60分以内で読める青空文庫の中編作品
青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「60分以内」の中編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「60分以内」の中編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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秘密 | 平林初之輔 | 60分以内 | |
私がこれから書き記してゆくような出来事は、この世の中では、決して二度と起こりもしまいし、たとえ起こったところで、当事者が私のような破廉恥漢でなければ、それを公に発表しようなどという気は起こさぬだろうと思う。 | |||
華やかな罪過 | 平林初之輔 | 60分以内 | |
「貴方が人殺しをして、生々しい血糊で汚れた手を妾(わたし)に見せておまけに『俺は盗みもしてきたんだよ、つい一分前まで、仲よく話していた友達を、いきなり絞め殺して、そいつの懐から、ほらこの通り蟇口をぬきとってきたんだ』なんて言いながら、ほんとうに血だらけな手でその蟇口を自慢そうに妾の眼の前へぶら下げてみせたとしたら、妾は貴方を憎めるでしょうか?怖気をふるって貴方から逃げられるでしょうか?いいえ、なおさら妾は貴方が好きでたまらなくなるにきまってるわ。 | |||
動物園の一夜 | 平林初之輔 | 60分以内 | |
樹立の青葉は、病後の人のように喘(あえ)いでいる。 | |||
鉄の規律 | 平林初之輔 | 60分以内 | |
今から何年か前、詳しく言えば、千九百――年の夏のある日、午後八時頃ポーラー〔(通気性に富む上等の織物)〕の上着に白セル〔薄地の織物〕のズボンをつけ、新しいパナマをかぶって、顔にマスクをつけた、背の高い男が、銀座三丁目の常盤ビルディングの六階の一室へ、ふらりとはいってきた。 | |||
昭和四年の文壇の概観 | 平林初之輔 | 60分以内 | |
はしがき社会現象の過程は、全体性においてのみ完全に理解することができるので、それを部分的に、局所的に理解することは不可能である。 | |||
鈴が通る | 三好十郎 | 60分以内 | |
[#ここから2段組み]人間そめかつかじやさぶ農夫しげ馬方仲買おかみ娘男の子吏員助役吏員二農夫吏員三吏員四娘二青年女教師旅の女[#ここで2段組み終わり]どこかで鶏がトキを作っている。 | |||
ぼたもち | 三好十郎 | 60分以内 | |
おりき新次郎サダ喜十森山おせん[#改ページ]新そうじやねえよ!次郎そうだよ!新そうじやねえよ!次郎そうだよつ!新そうじやねえつたら!次郎そうだい!新そうじやねえつたら、馬鹿!次郎馬鹿でも阿呆でも、そうだからそうだねえかよ!新ちつ、次郎なんぞになにがわかるもんだ!次郎へつ、そんじや、新ちやんはなんでもかんでもわかるのけ... | |||
其中日記 | 種田山頭火 | 60分以内 | |
かうして山頭火ここにわたしのかげ昭和八年三月二十日ヨリ同年七月十日マデ三月二十日初雷。 | |||
日本無政府主義者陰謀事件経過及び付帯現象 | 石川啄木 | 60分以内 | |
明治四十三年(西暦一九一〇)六月二日東京各新聞社、東京地方裁判所檢事局より本件の犯罪に關する一切の事の記事差止命令を受く。 | |||
南部の鼻曲り | 久生十蘭 | 60分以内 | |
これからする話を小説に書いてくれないかね、と玉本寿太郎がいった。 | |||
行乞記 | 種田山頭火 | 60分以内 | |
一鉢千家飯山頭火□春風の鉢の子一つ□秋風の鉄鉢を持つ雲の如く行き水の如く歩み風の如く去る一切空五月十三日(室積行乞)まだ明けないけれど起きる、まづ日暦を今日の一枚めくり捨てゝから空模様を見る、有明月の明るさが好晴を保證してゐる。 | |||
