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北原白秋氏の肖像

木下杢太郎

『北原白秋氏の肖像』は青空文庫で公開されている木下杢太郎の短編作品。1,095文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数
5分以内
1,095文字
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書出

……願ふは極秘、かの奇しき紅の夢……(「邪宗門」)性慾の如くまつ青な太陽が金色の髪を散して、異教の寺の晩鐘の呻吟のやうに高らかに、然しさびしく、河の底へ……底へ……底へ……と沈む時に、幻想の黒い帆前は滑つて行く……音もなく……明るい灰色の硝子の外で、氏は倚(よ)れる窗(まど)の後で――。

初出
底本書物の王国13 芸術家
表記
新字旧仮名
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