件
作品名著者読了時間人気
顎十郎捕物帳久生十蘭
60分以内
不知森もう秋も深い十月の中旬。
ノンシャラン道中記久生十蘭
60分以内
一九二九年の夏、大西洋に面した西仏蘭西の沿岸にある離れ小島に、二人の東洋人がやって来た。
キャラコさん久生十蘭
60分以内
風がまだ冷たいが、もう、すっかり春の気候で、湖水は青い空をうつして、ゆったりとくつろいでいる。
ノンシャラン道中記久生十蘭
60分以内
一、タヌはコン吉に雀の説教。
ノンシャラン道中記久生十蘭
60分以内
一、誦(ず)するはこれ極楽浄土の歌。
顎十郎捕物帳久生十蘭
60分以内
獅子噛春がすみ。
黒い手帳久生十蘭
60分以内
黒いモロッコ皮の表紙をつけた一冊の手帳が薄命なようすで机の上に載っている。
鈴木主水久生十蘭
60分以内
享保十八年、九月十三日の朝、四谷塩町のはずれに小さな道場をもって、義世流の剣道を指南している鈴木伝内が、奥の小座敷で茶を飲みながら、築庭の秋草を見ているところへ、伜(せがれ)の主水が入ってきて、さり気ないようすで庭をながめだした。
予言久生十蘭
60分以内
安部忠良の家は十五銀行の破産でやられ、母堂と二人で、四谷谷町の陽あたりの悪い二間きりのボロ借家に逼塞していた。
春雪久生十蘭
60分以内
四月七日だというのに雪が降った。
虹の橋久生十蘭
60分以内
北川千代は栃木刑務所で服役中の受刑者で、公訴の罪名は傷害致死、刑期は六年、二十八年の三月に確定し、小菅の東京拘置所から栃木刑務所に移され、その年の七月に所内で女児を分娩した。
雪間久生十蘭
60分以内
宮ノ下のホテルを出たときは薄月が出ていたが、秋の箱根の天気癖で、五分もたたないうちに霧がかかってきた。
奥の海久生十蘭
60分以内
京都所司代、御式方頭取、阪田出雲の下役に堀金十郎という渡り祐筆がいた。
三界万霊塔久生十蘭
60分以内
深尾好三はゆたかに陽のさしこむ広縁の籐椅子の中で背を立てた。
カストリ侯実録久生十蘭
60分以内
全十二巻の厖大な艶笑自叙伝「回想録」M※moires を書くことに生涯を費した色情的好事家ジォウァンニ・ヤコポ・カサノヴァと霊媒術をもってルイ十六世の宮廷で華々しい成功をし、「マリイ・アントアネットの首飾事件」に連坐してバスチーユに繋がれ、後、ローマで獄死した天才詐欺師バルサモ・ディオ・カリオストロ伯爵とルイ・シャルル・ド・カストリ侯爵の三人をある小史作者は十八世紀末から十九世紀中頃までの三大変種といっている。
フランス伯N・B久生十蘭
60分以内
そのころセント・ヘレナという島にはなにか恐しい悪気があって、二年目にはかならず死んでしまうといわれていた。
南極記久生十蘭
60分以内
一九二八年(昭和三)の十二月二十九日、三発のフォッカー機で、西経百五十度の線を南極の極点に向って飛んでいるとき、南緯八十度附近の大氷原の上で、見せかけの花むらのような世にも鮮かな焔色したものがバード大佐の視覚をかすめた。
泡沫の記久生十蘭
60分以内
森鴎外の「独逸日記」(明治十七年十月から二十一年五月にいたる)の十九年六月のところに次のような記述がある。
青髯二百八十三人の妻久生十蘭
60分以内
前大戦が終った翌年、まだ冬のままの二月のはじめ、パリの山手のレストランで働いているジャンヌ・ラコストという娘が、この十カ月以来、消息不明になっている姉のマダム・ビュイッソンの所在をたずねていた。
顎十郎捕物帳久生十蘭
60分以内
馬の尻尾「はて、いい天気だの」紙魚くいだらけの古帳面を、部屋いっぱいにとりちらしたなかで、乾割れた、蠅のくそだらけの床柱に凭れ、ふところから手の先だけを出し、馬鹿長い顎の先をつまみながら、のんびりと空を見あげている。
顎十郎捕物帳久生十蘭
60分以内
藤波友衛坊主畳を敷いた長二十畳で、部屋のまんなかに大きな囲炉裏が切ってある。
顎十郎捕物帳久生十蘭
60分以内
左きき「こりゃ、ご書見のところを……」「ふむ」書見台から顔をあげると、蒼みわたった、鬢(びん)の毛のうすい、鋭い顔をゆっくりとそちらへ向け、「おお、千太か。
顎十郎捕物帳久生十蘭
60分以内
