5分以内で読める青空文庫の短編作品
青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「5分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
| 作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「5分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
| 作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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| 作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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| 病中幻想 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
罪はいま疾にかはり たよりなくわれは騰りて 野のそらにひとりまどろむ 太虚ひかりてはてしなく 身は水素より軽ければ また耕さんすべもなし せめてはかしこ黒と白 立ち並びたる積雲を 雨と崩して堕ちなんを | |||
| 〔馬行き人行き自転車行きて〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
馬行き人行き自転車行きて しばし粉雪の風吹けり 絣合羽につまごはき 物噛むごとくたゝずみて 大売り出しのビラ読む翁 まなこをめぐる輻状の皺 楽隊の音からおもてを見れば 雲は傷れて眼痛む 西洋料理支那料理の 三色文字は赤より暮るゝ 馬が一疋東へ行く 古びた荷繩をぶらさげて 雪みちをふむ 引いて行くのはまだ頬の円いこども 兵隊外套が長過ぎるので 繩でしばつてたごめてゐる 政友会の親分の 手を綿 | |||
| 雪峡 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
塵のごと小鳥なきすぎ ほこ杉の峡の奥より あやしくも鳴るや み神楽 いみじくも鳴るや み神楽 たゞ深し天の青原 雲が燃す白金環と 白金の黒の窟を 日天子奔せ出でたまふ | |||
| 機会 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
恋のはじめのおとなひは かの青春に来りけり おなじき第二神来は 蒼き上着にありにけり その第三は諸人の 栄誉のなかに来りけり いまおゝその四愛憐は 何たるぼろの中に来しぞも | |||
| 〔われらひとしく丘に立ち〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
われらひとしく丘に立ち 青ぐろくしてぶちうてる あやしきもののひろがりを 東はてなくのぞみけり そは巨いなる塩の水 海とはおのもさとれども 伝へてきゝしそのものと あまりにたがふこゝちして たゞうつゝなるうすれ日に そのわだつみの潮騒の うろこの国の波がしら きほひ寄するをのぞみゐたりき | |||
| 四八 黄泉路 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
アリイルスチュアール 一九二七 (房中寒くむなしくて 灯は消え月は出でざるに 大なる恐怖の声なして いま起ちたるはそも何ぞ!…… わが知るものの霊よ 何とてなれは来りしや?) (君は云へりき わが待たば 君も必ず来らんと……) (愛しきされど愚かしき 遙けくなれの死しけるを 亡きと生けるはもろ共に 行き交ふことの許されね いざはやなれはくらやみに われは愛にぞ行くべかり) ( | |||
| 〔たゞかたくなのみをわぶる〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
……たゞかたくなのみをわぶる なにをかひとにうらむべき…… ましろきそらにはゞたきて ましろきそらにたゆたひて 百舌はいこひをおもふらし | |||
| 宅地 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
白日雲の角に入り 害条桐を辞し堕ちぬ 黒き豚は巣を出でて キャベヂの茎を穿ちたり | |||
| 〔そのかたち収得に似て〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
そのかたち収得に似て 面赤く鼻たくましき その云ふや声肝にあり その行くや犠を索むる | |||
| 〔青びかる天弧のはてに〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
青びかる天弧のはてに きらゝかに町はうかびて 六月のたつきのみちは いまやはた尽きはてにけり いさゝかの書籍とセロを 思ふまゝ〔以下空白〕 | |||
| 〔いざ渡せかし おいぼれめ〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
「いざ渡せかし おいぼれめ いつもこゝにて日を暮らす」 すぱとたばこを吸ひやめて 何を云ふともこの飯の 煮たたぬうちに 立つべしや 芋の子頭白髪して おきなは榾を加へたり | |||
| 校庭 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
