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久生十蘭の全作品

青空文庫で公開されている久生十蘭の全作品を、おすすめ人気順で表示しています。

1-50件 / 全99件
作品名著者読了時間人気
キャラコさん久生十蘭
1時間〜
青い波のうねりに、初島がポッカリと浮んでいる。
顎十郎捕物帳久生十蘭
60分以内
不知森もう秋も深い十月の中旬。
キャラコさん久生十蘭
1時間〜
雲ひとつない紺碧の空。
ノンシャラン道中記久生十蘭
60分以内
一九二九年の夏、大西洋に面した西仏蘭西の沿岸にある離れ小島に、二人の東洋人がやって来た。
あなたも私も久生十蘭
1時間〜
クラゲの海夏は終ったが、まだ秋ではない、その間ぐらいの季節……沖波が立ち、海はクラゲの花園になっている。
キャラコさん久生十蘭
60分以内
風がまだ冷たいが、もう、すっかり春の気候で、湖水は青い空をうつして、ゆったりとくつろいでいる。
墓地展望亭久生十蘭
1時間〜
巴里の山の手に、ペール・ラシェーズという広い墓地があって、そのうしろの小高い岡の上に、≪Belle-vue de Tombeau(ベル・ビュウ・ド・トンボウ)≫という、一風変った名の喫茶店がある。
ノンシャラン道中記久生十蘭
60分以内
一、タヌはコン吉に雀の説教。
ノンシャラン道中記久生十蘭
60分以内
一、誦(ず)するはこれ極楽浄土の歌。
顎十郎捕物帳久生十蘭
60分以内
獅子噛春がすみ。
黒い手帳久生十蘭
60分以内
黒いモロッコ皮の表紙をつけた一冊の手帳が薄命なようすで机の上に載っている。
海豹島久生十蘭
1時間〜
二日ほど前から近年にない強い北々風が吹き荒れ、今日もやまない。
鈴木主水久生十蘭
60分以内
享保十八年、九月十三日の朝、四谷塩町のはずれに小さな道場をもって、義世流の剣道を指南している鈴木伝内が、奥の小座敷で茶を飲みながら、築庭の秋草を見ているところへ、伜(せがれ)の主水が入ってきて、さり気ないようすで庭をながめだした。
魔都久生十蘭
1時間〜
第一回一、古市加十[#「古市加十」は底本では「古川加十」]、月を見る事並に美人の嬌態の事甲戌の歳も押詰って、今日は一年のドンじりという極月の卅一日、電飾眩ゆい東京会館の大玄関から、一種慨然たる面持で立ち現われて来た一人の人物。
黄泉から久生十蘭
30分以内
「九時二十分……」新橋のホームで、魚返光太郎が腕時計を見ながらつぶやいた。
予言久生十蘭
60分以内
安部忠良の家は十五銀行の破産でやられ、母堂と二人で、四谷谷町の陽あたりの悪い二間きりのボロ借家に逼塞していた。
野萩久生十蘭
30分以内
出かけるはずの時間になったが、安は来ない。
春雪久生十蘭
60分以内
四月七日だというのに雪が降った。
西林図久生十蘭
30分以内
冬木が縁の日向に坐って、懐手でぼんやりしているところへ、俳友の冬亭がビールと葱をさげてきて、今日はツル菜鍋をやりますといった。
復活祭久生十蘭
30分以内
二時半に食堂部が終ると、外套置場と交換台に当番をおいてレジスターやルーム・メイドが食事に行く。
蝶の絵久生十蘭
1時間〜
終戦から四年となると、復員祝いも間のぬけた感じだったが、山川花世の帰還が思いがけなかったせいか、いろいろな顔が集まった。
姦(かしまし)久生十蘭
30分以内
いつお帰りになって?……昨夜?よかったわ、間にあって……ちょいと咲子さん、昨日、大阪から久能志貴子がやってきたの。
白雪姫久生十蘭
30分以内
ある夏、阿曽祐吉という男が、新婚匆々の細君を携帯して、アルプスのシャモニーへ煙霞の旅としゃれたのはよかったが、合※(ごうきん)の夢もまだ浅い新妻が、ネヴェという質のわるい濡れ雪を踏みそくなって、底知れぬ氷河の割目に嚥みこまれてしまった。
新西遊記久生十蘭
1時間〜
宇治黄檗山の山口智海という二十六歳の学侶が西蔵へ行って西蔵訳の大蔵経(一切経または蔵経、仏教の典籍一切を分類編纂したもの)をとって来ようと思いたち、五百三十円の餞別を懐ろに、明治卅年の六月廿五日、神戸を発って印度のカルカッタに向った。
湖畔久生十蘭
1時間〜
この夏、拠処ない事情があって、箱根蘆ノ湖畔三ツ石の別荘で貴様の母を手にかけ、即日、東京検事局に自訴して出た。
ひどい煙久生十蘭
30分以内
飯倉の西にあたる麻布勝手ヶ原は、太田道灌が江戸から兵を出すとき、いつもここで武者揃えをしたよし、風土記に見えている。
春の山久生十蘭
30分以内
蘆田周平はサンルームのつづきの日向くさい絨氈の上に寝ころがり、去年の冬から床のうえに放りだしてあった絵葉書を拾いあげた。
川波久生十蘭
30分以内