新酒「……先生、お茶が入りました」「う、う、う」「だいぶと、おひまのようですね。
顎十郎捕物帳久生十蘭
60分以内
賜氷の節「これ、押すな、押すな。
顎十郎捕物帳久生十蘭
60分以内
二の字の傷恒例の鶴御成は、いよいよ明日にせまったので、月番、北町奉行永井播磨守が、城内西の溜(たまり)で南町奉行池田甲斐守と道中警備の打ちあわせをしているところへ、「阿部さまが、至急のお召し」と、お茶坊主が迎えに来た。
顎十郎捕物帳久生十蘭
60分以内
客の名札勝色定紋つきの羽二重の小袖に、茶棒縞の仙台平の袴を折目高につけ、金無垢の縁頭に秋草を毛彫りした見事な脇差を手挾んでいる。
顎十郎捕物帳久生十蘭
60分以内
神隠しもう子刻に近い。
顎十郎捕物帳久生十蘭
60分以内
初鰹「船でい」「おお、船だ船だ」「鰹をやれ、鰹をやれ」「運のいい畜生だ」「おうい、和次郎ぬし、船だぞい、おも舵だ」文久二年四月十七日、伊豆国賀茂郡松崎村の鰹船が焼津の沖で初鰹を釣り、船梁もたわむほどになって相模灘を突っ走る。
顎十郎捕物帳久生十蘭
60分以内
夕立の客「……向島は夕立の名所だというが、こりゃア、悪いときに降りだした」「佐原屋は、さぞ難儀していることだろう。
顎十郎捕物帳久生十蘭
60分以内
金の鱗(うろこ)看月も、あと二三日。
顎十郎捕物帳久生十蘭
60分以内
恍(とぼ)けた手紙「……手紙のおもむき、いかにも承知。
顎十郎捕物帳久生十蘭
60分以内
あぶれ駕籠「やけに吹きっつぁらしますね」「うるるる、これはたまらん。
顎十郎捕物帳久生十蘭
60分以内
角地争い六月十五日の四ツ半(夜の十一時)ごろ、浅草柳橋二丁目の京屋吉兵衛の家から火が出、京屋を全焼して六ツ(十二時)過ぎにようやくおさまった。
顎十郎捕物帳久生十蘭
60分以内
二十六夜待七月二十六日は二十六夜待で、芝高輪、品川、築地の海手、深川洲崎、湯島天神の境内などにはほとんど江戸じゅうの老若が日暮まえから押しだして月の出を待つ。
顎十郎捕物帳久生十蘭
60分以内
花婿二十四日の亀戸天神様のお祭の夜からふりだした雨が、三十一日になっても降りやまない。
顎十郎捕物帳久生十蘭
60分以内
お姫様「なんだ、なんだ、てめえら。
顎十郎捕物帳久生十蘭
60分以内
はやり物谷中、藪下の菊人形。
顎十郎捕物帳久生十蘭
60分以内
府中「……すみませんねえ。
顎十郎捕物帳久生十蘭
60分以内
朝風呂阿古十郎ことアコ長。
犂氏の友情久生十蘭
60分以内
山川石亭先生が、蒼(あお)い顔をして入って来た。
平賀源内捕物帳久生十蘭
60分以内
十六日の朝景色薄い靄(もや)の中に、応挙風の朱盆のような旭(あさひ)がのぼり、いかにもお正月らしいのどかな朝ぼらけ。
平賀源内捕物帳久生十蘭
60分以内
普賢菩薩のお白象チャッチャッチキチ、チャッチキチ、ヒイヤラヒイヤラ、テテドンドン……「夏祭だ」「夏祭だ」「天下祭でい」「御用祭だ」「練って来た、練って来た。
平賀源内捕物帳久生十蘭
60分以内
朱房銀※(しゅぶさぎんづか)の匕首源内先生は旅姿である。
キャラコさん久生十蘭
60分以内
しばらくね、というかわりに、左手を気取ったようすで頬にあて、微笑しながら、黙って立っている。
キャラコさん久生十蘭
60分以内
まだ十時ごろなので、水がきれいで、明るい海底の白い砂に波の動きがはっきり映る。
キャラコさん久生十蘭
60分以内
……それは、三十四五の、たいへんおおまかな感じの夫人で、大きな蘭の花の模様のついたタフタを和服に仕立て、黄土色の無地の帯を胸さがりにしめているといったふうなかたです。
キャラコさん久生十蘭
60分以内
麻布竜土町の沼間家の広い客間に、その夜、大勢のひとが集まっていた。
ノンシャラン道中記久生十蘭
60分以内
一、天機洩(も)らすべからず花合戦の駆引き。
ノンシャラン道中記久生十蘭
60分以内
一、ココナットから象が出る馬耳塞の朝景色。
ノンシャラン道中記久生十蘭
60分以内
一、鼻には鼻、耳には耳――現品取引。
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