飢餓地帯を歩く | 下村千秋 | 60分以内 | |
また雪が降り出した。 | |||
墨子 | 幸田露伴 | 60分以内 | |
墨子は周秦の間に於て孔子老子の學派に對峙した鬱然たる一大學派の創始者である。 | |||
其中日記 | 種田山頭火 | 60分以内 | |
┌─────────────────────────┐│おかげさまで、五十代四度目の、││其中庵二度目の春をむかへること││ができました。 | |||
夫人利生記 | 泉鏡花 | 60分以内 | |
瑠璃色に澄んだ中空の樹の間から、竜が円い口を張開いたような、釣鐘の影の裡(なか)で、密と、美麗な婦の――人妻の――写真を視た時に、樹島は血が冷えるように悚然とした。 | |||
山吹 | 泉鏡花 | 60分以内 | |
山吹の花の、わけて白く咲きたる、小雨の葉の色も、ゆあみしたる美しき女の、眉あおき風情に似ずやとて、――時現代。 | |||
地方主義篇 | 福士幸次郎 | 60分以内 | |
最初の時代眞青な海のうへに夏のやうでもなく、秋のやうでもなく、慥かに春の日がその華かさが更に、烈しいとでも言ひたい位の正午の光を受けて、北海道通ひの蒸汽船が二艘、遙か遠くを煙りを吐いて走つてゐる。 | |||
遺稿 | 泉鏡花 | 60分以内 | |
この無題の小説は、泉先生逝去後、机辺の篋底に、夫人の見出されしものにして、いつ頃書かれしものか、これにて完結のものか、はたまた未完結のものか、今はあきらかにする術なきものなり。 | |||
菊あわせ | 泉鏡花 | 60分以内 | |
「蟹(かに)です、あのすくすくと刺のある。 | |||
妙義山の五日 | 大町桂月 | 60分以内 | |
むかし取つたる杵柄、如何なる嶮山でも、何の糞と侮りて、靴穿きたるまゝ、洋服のづぼんもまくらず、即ち別に毫も旅仕度せずに、山にのぼりしが、心ばかりは、むかしにて、十年來、自墮落にもちくづしたる身體の力は、もとのやうにも無し。 | |||
季節の馬車 | 佐藤惣之助 | 60分以内 | |
飛雄する東部亞細亞人の爲めにわれわれは今やらなければ駄目だ。 | |||
田舎からの手紙 | 田山花袋 | 60分以内 | |
なつかしきK先生、ゴオと吹きおろす凩の音に、又もや何等の幸福も訪れずに、夕暮がさびしくやつてまゐりました。 | |||
西鶴小論 | 田山花袋 | 60分以内 | |
西鶴は大阪人ではあるけれども、それ以上に深い処を持つてゐると私は思ふ。 | |||
百日紅 | 田山花袋 | 60分以内 | |
山の半腹を縫つた細い路を私は歩いて居た。 | |||
三月の創作 | 田山花袋 | 60分以内 | |
今月は久し振で月評をする気になつた。 | |||
島の唄 | 田山花袋 | 60分以内 | |
あゝ焼けたな――ある日の朝、Bは新聞を見ながら思はずかう独語した。 | |||
哲学の現代的意義 | 戸坂潤 | 60分以内 | |
思想の科学文学に於ける思想性云々ということがよく云われている。 | |||
雨情民謡百篇 | 野口雨情 | 60分以内 | |
[#ページの左右中央]民謡は民族が有する唯一の郷土詩である。 | |||
おさんだいしよさま | 野口雨情 | 60分以内 | |
[#ページの左右中央]おさんだいしよさまは、常陸地方の方言、三台星のことなり。 | |||
極楽とんぼ | 野口雨情 | 60分以内 | |
著者よりうるほひのない生活は死灰である。 | |||
真間・蘆屋の昔がたり | 折口信夫 | 60分以内 | |
この国学院大学の前身の国学院、及び国学院大学で、私ども万葉集を習ひました。 | |||
武士を夷ということの考 | 喜田貞吉 | 60分以内 | |