第二次大戦がはじまった年の七月の午後、大電流部門の発送関係の器材の受渡しをするため、近くドイツに行くことになっていた大電工業の和田宇一郎が、会社の帰りに並木通りの「アラスカ」のバアへ寄ると、そこで思いがけなく豊川治兵衛に行きあった。
一の倉沢久生十蘭
30分以内
正午のラジオニュースで、菱苅安夫は長男の安一郎が谷川岳で遭難したことを知った。
虹の橋久生十蘭
60分以内
北川千代は栃木刑務所で服役中の受刑者で、公訴の罪名は傷害致死、刑期は六年、二十八年の三月に確定し、小菅の東京拘置所から栃木刑務所に移され、その年の七月に所内で女児を分娩した。
雪間久生十蘭
60分以内
宮ノ下のホテルを出たときは薄月が出ていたが、秋の箱根の天気癖で、五分もたたないうちに霧がかかってきた。
藤九郎の島久生十蘭
30分以内
享保四年の秋、遠州新居の筒山船に船頭左太夫以下、楫取、水夫十二人が乗組んで南部へ米を運んだ帰り、十一月末、運賃材木を積んで宮古港を出帆、九十九里浜の沖合まで来たところで、にわかの時化に遭った。
奥の海久生十蘭
60分以内
京都所司代、御式方頭取、阪田出雲の下役に堀金十郎という渡り祐筆がいた。
だいこん久生十蘭
1時間〜
十五日水曜どこかで道草を食っていた最後のB29が一機、海よりも青い空の中をクラゲのように泳ぎながらゆるゆるとサイパンのほうへ帰って行った。
ノア久生十蘭
1時間〜
第一回交換船霧のなかで夜が明けかけていた。
三界万霊塔久生十蘭
60分以内
深尾好三はゆたかに陽のさしこむ広縁の籐椅子の中で背を立てた。
カストリ侯実録久生十蘭
60分以内
全十二巻の厖大な艶笑自叙伝「回想録」M※moires を書くことに生涯を費した色情的好事家ジォウァンニ・ヤコポ・カサノヴァと霊媒術をもってルイ十六世の宮廷で華々しい成功をし、「マリイ・アントアネットの首飾事件」に連坐してバスチーユに繋がれ、後、ローマで獄死した天才詐欺師バルサモ・ディオ・カリオストロ伯爵とルイ・シャルル・ド・カストリ侯爵の三人をある小史作者は十八世紀末から十九世紀中頃までの三大変種といっている。
フランス伯N・B久生十蘭
60分以内
そのころセント・ヘレナという島にはなにか恐しい悪気があって、二年目にはかならず死んでしまうといわれていた。
淪落の皇女の覚書久生十蘭
1時間〜
第一部皇帝の死刑沼の多い雪の平原のむこうにペテルブルグの円屋根や尖塔が輝き、空のはてはフィンランドのほうへ低く垂れている。
南極記久生十蘭
60分以内
一九二八年(昭和三)の十二月二十九日、三発のフォッカー機で、西経百五十度の線を南極の極点に向って飛んでいるとき、南緯八十度附近の大氷原の上で、見せかけの花むらのような世にも鮮かな焔色したものがバード大佐の視覚をかすめた。
泡沫の記久生十蘭
60分以内
森鴎外の「独逸日記」(明治十七年十月から二十一年五月にいたる)の十九年六月のところに次のような記述がある。
海難記久生十蘭
1時間〜
ルイ十八世復古政府の第三年、仏領西亜弗利加の海岸で、過去にもなく、将来にもあろうとも思えぬ惨澹たる海難事件が起った。
青髯二百八十三人の妻久生十蘭
60分以内
前大戦が終った翌年、まだ冬のままの二月のはじめ、パリの山手のレストランで働いているジャンヌ・ラコストという娘が、この十カ月以来、消息不明になっている姉のマダム・ビュイッソンの所在をたずねていた。
悪の花束久生十蘭
1時間〜
ルネ・ゴロン Ren※ Gorron はオウブ県ノジャン警察署の刑事を振出しに、巴里警視庁捜査局の第一課長から司法監察官になり、一九二六年に隠退するまでの二十六年の間に「ビペスコ伯爵夫人事件」「パスカルの三重殺人事件」「反射鏡事件」等々、フランスに起った大きな事件をほとんどみな手懸けている。
顎十郎捕物帳久生十蘭
60分以内
馬の尻尾「はて、いい天気だの」紙魚くいだらけの古帳面を、部屋いっぱいにとりちらしたなかで、乾割れた、蠅のくそだらけの床柱に凭れ、ふところから手の先だけを出し、馬鹿長い顎の先をつまみながら、のんびりと空を見あげている。
顎十郎捕物帳久生十蘭
30分以内
魚釣談義神田小川町『川崎』という釣道具屋。
顎十郎捕物帳久生十蘭
60分以内
藤波友衛坊主畳を敷いた長二十畳で、部屋のまんなかに大きな囲炉裏が切ってある。
顎十郎捕物帳久生十蘭
60分以内
左きき「こりゃ、ご書見のところを……」「ふむ」書見台から顔をあげると、蒼みわたった、鬢(びん)の毛のうすい、鋭い顔をゆっくりとそちらへ向け、「おお、千太か。
顎十郎捕物帳久生十蘭
60分以内
新酒「……先生、お茶が入りました」「う、う、う」「だいぶと、おひまのようですね。
顎十郎捕物帳久生十蘭
60分以内
賜氷の節「これ、押すな、押すな。
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