猫と色の嗜好
石田孫太郎
『猫と色の嗜好』は青空文庫で公開されている石田孫太郎の短編作品。1,909文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数 | 5分以内 1,909文字 |
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書き出し書出 | 聞く所によれば野蛮人は赤色を愛すると云うが、我輩文明人にしても尚野蛮の域に居る所の子供は赤色を好み、段々と大きくなるに従って、色の浅いものを好むようになる、而して純白色のものを以て最も高尚なものとするのは、我輩文明人の常である、左れば染色上の嗜好より人の文野を別てば、白色若しくは水色等を愛する者は最も文化したるもので、青色だの紅色だの又は紫抔(など)を愛するものは之に中し、緋(ひ)や赤を好む者は子供か又は劣等なる地位に居るものと言うて良い、扨(さ)て是から猫は如何なる染色を好むかに就て述... |
初出 | |
底本 | 日本の名随筆3 猫 |
表記 | 新字新仮名 |
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