緒言国史地理学上、本邦の種族調査の一部として、さきに「夷俘・俘囚の考」と「東人考」とを発表したる余輩の研究は、ここに中世において武士を夷(えびす)と称したることの理由を説明すべき順序となれり。 | |||
妖怪学一斑 | 井上円了 | 60分以内 | |
私は七、八年前より妖怪のことを研究しておりまして、今日のところでは、いまだ十分に研究し尽くしたわけではありませんがその研究中であって、いろいろその事実を収集しております。 | |||
妖怪談 | 井上円了 | 60分以内 | |
エー、今晩は、臨時のお好みに従いまして、御注文のとおり妖怪談を演説することになりました。 | |||
白い道 | 徳永直 | 60分以内 | |
――ほこりっぽい、だらだらな坂道がつきるへんに、すりへった木橋がある。 | |||
戦争雑記 | 徳永直 | 60分以内 | |
日露戦争がどんな理由、如何なる露国の、日本に対する圧迫、凌辱に依って、日本の政府が、あの如く日本国民を憤起させて敢て満洲の草原に幾万の同胞の屍(しかばね)を曝(さら)させたかは、当時、七歳にしかならない私に分りようがなかった。 | |||
暗黒星 | シモン・ニューコム | 60分以内 | |
驚くべき信号「暗黒星!暗黒星!」遥か天の一方に、怪しき暗黒星が現われたとの信号が、火星世界の天文台から発せられた。 | |||
箱根の山 | 田中英光 | 60分以内 | |
朝の薄ら陽があかあかと箱根街道を照らしていた。 | |||
二葉亭余談 | 内田魯庵 | 60分以内 | |
二葉亭との初対面私が初めて二葉亭と面会したのは明治二十二年の秋の末であった。 | |||
言文一致 | 水野葉舟 | 60分以内 | |
死語となつた「言文一致」「言文一致」といふ言葉は、今では既に推移し去つた過去のものになつてしまつてゐる。 | |||
リラの手紙 | 豊田三郎 | 60分以内 | |
久能は千駄木の青江の家に移って卒業論文に取りかかった。 | |||
俳諧師 | 岡本綺堂 | 60分以内 | |
登場人物俳諧師鬼貫路通鬼貫の娘お妙左官の女房お留[#改ページ]元祿の末年、師走の雪ふる夕暮。 | |||
能因法師 | 岡本綺堂 | 60分以内 | |
登場人物能因法師藤原節信能因の弟子良因花園少將少將の奧園生伏柴の加賀陰陽師阿部正親[#改ページ]藤原時代。 | |||
二階から | 岡本綺堂 | 60分以内 | |
二階からといって、眼薬をさす訳でもない。 | |||
佐々木高綱 | 岡本綺堂 | 60分以内 | |
登場人物佐々木四郎高綱その娘薄衣佐々木小太郎定重馬飼子之介その姉おみの高野の僧智山鹿島與甲賀六郎侍女小萬佐々木の家來など。 | |||
最後の大杉 | 内田魯庵 | 60分以内 | |
大杉とは親友という関係じゃない。 | |||
三十年前の島田沼南 | 内田魯庵 | 60分以内 | |
島田沼南は大政治家として葬られた。 | |||
美妙斎美妙 | 内田魯庵 | 60分以内 | |
欧化熱の早産児丁度この欧化主義の最絶頂に達して、一も西洋、二も西洋と、上下有頂天となって西欧文化を高調した時、この潮流に棹(さお)さして極端に西洋臭い言文一致の文体を創めたのが忽(たちま)ち人気を沸騰して、一躍文壇の大立者となったのは山田美妙斎であった。 | |||
平ヶ岳登攀記 | 高頭仁兵衛 | 60分以内 | |
平ヶ岳と鶴ヶ岳平ヶ岳の記事は従来刊行された地理書には絶無であるから、極めて僭越でかつは大袈裟のようではあるが、自分を主としたこの山の記録とでもいうような事と、自分がこの山に興味を持って、数回の失敗を重ねて、ようやく登攀を試みた筋道を一通り陳べて見ようと思う。 | |||
皇海山紀行 | 木暮理太郎 | 60分以内 | |
降りがちな天候は、十一月に入ってもからりと晴れた日は続かなかった。 |