さ霧する白き木柵 幹彫れる桐のいくもと 剥げそめし白きペンキの 木柵に人人は倚り そのペンキあるいは剥げ あるものは庭をのぞめり 一鐘のラッパが鳴りて 急ぎ行く港先生 白堊城秋のガラスは ひらごとにうつろなりけり | |||
| 開墾 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
落ちしのばらの芽はひかり 樹液はしづにかはたれぬ あゝこの夕つゝましく きみと祈らばよからんを きみきたらずばわが成さん この園つひにむなしけん 西天黄ばみにごれるに 雲の黒闇の見もあへず | |||
| 〔館は台地のはななれば〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
館は台地のはななれば 鳥は岬の火とも見つ 香魚釣る人は藪と瀬を 低くすかしてわきまへぬ 鳥をまがへる赤き蛾は 鱗粉きらとうちながし 緑の蝦を僭しつゝ 浮塵子あかりをめぐりけり | |||
| 〔二川こゝにて会したり〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
(二川こゝにて会したり) (いな、和賀の川水雪代ふ 夏油のそれの十なれば その川ここに入ると云へ) 藍と雪とのうすけぶり つらなる尾根のかなたより 夏油の川は巌截りて ましろき波をながしきぬ | |||
| 百合を掘る | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
百合掘ると 唐鍬をかたぎつ ひと恋ひて 林に行けば 濁り田に 白き日輪 くるほしく うつりゆれたる 友らみな 大都のなかに 入学の 試験するらん われはしも 身はうち疾みて こゝろはも 恋に疲れぬ 森のはて いづくにかあれ 子ら云へる 声ほのかにて はるかなる 地平のあたり 汽車の音 行きわぶごとし このまひる 鳩のまねして 松森の うす日のなかに | |||
| 国柱会 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
外の面には春日うららに ありとあるひびきなせるを 灰いろのこの館には 百の人けはひだになし 台の上桜はなさき 行楽の士女さゞめかん この館はひえびえとして 泉石をうち繞りたり 大居士は眼をいたみ はや三月の人の見るなく 智応氏はのどをいたづき 巾巻きて廊に按ぜり 崖下にまた笛鳴りて 東へととゞろき行くは 北国の春の光を 百里経て汽車の着きけん | |||
| 〔なべてはしけく よそほひて〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
なべてはしけく よそほひて 暁惑ふ 改札を ならび出づると ふりかへる 人なきホーム 陸の橋 歳に一夜の 旅了へし をとめうなゐの ひとむれに 黒きけむりを そら高く 職場は待てり 春の雨 | |||
| 〔雲ふかく 山裳を曳けば〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
雲ふかく 山裳を曳けば きみ遠く去るにかも似ん 丘群に 日射し萌ゆれば きみ来り訪ふにも似たり | |||
| 僧園 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
星のけむりの下にして 石組黒くひそめるを さもあしざまに鳴き棄てつ くわくこう一羽北に過ぎたり 夜のもみぢの木もそびえ 御堂の屋根も沈めるを さらに一羽の鳥ありて 寒天質の闇に溶けたり | |||
| 釜石よりの帰り | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
かぎりなく鳥はすだけど こゝろこそいとそゞろなれ 竹行李小きをになひ 雲しろき飯場を出でぬ みちのべにしやが花さけば かうもりの柄こそわびしき かすかなる霧雨ふりて 丘はたゞいちめんの青 谷あひの細き棚田に 積まれつゝ廐肥もぬれたり | |||
| 祭日〔二〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
アナロナビクナビ睡たく桐咲きて 峡に瘧のやまひつたはる ナビクナビアリナリ赤き幡もちて 草の峠を越ゆる母たち ナリトナリアナロ御堂のうすあかり 毘沙門像に味噌たてまつる アナロナビクナビ踏まるゝ天の邪鬼 四方につゝどり鳴きどよむなり | |||
| 看痾 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
七月はさやに来れど 故しらに人はなほ疾み 日過ぎ来し白雲の野は さびしくも掃き浄めらる | |||
| 宗谷〔一〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
まくろなる流れの岸に 根株燃すゆふべのけむり こらつどひかたみに舞ひて たんぽゝの白き毛をふく 丘の上のスリッパ小屋に 媼ゐてむすめらに云ふ かくてしも畑みな成りて あらたなる艱苦ひらくと | |||
| 製炭小屋 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
もろの崖より たゆみなく 朽ち石まろぶ 黒夜谷 鳴きどよもせば 慈悲心鳥の われにはつらき 睡りかな 榾組み直し ものおもひ ものうちおもひ 榾組みて はやくも東 谷のはて 雲にも朱の 色立ちぬ | |||
| 宗谷〔二〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
