5分以内で読める青空文庫の短編作品
青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「5分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
---|
青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「5分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
---|
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
---|---|---|---|
コンラッドの描きたる自然について | 夏目漱石 | 5分以内 | |
一月二十七日の読売新聞で日高未徹君は、余の国民記者に話した、コンラッドの小説は自然に重きをおき過ぎるの結果主客顛倒の傾があると云う所見を非難せられた。 | |||
ケーベル先生の告別 | 夏目漱石 | 5分以内 | |
ケーベル先生は今日(八月十二日)日本を去るはずになっている。 | |||
初秋の一日 | 夏目漱石 | 5分以内 | |
汽車の窓から怪しい空を覗(のぞ)いていると降り出して来た。 | |||
杉よ! 眼の男よ! | 富岡誠 | 5分以内 | |
杉よ!眼の男よ!富岡誠『杉よ!眼の男よ!』と俺は今、骸骨の前に起つて呼びかける。 | |||
氷屋の旗 | 石川啄木 | 5分以内 | |
親しい人の顔が、時として、凝乎と見てゐる間に見る見る肖ても肖つかぬ顔――顔を組立ててゐる線と線とが離れ/\になつた様な、唯不釣合な醜い形に見えて来る事がある。 | |||
路傍の雑草 | 島崎藤村 | 5分以内 | |
学校の往還に――すべての物が白雪に掩はれて居る中で――日の映つた石垣の間などに春待顔な雑草を見つけることは、私の楽しみに成つて来た。 | |||
「享楽座」のぷろろぐ | 辻潤 | 5分以内 | |
ダダはスピノザを夢見ていつでも「鴨緑江節」を口吟んでいるだから白蛇姫に恋して宿場女郎を抱くのである浅草の塔が火の柱になってその灰燼から生まれたのが青臭い“La(ラ) Variete(ヴリエテ) d'Epicure(デピキュウル)”なのだ万物流転の悲哀を背負ってタンバリンとカスタネットを鳴らす紅と白粉の子等よ!君達の靴下の穴を気にするな※ひたすら「パンタライ」の呪文を唱えて若き男達の唇と股と... | |||
ビルディング | 夢野久作 | 5分以内 | |
巨大な四角いビルディングである。 | |||
秋の暈 | 織田作之助 | 5分以内 | |
秋という字の下に心をつけて、愁と読ませるのは、誰がそうしたのか、いみじくも考えたと思う。 | |||
雨の夜 | 樋口一葉 | 5分以内 | |
庭の芭蕉(ばせを)のいと高やかに延びて、葉は垣根の上やがて五尺もこえつべし、今歳はいかなれば斯(か)くいつまでも丈のひくきなど言ひてしを夏の末つかた極めて暑かりしに唯一日ふつか、三日とも数へずして驚くばかりに成ぬ、秋かぜ少しそよ/\とすれば端のかたより果敢なげに破れて風情次第に淋(さび)しくなるほど雨の夜の音なひこれこそは哀れなれ、こまかき雨ははら/\と音して草村がくれ鳴こほろぎのふしをも乱さず、風一しきり颯(さつ)と降くるは彼の葉にばかり懸るかといたまし。 | |||
走ラヌ名馬 | 太宰治 | 5分以内 | |
何ヲ書コウトイウ、アテ無クシテ、イワバオ稲荷サンノ境内ニポカント立ッテイテ、面白クモナイ絵馬眺メナガラ、ドウシヨウカナア、ト心定マラズ、定マラヌママニ、フラフラ歩キ出シテ、腐リカケタル杉ノ大木、根株ニマツワリ、ヘバリツイテイル枯レタ蔦(ツタ)一スジヲ、ステッキデパリパリ剥(ハ)ギトリ、ベツダン深キ意味ナク、ツギニハ、エイット大声、狐ノ石像ニ打ッテカカッテ、コレマタ、ベツダン高イ思念ノ故デナイ。 | |||
五月雨 | 吉江喬松 | 5分以内 | |
五月雨が音を立てゝ降りそゝいでゐた。 | |||
醜婦を呵す | 泉鏡花 | 5分以内 | |
村夫子は謂(い)ふ、美の女性に貴ぶべきは、其面の美なるにはあらずして、単に其意の美なるにありと。 | |||
鵜飼 | 横光利一 | 5分以内 | |
