寡婦の除夜

内村鑑三

『寡婦の除夜』は青空文庫で公開されている内村鑑三の短編作品。183文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。

文字数
5分以内183文字
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書き出し

月清し、星白し、 霜深し、夜寒し、 家貧し、友尠し、 歳尽て人帰らず、 思は走る西の海 涙は凍る威海湾 南の島に船出せし 恋しき人の迹ゆかし 人には春の晴衣 軍功の祝酒 我には仮りの侘住 独り手向る閼伽の水 我空ふして人は充つ 我衰へて国栄ふ 貞を冥土の夫に尽し 節を戦後の国に全ふす 月清し、星白し、 霜深し、夜寒し、 家貧し、友尠し、 歳尽きて人帰らず。

初出
底本内村鑑三全集3 1894-1896
表記
新字旧仮名