そらの微光にそゝがれて いま明け渡る甲板は 綱具やしろきライフブイ あやしく黄ばむ排気筒 はだれに暗く緑する 宗谷岬のたゝずみと 北はま蒼にうち睡る サガレン島の東尾や 黒き葡萄の色なして 雲いとひくく垂れたるに 鉛の水のはてははや 朱金一すぢかゞやきぬ 髪を正しくくしけづり セルの袴のひだ垂れて 古き国士のおもかげに 日の出を待てる紳士あり 船はまくろき砒素鏡を その来しかたにつくるとき | |||
| 〔棕梠の葉やゝに痙攣し〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
棕梠の葉やゝに痙攣し 陽光横目に過ぐるころ 湯屋には声のほのかにて 溝水ほとと落ちたるに 放蕩無頼の息子の大工 このとき古きスコットランドの 貴族風して戻り来れり | |||
| 〔このみちの醸すがごとく〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
このみちの醸すがごとく 粟葉などひかりいでしは ひがしなる山彙の上に 黄なる月いざよへるなり 夏の草山とになひて やうやくに人ら帰るを なにをかもわがかなしまん すゝきの葉露をおとせり | |||
| 駅長 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
ことことと行く汽車のはて 温石いしの萱山の 上にひとつの松ありて あるいは雷にうたれしや 三角標にまがへりと 大上段に真鍮の 棒をかざしてさまよへり ごみのごとくにあきつとぶ 高圧線のま下にて 秋をさびしき白服の 酒くせあしき土木技手 いましも汽車を避け了へて こなたへ来るといまははた 急ぎガラスを入りにけり | |||
| 〔こはドロミット洞窟の〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
こはドロミット洞窟の け寒く硬き床なるを 幾箇の環を嵌められし 巨人の白き隻脚ぞ かくて十二の十年は 事なきさまに燃え過ぐる | |||
| 秘境 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
漢子称して秘処といふ その崖上にたどりしに 樺柏に囲まれて はうきだけこそうち群れぬ 漢子首巾をきと結ひて 黄ばめるものは熟したり なはそを集へわれはたゞ 白きを得んと気おひ云ふ 漢子が黒き双の脚 大コムパスのさまなして 草地の黄金をみだるれば 峯の火口に風鳴りぬ 漢子は蕈を山と負ひ 首巾をやゝにめぐらしつ 東に青き野をのぞみ にと笑みにつゝ先立ちぬ | |||
| 〔霜枯れのトマトの気根〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
霜枯れのトマトの気根 その熟れぬ青き実をとり 手に裂かばさびしきにほひ ほのぼのとそらにのぼりて 翔け行くは二価アルコホール 落ちくるは黒雲のひら | |||
| 〔雪とひのきの坂上に〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
雪とひのきの坂上に 粗き板もてゴシックを 辛く畳みて写真師の 聖のねぐらを営みぬ ぼたと名づくる雪ふりて いましめさけぶ橇のこら よきデュイエットうちふるひ ひかりて暮るゝガラス屋根 | |||
| 〔鉛のいろの冬海の〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
鉛のいろの冬海の 荒き渚のあけがたを 家長は白きもんぱして こらをはげまし急ぎくる ひとりのうなゐ黄の巾を うちかづけるが足いたみ やゝにおくるゝそのさまを をとめは立ちて迎へゐる 南はるかに亙りつゝ 氷霧にけぶる丘丘は こぞはひでりのうちつゞき たえて稔りのなかりしを 日はなほ東海ばらや 黒棚雲の下にして 褐砂に凍てし船の列 いまだに夜をゆめむらし 鉛のい | |||
| 小祠 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
赤き鳥居はあせたれど 杉のうれ行く冬の雲 野は殿堂の続きかな よくすかれたる日本紙は 一年風に完けきと 雪の反射に知りぬべし かしこは一の篩にて ひとまづそこに香を浄み 入り来るなりと云ひ伝ふ 雪の堆のなかにして りゝと軋れる井戸車 野は楽の音に充つるかな | |||
| 対酌 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
嘆きあひ 酌みかふひまに 灯はとぼり 雑木は昏れて 滝やまた 稜立つ巌や 雪あめの ひたに降りきぬ 「ただかしこ 淀むそらのみ かくてわが ふるさとにこそ」 そのひとり かこちて哭けば 狸とも 眼はよぼみぬ 「すだけるは 孔雀ならずや ああなんぞ 南の鳥を ここにして 悲しましむる」 酒ふくみ ひとりも泣きぬ いくたびか 鷹はすだきて 手拭は 雫をおと | |||
| 不軽菩薩 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
あらめの衣身にまとひ 城より城をへめぐりつ 上慢四衆の人ごとに 菩薩は礼をなしたまふ (われは不軽ぞかれは慢 こは無明なりしかもあれ いましも展く法性と 菩薩は礼をなし給ふ) われ汝等を尊敬す 敢て軽賤なさざるは 汝等作仏せん故と 菩薩は礼をなし給ふ (こゝにわれなくかれもなし たゞ一乗の法界ぞ 法界をこそ拝すれと 菩薩は礼をなし給ふ) | |||
| 〔聖なる窓〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
聖なる窓 そらのひかりはうす青み 汚点ある幕はひるがへる Oh, my reverence! Sacred St. Window! | |||