どこかで計画しているだろうと思うようなこと、想像で計り知られるようなこと、実際これはこうなる、あれはああなると思うような何んでもない、簡単なことが渦巻き返して来ると、ルーレットの盤の停止点を見詰めるように、停るまでは動きが分らなくなるという魔力に人はかかってしまう。 | |||
若葉の雨 | 薄田泣菫 | 5分以内 | |
野も、山も、青葉若葉となりました。 | |||
遺言三種 | 森鴎外 | 5分以内 | |
遺言壱予ハ予ノ死後遺ス所ノ財産ヲ両半ニ平分シ左ノ弐条件ヲ附シテ壱半ヲ予ノ相続者予ノ長男森於菟ニ与ヘ壱半ヲ予ノ母森みねニ与フベシ弐予ノ祖母森きよノ生活費予ノ妻森しけガ生家荒木氏ニ復籍シ若クハ他家ニ再嫁スルニ至ルマデノ生活費予ノ弟潤三郎ガ他家ニ養ハレ若クハ自活ノ方法成立スルニ至ルマデノ生活費及教育費予ノ長女茉莉ガ他家ニ嫁スルニ至ルマデノ生活費及教育費並他家ニ嫁スル時ノ支度費ハ予ノ死後森於菟ガ予ノ与フル所ノ財産及其利子ノ壱部ヲ以テ負担スヘキコト是ヲ条件ノ壱トス... | |||
霜夜 | 芥川竜之介 | 5分以内 | |
霜夜の記憶の一つ。 | |||
ピアノ | 芥川竜之介 | 5分以内 | |
或雨のふる秋の日、わたしは或人を訪ねる為に横浜の山手を歩いて行つた。 | |||
結婚難並びに恋愛難 | 芥川竜之介 | 5分以内 | |
あなたがたはゼライイドの話を知つてゐますか?ゼライイドは美しい王女です。 | |||
竜村平蔵氏の芸術 | 芥川竜之介 | 5分以内 | |
現代はせち辛い世の中である。 | |||
横須賀小景 | 芥川竜之介 | 5分以内 | |
カフエ僕は或カフエの隅に半熟の卵を食べてゐた。 | |||
発句私見 | 芥川竜之介 | 5分以内 | |
十七音発句は十七音を原則としてゐる。 | |||
着物 | 芥川竜之介 | 5分以内 | |
こんな夢を見た。 | |||
長崎 | 芥川竜之介 | 5分以内 | |
菱形の凧(たこ)。 | |||
『聖書』の権威 | 有島武郎 | 5分以内 | |
私には口はばったい云い分かも知れませんが聖書と云う外はありません。 | |||
猫と色の嗜好 | 石田孫太郎 | 5分以内 | |
聞く所によれば野蛮人は赤色を愛すると云うが、我輩文明人にしても尚野蛮の域に居る所の子供は赤色を好み、段々と大きくなるに従って、色の浅いものを好むようになる、而して純白色のものを以て最も高尚なものとするのは、我輩文明人の常である、左れば染色上の嗜好より人の文野を別てば、白色若しくは水色等を愛する者は最も文化したるもので、青色だの紅色だの又は紫抔(など)を愛するものは之に中し、緋(ひ)や赤を好む者は子供か又は劣等なる地位に居るものと言うて良い、扨(さ)て是から猫は如何なる染色を好むかに就て述... | |||
ふるさと | 漢那浪笛 | 5分以内 | |
無言常によく見る女なれど、心の欲を云ひいでむ、また、語るべき機会もなく、胸もどかしく、過ぎゆくか。 | |||
お花見雑感 | 泉鏡花 | 5分以内 | |
四五年といふもの逗子の方へ行つてゐたので、お花見には御無沙汰した。 | |||
戦争中止を望む | 伊丹万作 | 5分以内 | |
現在の日本は政治、軍事、生産ともに行き当りばったりであり、万事が無為無策の一語に尽きる。 | |||
一つの世界 | 伊丹万作 | 5分以内 | |
君の手紙と東京から帰った会社の人の報告で東京の惨状はほぼ想像がつく。 | |||
顔の美について | 伊丹万作 | 5分以内 | |
人間が死ぬる前、与えられた寿命が終りに近づいたときは、その人間の分相応に完全な相貌に到達するのであろうと思う。 | |||
かの日の歌【一】 | 漢那浪笛 | 5分以内 | |
南の国の黄昏れ、空は紅き笑ひを残して静かなり。 | |||
時事雑評二三 | 内村鑑三 | 5分以内 | |
一、独立論独立を唱ふるは善し、然れども如何にして之を実行すべき乎(か)、言ふを休めよ「汝我と共に独立する時は我も独立せん」と独立とは「独り立つ」といふことなり、他人と共ならでは立ち得ざる人は独立には非らざるなり、独立を望むものは先づ独りで立つべきなり、而して独立の人相集て始めて独立の教会もあり、独立の国家もあるなり、集合的独立を望んで個人的独立を敢てせざるものは独立するとも独立の好結果に与かり得ざるなり、我等は厄介者と共に独立するを甚だ迷惑に感ずるなり、他人の独立... | |||
