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ある日

中野鈴子

『ある日』は青空文庫で公開されている中野鈴子の短編作品。227文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数
5分以内
227文字
人気
432PV
書出

ある日 市電ののりかえで待っていると 一人の女の人がやってきた 洋服も帽子も見たこともないような古い型で 汚れて穴もあいている 断髪の毛は赤ちゃけ 木綿靴下の足がすりこぎのように弾力がない 電車がきて 彼女はわたしの前に向かい合った 健康でない むしろやつれた細面のかお けれども 目は 生き生きとして ひとところを見ていた 彼女はどんな過去を持っているのだろう 風呂敷き包みをきちんとかかえ ど

初出
底本中野鈴子全詩集
表記
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