| 〔われはダルケを名乗れるものと〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
われはダルケを名乗れるものと つめたく最後のわかれを交はし 閲覧室の三階より 白き砂をはるかにたどるこゝちにて その地下室に下り来り かたみに湯と水とを呑めり そのとき瓦斯のマントルはやぶれ 焔は葱の華なせば 網膜半ば奪はれて その洞黒く錯乱せりし かくてぞわれはその文に ダルケと名乗る哲人と 永久のわかれをなせるなり | |||
| 県道 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
鳥居の下の県道を 砂塵おぼろにあとひきて 青竹いろのトラック過ぐる 枝垂の栗の下影に 鳥獣戯画のかたちして 相撲をとれる子らもあり | |||
| 〔かくまでに〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
かくまでに 心をいたましむるは 薄明穹の黒き血痕 新らしき 見習士官の肩章をつけ なが恋敵笑ひ過ぐるを | |||
| 隼人 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
あかりつぎつぎ飛び行けば 赭ら顔黒装束のその若者 こゝろもそらに席に帰れり 衢覆ふ膠朧光や 夜の穹窿を見入りつゝ 若者なみだうちながしたり 大森をすぎてその若者ひそやかに 写真をいだし見まもりにけり げに一夜 写真をながめ泪ながし 駅々の灯を迎へ送りぬ 山山に白雲かゝり夜は明けて 若者やゝに面をあげ 田原の坂の地形を説けり 赭ら顔黒装束のその隼人 歯磨などを | |||
| 〔せなうち痛み息熱く〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
せなうち痛み息熱く 待合室をわが得るや 白き羽せし淫れめの おごりてまなこうちつむり かなためぐれるベンチには かつて獅子とも虎とも呼ばれ いま歯を謝せし村長の 頬明き孫の学生を 侍童のさまに従へて 手袋の手をかさねつゝ いとつゝましく汽車待てる 外の面俥の往来して 雪もさびしくよごれたる 二月の末のくれちかみ 十貫二十五銭にて いかんぞ工場立たんなど そのかみのシャツそのかみの 外套を着て物思ふ | |||
| 〔ひとひははかなくことばをくだし〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
ひとひははかなくことばをくだし ゆふべはいづちの組合にても 一車を送らんすべなどおもふ さこそはこゝろのうらぶれぬると たそがれさびしく車窓によれば 外の面は磐井の沖積層を 草火のけむりぞ青みてながる 屈撓余りに大なるときは 挫折の域にも至りぬべきを いままた怪しくせなうち熱り 胸さへ痛むはかつての病 ふたゝび来しやとひそかに経れば 芽ばえぬ柳と残りの雪の なかばはいとしくなかばはかなし あるい | |||
| スタンレー探検隊に対する二人のコンゴー土人の演説 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
白人白人いづくへ行くや こゝを溯らば毒の滝 がまは汝を膨らまし 鰐は汝の手を食はん ちがひなしちがひなし がまは汝の舌を抜き 鰐は汝の手を食はん 白人白人いづくへ行くや こゝより奥は暗の森 藪は汝の足をとり 蕈は汝を腐らさん ちがひなしちがひなし 藪は汝の足をとり 蕈は汝を腐らさん 白人白人いづくへ行くや こゝを昇らば熱の丘 赤は | |||
| 敗れし少年の歌へる | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
ひかりわななくあけぞらに 清麗サフィアのさまなして きみにたぐへるかの惑星の いま融け行くぞかなしけれ 雪をかぶれるびやくしんや 百の海岬いま明けて あをうなばらは万葉の 古きしらべにひかれるを 夜はあやしき積雲の なかより生れてかの星ぞ さながらきみのことばもて われをこととひ燃えけるを よきロダイトのさまなして ひかりわなゝくかのそらに 溶け行くとしてひるがへる きみが星こそかなしけれ | |||
| 〔くもにつらなるでこぼこがらす〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
くもにつらなるでこぼこがらす 杜のかなたを赤き電車のせはしき往来 べつ甲めがねのメフェスト | |||
| 〔土をも掘らん汗もせん〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
土をも掘らん汗もせん まれには時に食まざらん さあれわれらはわれらなり ながともがらといと遠し にくみいかりしこのことば いくそたびきゝいまもきゝ やがてはさのみたゞさのみ わが生き得んと うしなへるこゝろと くらきいたつきの さなかにわれもうなづきなんや | |||
| 〔あくたうかべる朝の水〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
あくたうかべる朝の水 ひらととびかふつばくらめ 苗のはこびの遅ければ 熊ははぎしり雲を見る 苗つけ馬を引ききたり 露のすぎなの畔に立ち 権は朱塗の盃を ましろきそらにあふぐなり | |||
| 中尊寺〔二〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
白きそらいと近くして みねの方鐘さらに鳴り 青葉もて埋もる堂の ひそけくも暮れにまぢかし 僧ひとり縁にうちゐて ふくれたるうなじめぐらし 義経の彩ある像を ゆびさしてそらごとを云ふ | |||