問答二三 | 内村鑑三 | 5分以内 | |
客あり余に問ふに左の二三の事項を以てせり、而(しか)して余は爾(し)か答へぬ。 | |||
楽しき生涯 | 内村鑑三 | 5分以内 | |
我の諂ふべき人なし我の組すべき党派なし我の戴くべき僧侶なし我の維持すべき爵位なし我に事ふべきの神あり我に愛すべきの国あり我に救ふべきの人あり我に養ふべきの父母と妻子あり四囲の山何ぞ青き加茂の水何ぞ清き空の星何ぞ高き朝の風何ぞ爽き一函の書に千古の智恵あり以て英雄と共に語るを得べし一茎の筆に奇異の力あり以て志を千載に述るを得べし我に友を容るゝの室あり... | |||
寒中の木の芽 | 内村鑑三 | 5分以内 | |
一、春の枝に花あり夏の枝に葉あり秋の枝に果あり冬の枝に慰あり二、花散りて後に葉落ちて後に果失せて後に芽は枝に顕はる三、嗚呼憂に沈むものよ嗚呼不幸をかこつものよ嗚呼冀望の失せしものよ春陽の期近し四、春の枝に花あり夏の枝に葉あり秋の枝に果あり冬の枝に慰あり。 | |||
寡婦の除夜 | 内村鑑三 | 5分以内 | |
月清し、星白し、霜深し、夜寒し、家貧し、友尠(すくな)し、歳尽て人帰らず、思は走る西の海涙は凍る威海湾南の島に船出せし恋しき人の迹(あと)ゆかし人には春の晴衣軍功の祝酒我には仮りの侘住独り手向る閼伽(あか)の水我空ふして人は充つ我衰へて国栄ふ貞を冥土の夫に尽し節を戦後の国に全ふす月清し、星白し、霜深し、夜寒し、家貧し、友尠(すくな)... | |||
ネルソン伝に序す | 内村鑑三 | 5分以内 | |
天の命ありて英国始めて、青海原より立し時、其特職なればとて、守護の神はたゝへて曰く、不烈巓国よ波に覇たれ、不烈巓人は奴隷ならじ。 | |||
月譜 | 大町桂月 | 5分以内 | |
月の名所は桂浜といへる郷里のうた、たゞ記憶に存するのみにて、幼少の時より他郷に流寓して、未だ郷にかへりたることなければ、まことはその桂浜の月見しことなけれど、名たゝる海南絶勝の地の、危礁乱立する浜辺に、よりては砕くる浪の花しろく、九十九湾縹渺として烟にくるゝ夕雲をはらひはてし秋風を浜松の梢にのこして、長鯨潮を吹く浪路の末に、一輪の名月あらひ出されたらむは、如何に心ゆくべきかぎりぞや。 | |||
非凡人と凡人の遺書 | 岡本一平 | 5分以内 | |
牛や魚は死ぬ時遺言しない。 | |||
雑煮 | 岡本かの子 | 5分以内 | |
維新前江戸、諸大名の御用商人であつた私の實家は、維新後東京近郊の地主と變つたのちまでも、まへの遺風を墨守して居る部分があつた。 | |||
朧 | 岡本かの子 | 5分以内 | |
早春を脱け切らない寒さが、思ひの外にまだ肩や肘を掠める。 | |||
新茶 | 岡本かの子 | 5分以内 | |
それほど茶好きでなくとも、新茶には心ひかれる。 | |||
ダミア | 岡本かの子 | 5分以内 | |
うめき出す、といふのがダミアの唄ひ方の本当の感じであらう。 | |||
かの日の歌【二】 | 漢那浪笛 | 5分以内 | |
※音なき秋の空をながめて、木の葉は淡き吐息をもらし、色みな、悲しきメロディなり。 | |||
かの日の歌【三】 | 漢那浪笛 | 5分以内 | |
※温たかき玉は、君が手より、すべり落ちぬ。 | |||
かの日の歌【四】 | 漢那浪笛 | 5分以内 | |
※ささへかねたる苦痛の重さ!心と肉とは、時ふるへり。 | |||
私の日常道徳 | 菊池寛 | 5分以内 | |
一、私は自分より富んでいる人からは、何でも欣(よろこ)んで貰うことにしてある。 | |||
かの日の歌【五】 | 漢那浪笛 | 5分以内 | |
※気味わるき、十二月の、ひねもす。 | |||
北原白秋氏の肖像 | 木下杢太郎 | 5分以内 | |
……願ふは極秘、かの奇しき紅の夢……(「邪宗門」)性慾の如くまつ青な太陽が金色の髪を散して、異教の寺の晩鐘の呻吟のやうに高らかに、然しさびしく、河の底へ……底へ……底へ……と沈む時に、幻想の黒い帆前は滑つて行く……音もなく……明るい灰色の硝子の外で、氏は倚(よ)れる窗(まど)の後で――。 |